万引き家族のレビュー・感想・評価
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万引き少年
3年ぶり2度目
つかの間の家族ごっこ
誰目線で見るかによって異なる印象を持つ映画だと思います。
初めは、血は繋がっていなくてもこんな家族の形もありだなと思っていました。傷付いた弱いものでもスイミーのように肩を寄せ合えば生きていける。お金は無くても辛い時にギュッと抱きしめてくれる人がそばにいるのは幸せな事。私はおそらく、リリーフランキーら大人目線で見ていたからそんな風に思ったのだと思います。しかし、しばらくたってから疑問が出てきました。
’なぜ、あの男の子はわざと捕まったのだろう?’
そんな疑問が浮かんで以降、子供目線での物語が見えてきました。
男の子は、家族の一員として生きていくために悪い事だと知りながら仕方なく万引きしていた。しかし、柄本明に「妹にはさせるなよ」と諭されてから気持ちに変化が出てきた。万引きしたくない。妹にもさせたくない。でも生きていくためには仕方ない。でもやりたくない。どうしたらいいんだ。そんな葛藤があったけど、誰にも言えなかったのだと思います。
子供目線でこの映画を見ると別の景色が見えてきます。自分勝手な大人。そんな大人に振り回される子供。「お父さん」と呼んでもらいたがるリリーフランキー。初めはそんな彼が可愛らしくも見えたのですが、子供に学校へも通わせず、万引きをさせる親がどこにいようか。偽りの家族を作り、都合のいい時だけ良い親面をする。そんな大人の自己満足や現実逃避の家族ごっこにつきあわされる子供達。しかし、だからといって彼らの愛情が偽りだったのかといえばそうでもない。貧しいながらもそこには笑いがあり、彼らなりの絆があった。何が正しくて何が悪いのかという単純な話なのでは無く、様々な背景を抱えた人達の心情が複雑に絡み合うリアルを見ているようでした。
祥太の視点で引き込まれた
2時間の上映時間があっという間だった。良い作品だと思う。
車上荒らしをする仮の父を見て信用を失い、店が潰れなければ良いと言っていた仮の母には店が潰れたことで信用を失った。
子供なりに信じていたことがあり、それが成長と共に瓦解し、かりそめの家族の幕は下ろされる。
大人の身勝手な論理は、子供の純粋無垢な心には通用しないのだ。
個人的にその事実が重く感じられたが、この映画は様々な視点をバランス良く内包しており、どの登場人物に感情移入しても、魅せてくれる良作だと思う。
この作品を日本の貧困問題として捉える向きもあるが、こうした層を生み出す政治が悪い、という安直な答えで総括するのは違うと感じる。
仮の父、仮の母、仮の祖母。彼らはみな悪人である。それぞれの人物の視点に共感させられる映画だからこそ、彼らの罪に鈍感になってはいけない、そのような見方が大切だと感じる。
本当に真っ当な努力をし、その上で貧困問題と向き合っている人達と、この映画で描かれる彼らとを同一視するのは失礼で問題が大きい。
悪人にも、罪を犯す理由というものはあろう。しかし社会の構成員として大人として、彼らのような罪人を赦すようではいけないとも思うのだ。
この映画は、かれら疑似家族の心情を描き、彼らに寄り添う視点で魅せてくれるものになっているが、だからこそ冷静に「許されざる彼ら」という視点を忘れてはいけない、そんな作品にもなっていると思うのだ。
ラクそーやなぁ…
万引き家族
一貫して静かな映画。誰もいきなり叫んだり感情を大きくぶつけたりはしない。だからこそ生まれるリアル感。
日常のワンシーンをずっと見せられているかのよう。
ただし、最後の父親がバスを追いかけるシーン以外。あのシーンがこの映画のクライマックスであり全て。
結局追いかけても届くことはできない。最後は子供から離れていく。そんなことを伝えたかった映画?
世間から見たらあの家族は悪人なんだろうが、彼らに同情できるのは彼らの日常を見てきた私たちだけ。
あのラストシーンを含めて、この映画の主人公はしょうた。タイトルにもなっている万引きの是非に疑問を持ち始めその感情変化がありありと現れていた。そして最後わざと捕まったのは妹を守るためか?
徐々に家族の成り立ちについて分かってくる構成が良い。
最後アキだけ、その後が描かれなかった。
樹木希林さん
はじめに白状しておくと、是枝さんの作品はほとんどみていない。20年以上前「幻の光」をみて、ああ、これは生きる映画の世界がちがうと思って以来、是枝作品は選択肢にあがらなかった。「だれも知らない」もみなかった。例外は「そして父になる」だったけれど、やっぱりなにかがちがう感があって、その後の「海街ダイアリー」も「三度目の殺人」もみていない。
今日みた「万引き家族」に先立って、二日前にVODで「あん」を見た。ちなみに河瀬直美さんの映画も初めてだった。
これでお気づきのように私は樹木希林さんをみたかったのだ。それも近年の。「寺内貫太郎一家」も「ムー一族」もみていなかった私が希林さんを発見したのは「お化けのロック」「林檎殺人事件」だったし、フジカラーのTVCMだった。岸本加世子のセリフはこどもの私に「それなりに」の使い方を教えてくれた。
なぜ内田裕也がロックなのかいまだにわからないけれど、樹木希林さんはロックだなと思う。万引き家族の希林さんもロックだった。
現実を見た気がした
65
楽しい映画じゃないよそりゃ
この映画観た後に評価見たら、ここでもアマプラでも、面白いくらい二分してて笑ってしまった。
低評価の人って、単に好みじゃない、ただそれだけですよね。「すごい話題だから見たけどカップルで観るもんじゃない!」とか、そんなもんタイトル見たら雰囲気わかるやろがい〜って感じですね。
私はハリウッドの高画質ハイスペクタクル超大作〜!!(?)みたいなのは好みじゃない。でも好きな人には最高なんだろうな、そう思うだけ。わざわざ「クソだ!」「こんなの映画じゃない!」とも思わないし書かない。もしそう思ったら心に留めとけ。んで自分の好みがわかったのなら、次から違いそうなものを観ないように目を養え。
……失礼。自分のイメージする映画像に当てはまらないと罵倒するなんて悲しいなと思ったのでした。つまらないと思ったら観るのやめたらよろし。
私にはとても、刺さる映画でした。
とにかくすごい演技だったなぁ。
素麺が美味しそう
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