万引き家族のレビュー・感想・評価
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チョイ役の池松壮亮はいらなかった
映画館では2018年6月11日地元のイオンシネマで鑑賞
それ以来3度目の鑑賞
カンヌで賞を貰えた作品はそのほとんどがつまらない(あくまで個人の感想です)
だがこの作品はわりと自分には合っていた
高く評価している多くはリベラル(笑)で酷評している多くが保守(笑)という印象がある
映画館でこの作品は初めて観た当時は樹木希林にリリーフランキーに安藤サクラで松岡茉優ってだれ?って感じだった
寄せているのかもしれないが松岡茉優の胸がわりと大きくて意外だった
ヌードの期待もちょっとはあったがそれは叶わなかった
親友の伊藤沙莉より世の男性の多くが喜びそうだが不特定多数に見せたくないならそれも良かろう
代わりに安藤サクラが一糸纏わぬ姿に
ついでにリリーフランキーも
自分は学士様ではないので貧困問題とか家族の在り方とかそんな小難しいことには全く興味がない
自分は万引きけしからん!共感できない!などというヤフコメ民のようなクソつまらない教条主義者でもない
だからこの映画を純粋に楽しめる自分は幸せ者だ
是枝の理屈は嫌いだが彼が創り出す非凡な映像は好きだ
この点が楽しめない凡庸だと感じる人には是枝作品は根本的に向いていないので観るべきではないしレビューしない方がいい
そういう人の為に是枝監督はメガホンを握っているわけではないのは明らかだし是枝ファンからすれば可哀想な人と思うほかないだろう
あと役者の芝居ですね
ストーリーが大事なのはわかるけどたとえ駄作でも魅力的な役者がたくさん出ていればわりと満足できるんですよ一般の映画ファンは
そうじゃない通の人たちには無理ですね
もちろんストーリー的に万引き家族が駄目というわけではない
「家族」で海水浴に行くシーンが印象的
そこから突然お婆さんの最期に移る構成も良い
亜紀の父親役に緒方直人
亜紀の母親役に森口瑤子
映画comの出演者欄には記載されていないが亜紀の妹役は『おかえりモネ』でモネの妹役も演じている蒔田彩珠
夜逃げできなかったリリーフランキーの表情が良い
ゆりの実父役に山田
ゆりの実母役に片山
「家族」の取り調べをする刑事役に高良健吾と池脇千鶴
供述する「家族」のシーンが最高
是枝監督は子役を生かすのが上手な監督だなと改めて感じた
余裕はないけど護りたいもの
リンの虐待を警察が見逃したのは「産んだ母親だから」なんだろうか。婦警の「産まなきゃ母親になれない」は養子縁組を軽視しているのでは?と。
それとクリーニング店でバイト2人に退職相談させる処。実際に、派遣社員やバイトで良くある話。雇用主が自己都合に持っていく典型的なやり口で、胸が痛くなった。
弱者どうしの助け合いは、窮地に陥った途端に信頼関係より自己保身に取って変わる。
絆というより、細いより糸のような家族関係。些細な歪みで糸がプツリと切れてから、一気にウソがバレて疑似家族の信頼関係が破綻していくのがいたたまれない。
ところで、さやかが実の家族から離れた理由が曖昧ではないかと。
親の愛情が妹に偏ったからと言って家出して風俗嬢になるだろうか?他の家族と違い、暴力のない経済的余裕がある実家があるからあっさり見切れたんだろうか。
他に行くところがなければ、万引や後ろ暗い過去を隠しながら、今居る場所に執着するしかない。
貧困とは、選択の余地がない状況なのだと思う。
万引き少年
3年ぶり2度目
つかの間の家族ごっこ
誰目線で見るかによって異なる印象を持つ映画だと思います。
初めは、血は繋がっていなくてもこんな家族の形もありだなと思っていました。傷付いた弱いものでもスイミーのように肩を寄せ合えば生きていける。お金は無くても辛い時にギュッと抱きしめてくれる人がそばにいるのは幸せな事。私はおそらく、リリーフランキーら大人目線で見ていたからそんな風に思ったのだと思います。しかし、しばらくたってから疑問が出てきました。
’なぜ、あの男の子はわざと捕まったのだろう?’
