万引き家族のレビュー・感想・評価
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やはり素晴らしい映画
どの役者の演技も素晴らしく、只々画面に引き込まれて見入ってしまった。
監督が政権批判的な発言をしたためか、アンチが大量に発生し、日本人の印象を貶めるものだという頓珍漢な解釈まで登場しているようだが、このようなアウトローはどこの国でもあり得るものだろうし、ましてや映画の意図は政権批判なんかにある訳ではなく、他のレビュワーさんも言われているように、嘘と犯罪で塗り固められた「万引き家族」こそが本当の家族であって、合法な「虐待家族」「幸せ家族」の方こそ偽物の家族なのではないかという視座の転換にあるのは明らかであろう。このようなことを可能にするのは映像作品ならではの特性であり、映画祭での評価が高いのも当然と言える。
何度も見たいと思う映画ではなかったが、何度も見ることで理解が深まるのではないかと思う。
安藤サクラの圧倒的存在感
万引き家族が1人の虐待されていた子供を見つけた事から始まる家族の物語。
はっきり言って前半は期待出来なかった。
収入が低く、仕事する気があまり見られない家族。
「貧乏な家ってそんな散らかり状態じゃねーよ!」ってツッコミたい気持ちを抑えながら観てましたw
お婆ちゃんが機転となる後半から徐々に面白くなっていった。
明らかになって行く家族の秘密。
家族とは?考えさせてくれます。
終盤の安藤サクラ尋問シーンは圧巻でした。
全体的に悪くは無い内容なんです。
ただ、この家族達に貧乏ながらの夢や希望が見出せないので、映画的に絶賛出来ない所なんですよ。
1人の他人の虐待されてる子供を見つけ、淡々と物語&家族の変化を語る映画。
是枝監督らしいと言えば、それまでですが。
不満は松岡茉優の職業。何を語りたかった?
スタイルが良かった事は目の保養。
なんだかなぁ〜
色々 問題を持つ人たちが家族風に暮らしているのは理解できたが 腑に落ちない部分がかなり有り 観た人の感じ方次第で良くも悪くもなる。
実際 描かれていた各々の問題は明確に答えの出る事ではないにしても 観た後のモヤモヤ感はハンパない。
ただ 安藤サクラ 好きになりました。
最後の「幸せだったから」それで良いと思う。
ちょっと極端かも知れないけど
まあ、悪くはなかった。
監督が主張したいテーマはわかる。今の世の中の問題の縮図を描いたのかも知れないけど、あまりにあり得ない設定ばかりかなぁ…。
感動はしない。
でも、考えさせられた。でも、ややもすると万引きを稼業にして、納税しない人々を一生懸命いきてると称賛しかねない内容は、ちょっと嫌かな。
映画は反体制だからと政府の顕彰を断ったそうだけど、制作費は権力(文化庁)の補助を受けるのね?
ちょっと矛盾してる気もする。
映画の本質も、こういう矛盾がある気もした…。
虐待を受けて育った私から見たら……
たぶん、ごく普通に育った方達にはなんとも理解し難い姿でしょう。
この映画の主人公達を漠然と自分達とは全く違う人間だと思って見てるとよけい分からないと思います。
私は虐待を受けながら育ち、成人して家を出たあとも学歴の無さから低賃金の仕事にしか就けなかったりでなかなかうまく行かず無一文になったこともありました。
販売業の仕事した経験からあれほど憎んでいた万引きだってしちゃおうかと魔が差したことなんて何回もあったし他にもここでは書けないような事を考えていた。
だから罪を犯す人と普通の人に差なんて無くて誰だって道を踏み外してしまう可能性は充分にあることも、血の繋がった家族だからって素晴らしい絆があるわけでないこともこの時期の体験から学んでいた私は主人公たちの姿をすんなりと受け入れる事か出来ました。
じゃああの頃の私が実際一度も道を踏み外さず立ち直れたのは人に恵まれたからです。
この映画に出てきた駄菓子屋のおじいちゃんや、虐待されている少女を親から引き離した主人公たちのような人でした。
彼らは決して自己責任だと言って私を突き放さず、生活保護の申請も薦めてくれたし受給開始後も就活しやすいよう支援事業所も探してくれました。おかげで今は仕事も安定して生活保護も利用していません。
しかしそれでも平均より収入が低く、生育環境で一度開いてしまった差を埋めるのは容易ではないことも実感しています。
だから最初現代の貧困をテーマにしてるのかと思いこの映画を見たら貧困以外の社会問題をたくさん入れていて、驚くと同時に涙が止まらなかったんです。
そして救いのないラストで感極まって号泣。涙声を押し殺すのにだいぶエネルギー使った。
正直、万引きはそんなに関係ないと思えるほどメインの描写が重い。
