万引き家族のレビュー・感想・評価
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日本映画における久々の良作
今の日本で、このような物語を実写で作ったことがまず素晴らしい。
テレビでドキュメンタリーを作ってきた監督が、テレビという媒体では表現できなかったであろう自分の思いもまた込めて、貧しさや家族の有り様などを様々な角度からたっぷりと描いた。週刊誌やワイドショー、コラムのようにありきたりの表現でオチをつけることはすまいという、粘質の覚悟が細部にまで感じられた。
巷で言われ尽くしているが、役者たちがまた凄い。特に安藤サクラ、樹木希林の二人は狂気がかった迫力がある。
不道徳な映画
家族愛があれば何をしても良いのか?ちょっと哲学的なテーマの映画だったかな。ホラー映画や殺人がでてくる映画を不道徳な映画とは思わないが、なぜかこの映画を見ていたら、子供には見せたくない不道徳な映画だなと感じてしまった。
是枝監督ファンには申し訳ないが、いかにも是枝監督らしい作品だった。つまり、後味が非常に悪い。
前半のややユーモラスタッチの流れから、逮捕されてからの超シリアスモードになるギャップについていけなかった。
そもそも、ゆりの面倒をみるようになったのは、親から暴力を受けていたようなので、保護したいこともあったはずで、彼らが捕まった際に、そのことを弁明する場面がなかったのは脚本の手落ちだ。
また、祥太が捕まったのは、ゆりが万引きで捕まらないように、あえて自分が身代わりになって万引きをしたのであったはず。つまり、祥太のゆりに対する、愛情までとはいかないかもしれないが、少なくとも思いやりの気持ちからだったはずで、その帰結(例えば、最後のシーンで、ゆりが欲しいと言ったがあげなかったネクタイピンを実は持っていて、彼の愛情がわかるとか)が何もないのは、はなはだ欲求不満を生じさせられた。
偽物家族の支えあいから生まれた何か
偽物の家族の姿を描いているが、観ている内にこの反社会的な生活をしている風変わりな家族を危ういし上手くいく訳がない…と思いながら反面上手くいって欲しいと願ってしまう。
児童虐待は容易に治せるモノではない。
病的な精神や病的な社会から来ているとしたら、難病だろう。
祥太もゆりもさして変わらない状態から夫婦に拾われて(誘拐)されているがゆりは捜索願い提出まで2ヶ月、祥太に至っては探されてもいない様子(パチンコ屋駐車場で車上狙いのついで)
ゆりを家に戻しに行った際にのぶ代がゆりの家の状況を察して膝をつき、ゆりを抱えてしまうシーンや逮捕後にのぶ代が母親について聞かれた際に母親の条件について捜査官に答えるシーンはグッと来た。
樹木希林も「子どもは親を選べない」と言いながら、のぶ代を選んだと答えるシーンもあり、この不自然な家族がお互いにとって必要な集まりだと思ってしまう。
リリー・フランキーは愚鈍で祥太の質問にも満足に答えれず、ワークシェアリングも説明できない……教えれる事も万引きや盗みしかない。でもそれしか教えられないのだ。
集まった偽物家族諸々に事情があり、彼らが一瞬の家族であってもあの家で居た時間は幸せだったと思う。
偽物家族崩壊の引き金は息子が柄本明の店で万引きを働いた際に見逃し、「妹にそんな事させるな」と言われた事からと思う。
勿論、祥太やユリが病気になったりしたら、彼ら夫婦は病院に置いて行っただろうから時間の問題だっただろう。
全てが露見し社会的なルールに照らされて変化を見せる家族に切なさを感じる。
評価を受けた部分を強く感じる事はなかったが妙に感じさせる所はある。
万引き家族と言うタイトルに批判はあったがドラマとしてはもっと不謹慎なものなど幾らでもあるから十分だ。
蛇足だが、安藤サクラがどーんと肌を出してくれてるが流石女優とは思う(笑)
妙齢の色気が出ていて良かった。
本当に素晴らしい映画
世の中から見捨てられたような、血の繋がりのない人々が、都会の片隅に集まって出来た奇妙な家族。一人ひとりが本当に孤独を知っているから、一緒に居れることの幸せも普通の家族かそれ以上に感じている。
