万引き家族のレビュー・感想・評価
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映画の使命を感じました。
十色の答えを持たせる映画
邦画の多くは問題提起をしたのち、後半で怒涛の答えあわせに入る作品が多くを占めている印象を受けるが、この作品は次々に問題提起を促して来た挙句、その答えは決して映画側から与えられることはなかったように思える。まるで何度も、答えはお前の中にあるだろう、それくらい分かるだろうと言われているようであった。
現代社会で問題になった女子高生を売るピンクなお店のシーンでは、私たちが【普通】に生きていては想像する由もない絆の形があり、それはある種の居場所の提供にもなっていると、私たちは何故かそんなことはないと決めつけている、或いは、はなからそんなことなど、頭にもなかったのではないかと思う。
テーマは明確であるが、私たちが当たり前と感じていることの本来の重み、自分たちの角度でしか見てこなかった現代の闇(一般の人らがいう闇だがそれは誰かの当たり前或いは心の拠り所)、様々な角度から様々な憶測が飛び交ういい映画だったと声を大にして言える。
何が良くて何が悪い、何が当たり前で何が歪みか、自分のズレすぎていた秤を恥じる、いい機会になった。
深く重い…モヤモヤ感が残る
是枝監督のモヤモヤ映画は鑑賞後も永遠に答えの出ないモヤモヤのループに陥る
沢山の社会問題が詰め込まれ、瞬きしてる間に大事な情報を見逃してしまうのではと思うほどスクリーンに釘付けになる。
善悪を問えば悪なのかもしれないが、そこに至るまでのプロセスを考えると社会…国…行政の至らなさにまで及ぶような問題作ではないかと思う。
身寄りのない独居老人・貧困・虐待・ネグレクト・非行少女・前科者・不倫・タカリ・万引き…
愛に飢え社会からはみ出した者達が集まり一緒に暮らす。それはまるで家族であるが実の家族は選べないが彼等は選んで家族になっているのだから絆は固いと信代は言った。
貧しくても笑いの絶えない戦後の家族のようだ。
古くて狭くガチャガチャと物が溢れかえる家の中は物凄いリアルな生活感。
それぞれが好きなカップ麺を食べコロッケをほうばり、時には鍋を囲む。四方八方から鍋に手がのびる。
老い先短い初江の年金で一家は暮らす。
浩は怪我がきっかけで職を失い、信代はリストラされた。そんなある日、万引きした水着をリンに着せ一家は海水浴に出かけた。
初江にとっては最高に幸せな瞬間だったと思う。
幸せなままコロリと死んだ初江の遺体を床下に埋め何食わぬ顔で初江の口座から預金を引き出し、家捜しする浩と信代を祥太はどう思ったのか?
駄菓子屋のおじさんに妹に万引きさせるなよと言われてから祥太は彼等に疑念を抱く。
祥太が捕まった事で一家の秘密が明らかになる。
リンの誘拐や初江の死体遺棄…浩と信代の前科についても。
亜紀はただ優しく甘えられる初江と一緒に暮らしていただけで初江が亜紀の家族にお金を集っていた事は知らなかった。
信代は自ら罪を認めたが…
拭っても拭ってもじわじわと流れる涙の意味が痛いほどわかる。沢山言いたい事はあるよね。
子供が産めないから誘拐したとか子供に何て呼ばせてたとかお母さんて呼ばれて嬉しかったかとか…攻撃的な言葉…
「子供を産めば母親になれるんですか?」
「産まなきゃなれないでしょう。」
…そんな意味で言ってるんじゃない。そうじゃないでしょ…そうじゃないでしょ…
愛情を持って育てなければ母親じゃないでしょ…
だけどね。どんな親でも子供にとっては親なんだよね。悲しいけど。
未来のある子供にはきちんと陽のあたる生活をさせてあげなきゃいけないね。
樹木希林は入れ歯を抜いて迫真の演技。
みかんの皮までしゃぶりつく姿やお麩をムニャムニャ食べたかと思うとおしるこの噛み切れない餅を亜紀の器にペチャっと投げ入れたり…本当に自然体で良い。
老後を考えた時
こんな風にあたたかい家族団欒を送る事が出来るのだろうか?