そんな疑問が浮かんで以降、子供目線での物語が見えてきました。
男の子は、家族の一員として生きていくために悪い事だと知りながら仕方なく万引きしていた。しかし、柄本明に「妹にはさせるなよ」と諭されてから気持ちに変化が出てきた。万引きしたくない。妹にもさせたくない。でも生きていくためには仕方ない。でもやりたくない。どうしたらいいんだ。そんな葛藤があったけど、誰にも言えなかったのだと思います。
子供目線でこの映画を見ると別の景色が見えてきます。自分勝手な大人。そんな大人に振り回される子供。「お父さん」と呼んでもらいたがるリリーフランキー。初めはそんな彼が可愛らしくも見えたのですが、子供に学校へも通わせず、万引きをさせる親がどこにいようか。偽りの家族を作り、都合のいい時だけ良い親面をする。そんな大人の自己満足や現実逃避の家族ごっこにつきあわされる子供達。しかし、だからといって彼らの愛情が偽りだったのかといえばそうでもない。貧しいながらもそこには笑いがあり、彼らなりの絆があった。何が正しくて何が悪いのかという単純な話なのでは無く、様々な背景を抱えた人達の心情が複雑に絡み合うリアルを見ているようでした。
祥太の視点で引き込まれた
2時間の上映時間があっという間だった。良い作品だと思う。
車上荒らしをする仮の父を見て信用を失い、店が潰れなければ良いと言っていた仮の母には店が潰れたことで信用を失った。
子供なりに信じていたことがあり、それが成長と共に瓦解し、かりそめの家族の幕は下ろされる。
大人の身勝手な論理は、子供の純粋無垢な心には通用しないのだ。
個人的にその事実が重く感じられたが、この映画は様々な視点をバランス良く内包しており、どの登場人物に感情移入しても、魅せてくれる良作だと思う。
この作品を日本の貧困問題として捉える向きもあるが、こうした層を生み出す政治が悪い、という安直な答えで総括するのは違うと感じる。
仮の父、仮の母、仮の祖母。彼らはみな悪人である。それぞれの人物の視点に共感させられる映画だからこそ、彼らの罪に鈍感になってはいけない、そのような見方が大切だと感じる。
本当に真っ当な努力をし、その上で貧困問題と向き合っている人達と、この映画で描かれる彼らとを同一視するのは失礼で問題が大きい。
悪人にも、罪を犯す理由というものはあろう。しかし社会の構成員として大人として、彼らのような罪人を赦すようではいけないとも思うのだ。
この映画は、かれら疑似家族の心情を描き、彼らに寄り添う視点で魅せてくれるものになっているが、だからこそ冷静に「許されざる彼ら」という視点を忘れてはいけない、そんな作品にもなっていると思うのだ。
ラクそーやなぁ…
万引き家族
一貫して静かな映画。誰もいきなり叫んだり感情を大きくぶつけたりはしない。だからこそ生まれるリアル感。
日常のワンシーンをずっと見せられているかのよう。
ただし、最後の父親がバスを追いかけるシーン以外。あのシーンがこの映画のクライマックスであり全て。
結局追いかけても届くことはできない。最後は子供から離れていく。そんなことを伝えたかった映画?
世間から見たらあの家族は悪人なんだろうが、彼らに同情できるのは彼らの日常を見てきた私たちだけ。
あのラストシーンを含めて、この映画の主人公はしょうた。タイトルにもなっている万引きの是非に疑問を持ち始めその感情変化がありありと現れていた。そして最後わざと捕まったのは妹を守るためか?
徐々に家族の成り立ちについて分かってくる構成が良い。
最後アキだけ、その後が描かれなかった。
樹木希林さん
はじめに白状しておくと、是枝さんの作品はほとんどみていない。20年以上前「幻の光」をみて、ああ、これは生きる映画の世界がちがうと思って以来、是枝作品は選択肢にあがらなかった。「だれも知らない」もみなかった。例外は「そして父になる」だったけれど、やっぱりなにかがちがう感があって、その後の「海街ダイアリー」も「三度目の殺人」もみていない。
今日みた「万引き家族」に先立って、二日前にVODで「あん」を見た。ちなみに河瀬直美さんの映画も初めてだった。
これでお気づきのように私は樹木希林さんをみたかったのだ。それも近年の。「寺内貫太郎一家」も「ムー一族」もみていなかった私が希林さんを発見したのは「お化けのロック」「林檎殺人事件」だったし、フジカラーのTVCMだった。岸本加世子のセリフはこどもの私に「それなりに」の使い方を教えてくれた。
なぜ内田裕也がロックなのかいまだにわからないけれど、樹木希林さんはロックだなと思う。万引き家族の希林さんもロックだった。
現実を見た気がした
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