見ていて、この幸せな生活が続けられるのなら万引きなんて大したことではないという気持ちにさせられます。
その暮らしが崩れて、ネグレクトとDVのある本当の家族の元に帰った幼い女の子が可愛そうでなりませんでした。
出ている役者さんの演技は、うまいとか言えるレベルではなく、現実にその場に立ち会っているとしか思えませんでした。
カメラは作為を感じない淡々とした映像ですが。シーンの瞬間が深く脳裏に残る素晴らしいカットが数多く有りました。
脚本は無駄なく練り上げられていて、余計に感じるシーンがまったくないと感じる上質な物でした。
音楽の細野さんは前からファンでしたが、改めて感性の凄さを心底感じました。
自分の中では、61年の人生でこれまで見た映画の中でベスト3に入る素晴らしい映画と思います。
家族の「形」ではなく
『家族のかたち』とよくいうけど、型にはめるものではないのだなと。
『家族』ってそんなに崇高なもの?血のつながりがそんなに大事?血は繋がっててもいいけど縛るものではないよ?なんか、そんな問いかけが聞こえてきそうでした。
監督は、家族が好きなんだなぁと。愛してるとかではなく、好きなんだなぁと。感じました。見てて凹む場面もありますが…嘘偽りのない描写だからこそ、『家族』という概念を善悪の価値観抜きでまざまざと映し出しています。
人間の現実をスクリーンで描くとき、リリー・フランキーさんという人物は、とても重要。演技とも云えぬ自然体とも云えぬ何とも云えぬ佇まいは、とても貴重。地獄にいれば悪魔に見えるし、天国にいれば天使に見える。「その環境に置く」だけで、その環境に沿った人間に見えてくる。
見終わった後
のこのなんとも言えない気持ち。
家族というものを考えさせられる映画でした。
途中まではゆっくり進んでいくのだが最後がいろいろあって忙しい
終わり方も好みが分かれそう
役者の演技がすごくて引き込まれます
話題になってるし見て損はないと思います
貧困、虐待、犯罪、その上に成り立つ家族
自分には関わりのない世界と思いながら、
この貧困や犯罪を犯す環境に
誰でもが少し間違えば陥ってしまう日本の現実。
1つの万引きという犯罪から、どんどんエスカレートして、死体遺棄まで。
ただ今の貧しさから逃れるために犯罪を重ねていく家族。
血の繋がった家族が本当の家族なのか。
それとも一緒に暮らしているという共同体が家族なのか。
ラストに向けて、悲しい現実をどんどん突きつけて、問いかけてくる。
あなたにとっての本当の家族とは何なのか。
安藤サクラさんの尋問のシーンは、胸にグッとくる。
すべてが解決しないまま、ラストを迎える。
それがこの映画の伝えたかったことなのか。
皆さんのレビュー評価が良いのと
話題の映画だったので、ビデオパスでレンタルして観ました。
この家族、全員血が繋がってなかったんですね。
虐待から保護した女の子だけと思ってましたが、全て全員血の繋がりがなく少しだけ後半に驚きました。
おそらく血の繋がりがないってわかるところが後半以外に何度かあったのだと思いますが、万引きするシーンなどがすごくハラハラするのでまともに観てなかったから、気付かなかったのかもしれません。
まともに観てないのでレビュー評価は低めですが、
柄本さん演じる駄菓子屋さん。
見て見ぬ振りをしてくれてたこと。
スーパーでの万引きで捕まったのは女の子を守るためだと思っていたが、
駄菓子屋さんが潰れたと勘違いして「わざと捕まる」ように万引きしたんだなってこと。
なんかいろいろと考えさせられました。
この映画は、日本のダークな部分をみんなが見て見ぬ振りをしてる部分で本当は見て見ぬ振りをせずに考えなければいけない部分を伝えているのかなと思いました。
虐待されてる子を保護したら、誘拐になってしまったり。
仕事中に現場で怪我をしたのに労災がおりないことなど、弱いものが負けてしまう弱いものは泣き寝入りするしかない社会を伝えて観ている人たちに考えるきっかけを与えてくれてるのかもしれません。
観ているときは、あんまり心に響きませんでしたが
観終わってからジワジワきてます。
なので、明日もう一度観ようと思います。
血は繋がってなくても家族の絆は感じた でも最終的に結局バラバラじゃ...