偽物でもいいから家族に囲まれて死にたいと思ってしまった。
リアリティーのないリアル
是枝監督は一貫して「家族」をテーマにしている。立派な志であると思うが、いつもはリアリティを持たせようとするがあまり、個人的には小うるさいインテリの偽善ぶった映画を見せられているようで正直好きではない。
しかし今作は意図してかせずしてか、とんでもなくリアリティにかける題材をリアルに見せようとしているところが陳腐な言い方だが非常に良かった。
それを支える役者陣の演技力が素晴らしい。
そしてテンポもよい。物語前半は四コマ漫画のようで、しかし後半の大きなうねりと着地に向けて話が停滞しない。
個人的に安藤サクラとリリーの絡みのシーンは、今年一興奮しない濡れ場として印象に残ると思う。
何はともあれ、非言語的なシーンが多いため外国でウケるのはわかるし、逆に国内の評判が微妙になることもまた予想できる。(映画の観客側の理解力が年々落ちてることも問題だが、それはまあとりあえずおいといて)
評判がどうであれ、知り合いに一回みさせたら何かしら響く作品であるのは間違いない。
家族の繋がり
この映画は万引きによって繋がった家族の物語だ。それは経済的に生計をたてるためだけにされる万引きではない。夫婦、親と子、兄弟同士、それぞれが万引きによって繋がりを保持している。予告編でも印象的なシーンがある。子供に万引きを教えるの後ろめたくなかったんですか、と問われた父親が、ほかに教えられることが何にもないんです、とボソリと呟くシーンだ。つまり父親は万引きを教えることで親としての役割を果たそうとする。
いわゆるまともな家族、というのは、何によってまともが成り立っているのだろう。子供をまともに育て上げることだろうか。。家族は現代の中で親が子に教えてやれることとは何かあるのだろうか、ないのならどこに奪われてしまったのだろうか。
切り取り具合が素晴らしい!
えげつないほどの本気度
空疎な作品です
一言で言うとクソみたいでした
最初から最後までクソでした。
何を伝えたいのか本当わかんなかった。
まあ、血が繋がってなくても家族になれて、
愛があれば人の子も家族なんだよ。って
言うのは大体わかったけど、
何一つスッキリしなかったね。
表現方法とか下手過ぎて日本映画の
ダメな部分が全部出てた。
虐待された子も結局家に帰されて
最後、玄関のシーンあったけど、
結局前の生活に戻れましたチャンチャン的な
ラストシーンに俺は見えた。
酷いけど、あの少女が虐待親の元に
帰った途端虐待されて亡くなるとか
そう言う表現の方が胸に響いたんじゃない?
周りの大人が関与してくれたばっかりに
少女は幸せになれた、しかしその中を
引き裂いたばっかりに少女は
殺された的な終わり方の方がメッセージ
あったと思うわ。
全てにおいて表現が中途半端です。
なんちゃらかんちゃら賞を受賞した
作品だからといって全てがいい映画とは
思いませんし、その評価した人間が
アホやったんかなとまで思いました。
先日テレビで放送されてた福山さんの
そして父になる?も見たけど
同じく中途半端で大人の身勝手さ全開の
映画でした。
ストーリー、出演
材料は揃ってるのに表現が中途半端過ぎて
とても残念だったと思います。
見てて鬱になりそうだった。
もう二度と見らん。
監督さん
ロッキーから見直してください。
関係ないですけど、
この映画を中学生くらいの男の子が
2人で見に来ていました。
見にくるのは自由だと思うけど、
もっと夢のある映画を見に来て欲しいと
感じました。
こんな映画見る前に
アベンジャーズ見にいったんか??
大々的にこのクソ映画を
宣伝しまくってる
日本のメディアのせいでもあると
俺は思うけど。
「家族」って、なんなのかね?
