「もどかしさが胸をかすめる作品」万引き家族 ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)
もどかしさが胸をかすめる作品
「万引き家族」とのタイトルであるが、その家族構成がイマイチ説明されず、少しずつ会話の節々や当事者同士の距離感でそれを推察していくしかないのだが、現代の底辺層の生活が本当にこのようなのか?と言う不安というのか、なんとも言えない感情が胸のあたりをウロウロとしたまま物語は続いていく。
言わずもがなの名優たちがそれぞれの味を出しているのだが、やはり本当のその配役の人間がそこに居るような演技はさすがである。それは特に子役の二人が輝いており、お兄ちゃん役の城桧吏
くんは物語の中核を担うキャラをしっかりと演じきっていた。
また安藤サクラはお世辞にも美人とは言えないが、独特の魅力や艶っぽさがあり、素敵な女優だと再認識できた。
万引きという比較的軽いと思われがちな犯罪(りっぱな犯罪ですが、、、)から家族構成を魅せていく手法、またそれと並行して社会のおかしな点を糾弾していく姿勢には感服します。
またそれぞれの特に子供達の表情や心の機微を描くのが非常に秀逸だと感じました。
最後に少しずつ家族のそれぞれの中身が明らかになっていくのだが、治と信代が正当防衛とはいえ殺害し、埋めたというのはなんともピンとこない。またリリー・フランキーも色々な役柄をこなすカメレオン俳優ではあるが、安藤サクラと共に見せる屈託の無い笑顔には元々の人の良さというものがにじみ出ており、リアリティに欠けていたとも感じた。
しかし、ラストのゆりちゃん(りんちゃん?)の描写は悲しすぎる。まだ日本のどこかにこの様な状況が起きているのだと思うと非常に悔しい気持ちでいっぱいである。
nnkさん。
コメントありがとうございます。
そうですね、最後のシーンはそうあってほしいですが、信代の「あたしたちじゃだめなんだよ」ってセリフを受けた治が迎えに行ったとは考えにくいし。
祥太も年齢的にはしっかりしているとはいえ難しいと思いますね。
監督は今もどこかで同じような事が起こっていると伝えたいんでしょうが、あの家族に感情移入してしまった以上は、見ていて辛いですねw
娘を守ることもできず、傷つける母親よりも血の繋がっていなかった柴田家の方がよっぽど暖かく、かけがえのない家族だったと言うことですね。
私も先程、この作品を見終わって色々と考えることがあって他の方々の感想を読んだりしてました。ポップコーン男さんと似てる感想を持ったのでコメントさせて頂きたいなと思って投稿しました。
それぞれ、別々の道に行ったあの家に集まっていた家族の中でじゅりちゃん(ゆりちゃん)だけあまり好転しない結末だなぁと思いましたが、以前よりじゅりちゃんは少し強くなったのだと思いました。母親の、服を買ってあげるという言葉にも首をふって拒否してましたし、外に締め出された(?)風なあの時間も
ビー玉で遊んでいたり
フェンスの外を眺めて誰か会いに来てくれるんじゃないかって探してるような素振りだったので。最後のカットはあの中の誰かが来たのを見つけたように感じたのですが…先はなかったので分からないですね(>_<)
虐待などは現実も映画も悲しくなります、
モヤモヤするところもありましたが、みんな本当の家族ではなくとも幸せに暮らしていた時間があったことに私は心がほっこりしました。ポップコーン男さんのおっしゃる通り
キャストの皆さん、子役さんの演技はすごかったですね☆彡.。