血は繋がってなくても家族の絆は感じた
でも最終的に結局バラバラじゃん
自分の存在意義が感じられなくなるとすぐ白状したり見離したり
絆はできたが結局脆くすぐ壊れる絆
ニセ家族なんて所詮すぐに崩壊する。血の繋がりは大事だ。というメッセージならこれでいいがいまいちよく分からなかった
でも監督のインタビューを見て感想が変わった
この家族を見ていて、どうかこのまま幸せに、どうか壊れないでくれと思うのに、自分達は結局この家族をこわす側の人間
もちろんこの家族は悪い事をたくさんしているから壊されて当然かもしれない
拉致、誘拐は犯罪
だけどそのお陰でショウタやユリのように救われる子がいる
それでもそれは絶対に犯罪だ良くない事だというのなら、そんな犯罪のお陰で救われる子がいなくなるような社会にしなければいけない
警鐘を鳴らす意味で、この映画がそういった問題を起こす人達に届けばいいと思ってつくったんだと理解し納得した
それでもやっぱりこのラストは切ない
ハッピーエンドで終わってほしかった
2019/07/21
2度目の鑑賞
レビューを書かずにいられない
感じ方は人それぞれだしあまり人の意見は否定したくないけど、正直「犯罪が肯定されている」って理由で低評価をつけている人には憤りを覚える。これを観て真っ先に出てくる感想がそれ?
この映画は(愛や家族の形までが)規律でがんじがらめになった息苦しい世の中への警鐘を鳴らすために、家族の絆や愛情を世の中で嫌悪されるようなゆがんだな家族の中に根付かせて表現している。(と感じる)彼らはニュース番組で見ると意味不明で不気味で不幸な家族。(家族ともいえないかも)結果として世の中の固定観念によって「あるべき」とされる姿に無理やり戻されてしまう。
彼らはみんな世の中で孤立していて普通には暮らせない。お金を稼ぐ能力も乏しく、頭も悪い夫婦は万引きを繰り返す。そしてそのままにしておくと亡くなってしまったかもしれない子供たちをバカだから誘拐してしまって、彼らなりの精いっぱいの愛情かけて身を寄せ合って、貧しくそれでも幸せに暮らしている。
金が稼げなくて頭が悪くて、でも思いやりや純粋な愛情をもった犯罪者家族を一体どうして「でも犯罪でしょ?」の一言で全否定するの。あなたは彼らのように思いやりのある幸せでいつも笑顔な家族が作れるの?虐待から一時でも女の子を救った事実はどうなの?
犯罪の被害にあったらそうは言えない?彼らが盗んだのはいつもカップヌードルやシャンプーやお菓子だよ。そんなに全力でたたかないといけない事?他に生きる方法をしらなかった人たちをただ「犯罪者」で済ますのってあまりにも心がない。
そこを見逃す人ばかりになってほしくない。
とってもいい映画です。どうかあなたにも人を思いやる気持ちをもって作品を見てほしい。
是枝監督の次回作も楽しみにしています。
グランプリはどうかと思うが良い映画だ
評を読むと皆さん清廉潔白に生きていらっしゃるようで、人生に一度も犯罪を犯したことがないようである。
この映画のテーマは現代の家族の稀薄性もあるが、親の立場で見ては本題にずれてしまう。ラスト子供二人で終わっているように、子供にとっての家族の存在意義を問いているのである。いや、もっと言えば親の在り方だ。
子供にとって家族とは血で繋がっている必要性はあるのか?犯罪者であろうと親の資格はないのか?私はラストの子供がこれからどうなってしまうのか、幸せになれるのかホトホト心配になった。犯罪集団にとどまっていた方が幸せになれたんじゃないのかと。
警察の捜査(=正義)を法治国家なんだから当たり前だと思ってるだけの人は可哀想な人である。
もちろんだからといって犯罪を犯してよいわけではないけどね。
あれだけ騒がれてこれなら他も推して知るべし、無駄な時間と金を映画に費やすのは今後やめよう。
血縁と戸籍だけが家族のつながりではない。実に全くその通り、異存ない。ではあるがそれだけで感動とか重みとか言われると今さらどうしたと言いたくなる。昔から大衆芝居・浪花節・小説で、手を替え品を替えなぞられてきたことだ。
犯罪者仲間内の絆を描いた物というのも古今東西の物語り映画に数えきれない。手を替え品を替えの中に現代の万引きが加わったにすぎず、これはこれで面白いと言うものの、もしその点に感動を求めよとかいうなら実在の愛情深い里子里親あるいは各種支援施設の一日を追うほうがもっと質も価値も高い映画ができるだろう。啓発的な内容の重みという点から言うとそうなる。
