未来のミライのレビュー・感想・評価
全801件中、1~20件目を表示
「社会」という閉域
「通過儀礼」図式のストーリーで、離陸→混融→着陸を通して、くんちゃんが大人になるビルドゥングスロマン(成長物語)だ。しかし、肝心の「混融」にあたるエピソードが断片的すぎる。
また、周囲の大人たちの過去を知って成長するという展開が説得力に欠ける。相米慎二監督『お引越し』も、やはり「通過儀礼」図式の物語だが、「混融」にあたるエピソードは、「社会の外」との接触だった。社会の外=「世界」に開かれて、社会に帰ってくると大人になっている。
『未来のミライ』でも、たしかにくんちゃんは不可思議な体験をするのだが、徹頭徹尾「社会」の域を出ない。すべてくんちゃんが生きる時間軸の上にある出来事ばかりだ。それでは体験として弱すぎる。宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』を意識したのかもしれないが、遠く及ばない。
小さな男の子の小さな成長
宣伝から受けるイメージはダイナミックなアニメ映画だが、実際には非常にミニマムな世界を描いた作品だ。そのせいで肩透かしを食らう人もいるのかもしれない。4歳の男の子が初めて覚える嫉妬を乗り越え、お兄ちゃんの自覚を持つ。この映画はそれだけのことを描いている。
大人からみれば、たんにワガママが収まっただけなのだが、4歳の男の子にとっては親の愛が全て新しく来た新参者(赤ちゃん)に奪われるというのは、大事件だ。描かれるのは4歳の子どもの空想世界の大冒険だ。
それにしても細田監督は血縁のつながりに強いこだわりを持っているように思える。主人公のくんちゃんが知らないはずの、お父さんやお母さんの過去に行けるのはなぜなのか。空想の産物ならくんちゃんの好きなものとかが普通だろうと思うが、時空を超えた血縁の不思議な力を細田監督は感じているのだろうか。
このあたりの家族に対する考え方は、万引き家族の是枝監督とは対照的だ。
斬新な発想と素晴らしい飛翔に拍手、点数下げ目的の工作員が多数訪問してる?
細田守原作・脚本・監督による2018年製作(98分/G)日本映画
配給:東宝、劇場公開日:2018年7月20日
「果てしなきスカーレット」がとても面白かったので、細田守の未視聴過去作を視聴してみてる。
新たに妹ミライが出来た4歳男児くんちゃんの心情をネタに、ここまで大きく話を広げたのに稀有の才能の煌めきを感じた。特に、未来からやってきた妹ミライと時を越えた冒険に出るという発想が斬新。その中で、若きひいじいじ(声福山雅治)と交流し、言わばファミリーヒストーリーを体験する展開が楽しく、そして暖かい。
未来の東京駅は月並みな気もしたが、ミライと空中を高速で飛行する映像が何とも素晴らしい。飛行シーンが凄い宮崎駿アニメへの挑戦か!?
まあ平面的すぎるくんちゃんの造形は自分的にも好みではないが、本サイトのレビュー採点平均点が2.4点ということには驚いた。どうしてなんだろう??