大多数の人たちが気にしているであろう万引きで生計を立てるやり方は生活するに困るため商品が必要なものの、買うためのお金を合法的に得る手段が無い状況を分かりやすく描写するために出したのかもしれません。
これは教育格差によって学ぶ機会が乏しかったりすると普通になり得る状況です。就ける仕事の幅が狭まりますから。
なので社会問題が重なってしまった悲しい結果なんでしょう。弱者に厳しいと、追い詰められた弱者は道を踏み外して新たな被害者を出す可能性が高くなる。そうなると結局国民全員が損するというメッセージもあるんじゃないでしょうか。
あと主人公達の家が物でゴチャゴチャ散らかっているのに、裕福な家庭の家はすっきりシンプルにまとめられているのもリアル。貧しいゆえ満たされない心を物で補おうとしてしまったり、知識がないゆえ駄目な金の使い方して家が散らかるのは私も同じでした。
だけど難しいですね。
こういった社会問題に普段から気にかけていないと示唆するシーンに気づかぬまま「訳の分からない映画」で終わってしまう。
理解できたら理解できたで不快に感じてしまう人がいると思います。
今まで認めたくなくて見てみぬふりしていた世界を否応なく突きつけてくるんですから。
児童虐待。
障害者の風俗通い。障害者が抱える劣等感。自分は必要とされていないという絶望。
未成年の風俗の仕事。
学校に行けない子供。
貧困からの教育格差
血のつながった家族の絆は強い、という理想の家庭像を世間が押し付ける影で出てくる犠牲。
自活できるほど良い仕事に恵まれない大人。
少ない年金で孤独に暮らすお年寄り。
これらの問題を、注意して見ていないと気づかないくらいの自然さで物語にぶっ込んでます。
こうして運悪く社会から見捨てられてしまった人達になにか気にかけた事はあったか?
全部、本人の問題だ自業自得だと片付けて見てみぬふりしてこなかったか?
なのに、テレビやネットの中だけで伝えられる一部の情報だけで全部分かった気になって、「お母さんならそんなことしない。本当の家族はそんなんじゃない」と身勝手な決めつけでしかない事をあたかも正しい事かのように押し付けてこなかった?
それで、一人の幼い子供が虐待を受ける家庭にまた戻され、傷つけられ、充分な教育を受けられる機会に恵まれなくなったとしても「どうせ他の誰かが、政治がなんとかするでしょ」と他人事に思ってない?
一度ちゃんと考えてくれないか?これらの問題について。
……こんなことを静かに静かに伝えてくるような映画だと感じました。
じゃあどうすればいいの?という問いに答える存在が駄菓子屋のおじいちゃんなんだろうし、非合法的とはいえ虐待されてた女の子を親から引き離して助けた主人公達なんだろうし。
血がつながっていなくたってお金が無くたって一軒の家に集まって過ごす主人公達ののほうが本当の家族に見えるのがこの映画の肝かのかなと思いました。
家族というのは自然に出来るものではないという事なんでしょうか。
前述した虐待を受けて育った経験から
「冷めた肉親よりも優しい赤の他人」
「家族は自然になるものではなく、努力してするもの」
という考え方が元々ある私はこの描写を違和感なく受け入れられたけど、大多数の人にはやっぱりしっくり来ないんだろうな。
上映が終わったあと劇場の中で「なんかよく分からなかった」と戸惑う声がちらほら聞こえていたし、号泣してたのも私だけだった(笑)
まあごく普通の人生においてこんな生活は縁遠いものですからね…。本当にごく普通に育った人からしたら石油王の1日、みたいに非現実的だと思う。。でも現実なんです……これがまた気が滅入る。
観客達のこの「よく分からない」という反応もまたこの映画の一部に感じられて感慨深い。
でも誇張でもなんでもなくこの日本でもこんな人達がいます。皆が気づかないだけでこんな世界が本当にあります。
そんなことを映画にして多くの人達に伝えようとしたのだから是枝裕和監督はすごいですね。
そしてこの映画に込められた想いを感じ取ってカンヌ国際映画祭のパルムドールを授けたこの世界に希望を感じます。
この映画を作ってくれて感謝の気持ちさえあります。
私も他人事で済まさず困っている人達を助けられるよう常日頃から気をつけようと思います。
本当にありがとう。
考えさせられる作品
観賞している最中に自分自身で考えを深めないと観ていくとこが難しい作品だった。個人的にはすごく楽しめた映画だった。この描写の際に、何を考えて行動しているのか。そのようなことを考えながらみていくと面白い作品なのかなと思った。
また、人間の醜さが所々に現れて、徐々にその真相が明らかになっていくものであった。そのため、展開が読めず、どのように展開していくのかといった部分で楽しむことができた。