ただ殊更なことを言わず単純に大衆娯楽映画として楽しむならそこそこには面白い。すぐ身近に接している筈でありながら目に触れることの稀な万引きを、犯行当事者世界から描いているのが面白いと言えば言える。また日本の貧困事情を時宜的に捉えている点でも共感を呼ぶでしょう。
あくまで商業目的の産物だから単なる娯楽映画であって悪いことは何一つない。だからあまりに勿体つけた宣伝をしなければいいのだが、どれほどのものかとつい見てしまった結果としてむしろ悪感情が働くぞ。
気になるのは演技の質で、特に悪くはないがいいとも言えない。一番の不満はこれ。
演技者本人以外にカメラワークや振り付けなどにも原因がありそうな気がするが、総じてわざとらしい。主役のリリー・フランキーが特にそうだが、さり気なさを演じすぎて却って不自然さが浮き立つ。さりげなさに人情味を滲ませようというのだろうが、まあそのあたりの塩加減の難しさが訳者の感性を超えるのだろう。早い話がヘタクソ。
中でプロらしい才能と力量をうかがわせる演技ができていると思ったのは唯一風俗勤めの娘くらい。あとはちょっとましな感性と練習があれば素人でも、例えば私でも、なんとかなりそうなレベルで特に褒めるほどのものはない。
多くのレビューで樹木希林がやたらと高く評価されているが、彼女の場合は風貌自体が演技に勝るはまり役であるにすぎないだろう。加えて、失礼ながら「映画女優」に対する一般認識からはほど遠い外貌に対する一種の判官びいきが赴くところの凡俗受けに過ぎない。だから彼女に関して言うならば、セリフも演技もむしろ極端に削ればもっと味が出ていただろうし、いっそ終始無言の置物くらいに位置付ければなおいいかもしれない。私が監督ならそうするか。あるいは全編通じてしゃべるのはたったひと言、とかいうのも話題を呼びそう。
子供の演技は基準が全く異なるので評価対象外。
万引き場面にリアリティーの無さを指摘する感想もうかがえるが、これは映画用演技として見過ごすしかないと思う。もっとも、いかにもの映画演技をさせてしまうところが監督の才能の程度とか限界とかいうことにはなるだろうが、まあ俗受け観点からはこんなものなのかもしれない。中途半端な社会的配慮もあるだろう。
期待しすぎました。
昨今の社会問題と、家族のあり方を考えさせる映画なんでしょうか?
万引家族という題名は面白いアイディアだと思いますが、万引きをすることで家族全員が生計を立てているわけではないので、違和感がありました。
また、キャストは良い役者さんがチョイ役で出ていたりして贅沢な映画だと思いますが、見ている側の解釈に任せます的な部分が多すぎて、何故こうなったかのプロセスを省きすぎてもやもやする作品でした。
描き切らないリアルがジワる
大袈裟ではなく善も悪も偏らず、全役者がごくごく自然過ぎて、ドキュメンタリーを観ているかのようなリアルがあった。最後の池脇氏だけ、あえて正義感を押し出したのだろうって感じたかな。
それくらい、そうそうたる役者陣が地で行くガチ映画だと僕は感じた。暖かさも絆も、冷たさも汚らしさも、全てが真に刺さりながら、それでいて現実に身につまされる展開。
よくある一つの答えに行き着かない、そこまで描き切らないリアルが逆にジワジワ来ました。
「親から必要ないと言われて育った子が、あんなに自分より他人の事を気遣える筈がない」は、めちゃくちゃ深い。この話の帰結にも通ずる何かを感じざるを得ない。
観れて嬉しかった。
害獣映画
タイトルだけ見て敬遠しているあなたへ。この映画は、あなたが想像している通りの作品です。
人間の言葉を使う数匹の害獣が、私欲の限りを尽くして生きることを『家族』というキーワードを用いて美化している映画です。
それを分かっていて、それでもこのクズワールドをあえてその目で確かめ、無駄にした時間とお金を後悔したいのなら、観てみたらいいのではないでしょうか。
最後に、この映画のことが好きな人の意見を代弁して…
「俺たち家族のためだもの。物を盗んで金払わないのも仕方ないよね!あっ、でも映画見るときは無料動画サイトは使うなよ!ちゃんと金払えよな(笑)」
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