かなり極端な0.5点をつけた方が800人中128人もいて、2018年の映画なのに、そのうちレビューの総数が1個だけのレビューアーが何と47名、2個だけの方が20名で、半数以上が真の映画ファンではなく平均点数を下げるため目的のサイト訪問者にも思える。どうやら平均点数は評価の実態を十分に反映してなさそうであった(中央値および分布図が見れると良いと思った)。
監督細田守、原作細田守、脚本細田守、企画スタジオ地図、ゼネラルプロデューサー高橋望、プロデューサー齋藤優一郎 伊藤卓哉 足立雄一 川村元気、ラインプロデューサー池田大悟、アソシエイトプロデューサー伊藤整 櫛山慶 町田有也 笠原周造、作画監督青山浩行 秦綾子、美術監督大森崇 高松洋平、画面設計山下高明、色彩設計三笠修、CGディレクター堀部亮、衣装伊賀大介、プロダクションデザイン上條安里 谷尻誠 tupera tupera 亀田芳高 小野令夫、編集西山茂、録音小原吉男、音響効果柴崎憲治、音楽高木正勝、オープニングテーマ
山下達郎、主題歌山下達郎、音楽プロデューサー北原京子、キャスティングディレクター
増田悟司 今西栄介、制作スタジオ地図。
くんちゃん上白石萌歌、ミライちゃん黒木華、おとうさん星野源、おかあさん麻生久美子、ゆっこ吉原光夫、ばあば宮崎美子、遺失物係神田松之丞、ミライちゃん(赤ちゃん)本渡楓、くんちゃん(男子高校生)畠中祐、ひいばあば(若い女性)真田アサミ、おかあさん(少女)雑賀サクラ、じいじ役所広司、中村正、田中一永、山像かおり、玉川砂記子、井上肇、加藤虎ノ介、盛永晶月、小山春朋、斎藤來奏、真凛、東京駅アナウンスラルフ鈴木、
東京駅アナウンス森圭介、東京駅アナウンス岩本乃蒼、東京駅アナウンス尾崎里紗、原舞歌
横山歩夢、内田珠鈴、吉川正洋、ビアンカ・アレン、マサボ・イザベル、ババボジャエバ・オルズグル、張暁林、ひいじいじ(青年)福山雅治。
不思議が不思議のままでワクワクになってない
お兄ちゃんがお兄ちゃんになる少し不思議な物語。
だったら良かったのだけど、家族の歴史、時間旅行できる不思議な木、飼い犬が人間になる不思議な現象、等々、説明出来ない不思議を盛り込みすぎて疑問が生まれまくり楽しさよりも不可解さが。
未来のミライというタイトル通り、未来ちゃんが未来から出てくるのは良かったが、家族の歴史なども介入するものだから存在感が薄い。
印象的なシーンも多いのに、全てが他の要素のせいで印象が薄くなっているイメージ。
また4歳のイヤイヤ期もリアルなのだがそのリアルに大人の解釈を入れようとしたせいで気持ちの悪い印象を受けた。
自転車に乗るシーンもお父さんはあまりに無責任でイヤイヤ期のくうちゃんがそれでどうなるかは見ていて嫌な方に予想がつき案の定嫌な感じに。
大体の流れがそうで、嫌な感じを受けたシーンは全て嫌な感じになる。裏切られたり、楽しくなるシーンがほとんどない。
唯一祖父の話は深みもあり良かったが、やはり作品のテーマがよく分からなくなる要素でもありノイズにも感じてしまうのが惜しい。
駅のシーンで妙に怖さを強調するのも嫌だった。そんな嫌なシーンが楽しさに昇華できず、見せたくない作品だなぁと思ってしまった。
よくわからなかった
・以前より評価があれだったので敬遠してきて果てしなきスカーレットを観てようやく観てみようと思った。
・全体を通して観てみて思うのは繋がりがあんまりなくてよくわからなかった。主人公?のくんちゃんがとにかくわがままで観ていて嫌になってきた。その子が大人に近づくために色々な事が起こったわけだけど、きっかけも何もわからないままで観ていてぽかんとしてしまった。多分、家の真ん中にある木が何かしらの意味があったのだろうけど、わかりにくすぎてついていけなかった。序盤で高校生?の妹が現れて何かとんでもない事故が起こったのを止めるためとかかと思ったらそういうのも特になく、庭に出ると、過去や未来?に転生して考えを改めるみたいになっていたけど、よくわからなかった。くんちゃんがわがままなのを矯正していく事も起きていたのか起きてないのかよくわからず、何とも言えない話だった。くんちゃんがわがまま故に妹を傷つけてしまってその後悔をしててどうのとかだったら感情移入できたかもしれない。思いついたシーンをつないでできたような映画だった。
