「スパイ映画さながらでカンニングを描く!」バッド・ジーニアス 危険な天才たち だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイ映画さながらでカンニングを描く!
中国で実際に起こった"カンニング事件"をモチーフに製作されたタイ映画となり、数々の賞を受賞している作品です。うん、面白かったって!って純粋に言える映画で万人受けするんじゃないでしょうか!
貧乏人は一生懸命勉強して自ら切り開いていくしかない人生であり、一方でお金持ちはお金の力で学力も人生も手に入れてしまうという、皮肉にも近い作品でもあります。その貧乏人とお金持ちがチームを組み、ありとあらゆる手段でカンニングを繰り広げていきます。
実にカンニングの方法が見事!
最初は消しゴムに回答を書くという初歩的なところから、しまいにはアメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試「STIC」攻略を成功させるに至ります!その最終カンニングの仕方は、手に汗握る展開。
世界的な試験監督者も流石ですよ!ちゃ~んとカンニングを見抜きますからね。試験監督者から逃げながら回答を送るシーンは、一流のサスペンス映画さながらの手に汗握る緊迫したシーンです。思わず頑張れ!見つかるな!って応援したくなります。
本作の面白いところは、超優秀な天才少女リンの真面目な性格ゆえに、友人グレースを助けるという純粋さから始まったカンニングという些細な悪事が、徐々にお金儲けという欲に変化していく様子が非常に面白いです。
カンニングがテーマなので暗めな映画と思いきや、とってもテンポがよいので観ていて全く飽きません。先にも述べましたがどうやってばれずにカンニングするかという頭脳的な要素とスパイ映画のような感覚の要素があり緊張感がたまらなく面白いのです。
リンの最後の決断は心を揺さぶる何かがありました。好きになった男性を陥れて悪人に変えてしまったという後悔を捨て去るように、自分自身を変えるように!
物語も面白いですし俳優陣を楽しむのもあり、でも最後はちゃんと感動できる良い映画と思います。全体的に満足度が高い作品です。今後のタイ映画も注目したいと思える映画でした!