第71回カンヌ国際映画祭でのパルム・ドール(最優秀賞)受賞作品。
なるほど。そう来るわけですか。なんか、朴訥としたリリー・フランキーの演技が光りますね。普段は何となく弱々しい印象を与えつつも、ある局面で冷徹さを見せられると、“ゾクッ”とした怖さを感じずにはいられません。
そこに、安藤サクラの見事な演技。演技をしているはずなのですが、あまりにも自然で、演技をしていると言う事を感じさせません。お見事。
こういう二人を相手にすると、若手では演技派だと思うのですが、松岡茉優の演技も色あせて見えてしまいますね。
その他にも、樹木希林、柄本明、池脇千鶴・・・。こういう人たちが脇を固めての城桧吏なんじゃ無いですかね?城がフィーチャーされていますが、そんな印象を受けました。
って言うか、私的には、城よりも佐々木みゆでは無いのか?とも思いましたが、違うのかな?
“家族”と言う言葉が一つのキーワードだったので、途中まで“家族”なんだな、と思っていたんですが、終盤にその認識が一変させられます。そういう持って行き方、そして、作品の終わり方が、他のパルムドール作品とも共通する感じで、本作品がパルムドールを受けたのもわかる感じがします。
役者の演技が素晴らしい
話題になっていた映画なので鑑賞してみましたが…
素晴らしい映画だった。映画ってド派手なアクションとサプライズだけじゃないな、やっぱり人の演技を観るものだなと思った。役者の演技の力とはこんなに人の心揺さぶるのだという衝撃を受けました。
安藤サクラに、リリーフランキー、樹木希林、など日本の実力派の人達の演技がすごかった。
話の見せ方も上手。一見家族にみえる6人の人達、一緒にご飯食べたり寝たりお風呂に入ったり仲睦まじい6人ですが実はいろんな複雑な事情がだんだん見えて来る…といった過程がとても良かった。
日本の問題の凝縮版
話題になっているので興味本位で鑑賞。
まず、配役が素晴らしくよかった。
俳優・子役陣のこの演技力なしにはこの作品は光らなかったと言い切れるほどに。
「万引き家族」は、現代日本が抱える社会問題が凝縮された作品だと思った。
それだけに、集団・競争社会の中でどう生きるか、
本物の愛情とはなにか、ということを考えさせられた。
素性もわからない人たちをなぜ信用して、一緒に暮らすことができるのか。
愛を求めた人たちが集まって、そこに芽生えた愛は本物なのか。
考えても答えは出ないけれど、あの家族6人の笑顔は決して偽りではなかった。
「誰も知らない」「海街ダイアリー」「そして父になる」そして本作「万引き家族」。いい意味でも悪い意味でも日本らしさが出ていて、海外でも評価される理由がわかる気がする。
是枝監督の作品ではないが、「八日目の蝉」や「母になる」(テレビドラマ)の内容と通じる部分があるようにも思えた。
映画は観ている人にモヤを残す感で終焉したため、
家族がその後どのような意思でどのような生活もしていくのかが気になった。
もっとも、それを個人の解釈に委ねるのが是枝監督らしさと言えるのだが。
繋がり とは
はっきり言おう
是枝監督の作品は好きじゃないとダメ的な空気があるけど、この度私は好きじゃないとあえて宣言します。
映画の作りは素晴らしいと思う。メイキングを見ていても感心しきりだし、ここまで作品に対して誠実で真摯な監督がどれほどいるのか?とも思う。
演出も絵作りも緻密で、テーマも深いところにあり、いつも観客に問題提起してくる。
だけど、一連の是枝作品から提起されている問題に向き合おうとすると、自分なりに考えた末にとても嫌な気分になり、責められるような、今ある生活を手にするための努力を否定されるような、やるせない気持ちになる。
来年この作品を思い出して自分がプラスのことを考えることはないだろう。
今作は素晴らしいかもしれないけど、私は別の、彼の描く人生賛歌の物語を観たいです。
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