「続編に期待?」アリータ バトル・エンジェル 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
続編に期待?
コンピュータの進歩に合わせて、CGの世界も短期間に長足の進歩を遂げた。「バイオハザードヴェンデッタ」という全編フルCGの映画は十分に大人の鑑賞に耐える出来栄えだったし、本作品は更に映像技術が進んでいる印象を受けた。
世界を破滅させた最終戦争が終わった後の世界は、一作目の「ターミネーター」で初めて体験して、その世界観に驚いたが、その後に同じような設定のSF映画が何本も公開されて、いささか食傷気味になっている。
本作品はコリン・ファレルが主演したほうの「トータル・リコール」や、マット・デーモンの「エリジウム」に見られるような、二極化された格差社会の設定だが、エネルギー循環や食糧供給の仕組みなどがいまひとつ曖昧なまま、ストーリーが進んでいく。観客にとってはモヤモヤを抱えたままの鑑賞となり、どこかでスッキリした説明があることを期待するのだが。
登場人物はみんな底の浅い造型で、世界観を考えるよりもCGの見事な映像と音響を楽しむ作品である。あれ、ここで終わり?と思ってしまうラストシーンからすると、続編ありきという製作意図は明白だ。
こういう作品を観ると、改めて「ターミネーター」第一作は偉大な名作であったと再認識するのである。
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