最後に松岡茉優さんが好きならぜひ観て欲しい笑
とても可愛いので。
後から後から,複雑且つ不可解さを…
非常に狡い言い方になる。 最初は, 何処が?なんで?凄〜い賞を受賞する作品なんだよぉ〜❗️と…
あの"家族"の本当の事情?(アソコに一緒に住み出した過程)を理解するのに窮した…:;(∩´﹏`∩);:
色々な目線で見てほしい
この映画は見方次第で治や信代はただのくそったれだ。 子供を保護(誘拐)しといて、ろくに教育もせずに教えれることといえば万引き⁈なんて思える。
でも、少しだけ目線を変えれば(根本的なところは変わらないが)こども達にとっては自分達に笑顔や愛情をくれる。そんな温かな存在にだって感じれる。そんな風に色々な目線や立場で考えるとよりおもしろい。
後、最後のほうにでてくるマスコミの質問にすごいイラっとした。でも、それが世間に知らされる全てなんだろうな。
楽しい映画では無いが、、、。
何処かでは似たようなことがあるのかもしれない。
子供を育てる事が出来ない親も悪、そこから救い出してくれた大人も悪。一人では生きていけない子供たちは、本当は善悪の判断さえ出来ないんではないかと思われるけど。興味深い。
六人にとってあの家は「楽園」
公開後すぐに一回目の鑑賞。ノベライズを読んで見落とし部分を含めておさらいし、まもなく二度目の鑑賞。それから、レビューを書けずにいた。
昨日、本を借りたいという知人に、渡すときに「どんな話?あらすじ知ってるから感想言っていいよ」と言われて、この映画の想いをしゃべりだした。
しゃべりだしたら止まらなくなった。
ショウタって名前はってことから始まり、この六人はどんな人たちなのか、花火のシーンのアングルの秀逸さや、「ありがとうございました」や「とうちゃん」の声にならないつぶやきから、最後には信代が菩薩様に見えた感想にいたるまで。しゃべるのをやめたのは、胸が詰まってしゃべれなくなったからだった。
そりゃあ万引きを肯定なんてするわけがない。犯罪であることに疑いはない。だけど、法にのっとった正義が、すべて正義なのか?ってずっと考えている。「万引きくらいしかできない」弱い人間も生きていける社会であるべきだよなって思う。
是枝干拓の映画は、面白い
忘れ去られたような家族
他人だけど、万引きしているけど、暖かい家族
最近、子供の虐待や親の介護などで疲れ果てて、悲しいニュースが多い中、万引きを子供に教えるのは良くない・・・けれど、今の日本のある政治家だって、税金泥棒だよね
安藤さんの演技に泣けました。
今の日本、オリンピックとか不動産バブルとか、庶民の私には関係の無い話なので、共感出来ました
さすがパルムドール受賞
ただひたすらに彼らの起伏の少ない'日常' を淡々と描いているのである種ドキュメンタリーを見ているような感覚になりました。ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、スカッとするかと言われるとそうでもないけどオチは一応あって‥‥みたいな。
考えさせられることがたくさんありました。 風俗勤めの松岡茉優ちゃんのプレイは新しかった
人間の性を見せつけられる演出に拍手!
生みの親より育ての親とはよく言ったものだが、人間の性をこれでもかと見せつけられる演出にまず拍手!そしてキャストもぴったりと嵌っている。今年度のパルムドール授賞作であるが、「うなぎ」しかり日本映画の授賞作はやはり人間の本性を鋭く突くような重厚な作品を好むのか!?個人的にはS・リー監督に取ってもらいたかったが・・・・・
でも家族の繋がりを細かに紡ぐ演出には本当に感心させられた。観終わった後に本当に心が重くなる1品!
素晴らしい!
とりあえず安藤サクラさん最強説。
子役の2人も本当にかわいくて演技も上手で。
内容も、重くて余韻が残るけれど、でもスッと心に入ってくるような作品でした。切なくてもどかしくて、どこか温かさもあり。語彙力がないのでどう言葉にしていいかわかりませんが、いい映画でした。観てよかった。
因みに観終わった直後もふつうに感動しましたが、家に帰って布団に入っても余韻が抜けず、色々なシーンを思い返していたらなんだかじんわり泣けてきました。きっとこれは後から来るタイプです。後から映画に込められた思いや監督が伝えたかったのであろうことがじわじわと理解できて感動します。ラストシーンの素晴らしさも。
だから、観おわってすぐに「よくわかんないかった!つまんない!」と考えることをやめずに、せめて一日だけでも、この映画のことを思い返してみてください。
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