酷評するほどじゃないけど
もはや10年前になるのか
「バケモノの子」を見た時、ワタクシはこう書いた。
>説明的な台詞が多くて興をそぐ。
>ああ、子供向けに分かりやすくしたのか、だったら仕方ないか、という感じ。
>(もしもそういうつもりじゃないのなら、脚本下手すぎ)
それ以降、細田守監督作品は観ていなかったし、
観る気もなかったんだけれど、
最近公開された「果てしなきスカーレット」のレビューを読んでいたら、
「脚本下手」という声が目について、
ちょっと再検討したくなった。
で、まずは観ていなかった作品を観てみようかということで、
2018年の「未来のミライ」
* * *
「未来のミライ」が登場するまで約30分かかるし、
それ以降もミライはたいしてたくさん登場しないので、
タイトルはどうかと思うけど、
それは逆に、ミライをもっと登場させたらよかったということかもしれないとも思ったり。
主人公は、4歳の「くんちゃん」
妹が生まれて一気に「イヤイヤ期」に入り、
泣きわめき倒す。
これが、リアルを目指したんだろうが、くどい。
けれどそれ以外は、
庭のケヤキが鍵になって時空を超える物語が、
まずまず面白かった。
ただ、
面白味のある台詞が、ない。
ひねりとか、味わいとか、諧謔とか、皮肉とかが
台詞にない。
これが「サマーウォーズ」だと、
少なくとも中盤までは、面白味のある台詞が満載。
比べちゃったらやっぱり「脚本が……」という話になるのは
いたしかたなし、ってところか。
公開中の「スカーレット」も
監督自身による小説版を試し読みしてみたけど、
少なくとも読めた範囲では、魅力的な台詞はなかった。
魅力的な台詞がないと、
キャラが立たない。
そういう意味で、
「やっぱり脚本」なのかもしれないなあ。
つまらないが、監督なりの人生讃歌か💤
細田作品の中でも、かなりつまらない方だと思います。監督の子育ての時期や乗馬体験、新幹線乗車体験等が盛り込まれているのでしょうが、そもそも何か面白いストーリーを思い付いたら、作品にすれば良いのでは無いでしょうか。先祖が頑張ったから自分がいる、的な台詞からは、子無しへのマウント取りに感じました。監督なりの人生讃歌なのでしょうが、主人公が頻繁にギャーギャー喚く様や、またOP・EDの軽快な達郎を聞かされるのも苦行でした。
夢の世界
家族の意味、大切さをくんちゃんの悩みを通して夢の世界と言うかバックトゥーザフューチャー風にアレンジしたドリーム・アニメ。
子供には独占欲とか嫉妬の戒め、親世代には子供への均等な愛情の注ぎ方、対話の重要さを教えてくれますね。原作・脚本・監督とまさに細田ワールド、アニメもいつもどおりの影無し作画でしたね。心暖かいばかりでなく鬼ババとか独りぼっちの世界への赤い新幹線とかホラー調の怖さも交えた独特の世界観。細田監督は、中学生の頃から山下達郎のファンだったそうで、私も「さよなら夏の日」とか「クリスマスイブ」は大好きです。山下さんも本作で初めての2曲の書下ろしとその想いに応えていましたね、ただ、幼児の叫び声のような甲高い歌声は馴染めませんでした。
観ながら可愛がってくれた両親、祖父母、古銭をくれたひいばあちゃんのことなどが蘇り、今の自分はけっして一人じゃないなんて励みになりました、お墓参りに行こうかしら・・。
おそらく前例がない画期的なアニメーション
この映画に関しては、レビューを当てにしないで見たほうがよさそうです。酷評が目立つから、つい目にしてしまう。すると、必然的に「どうしてだろう?」とか「何か意味があるのではないか?」などと気にしながら映画を追いかけていくことになります。
代表的な感想で、目についたのは
・普通につまらない
・男の子の声が合ってない
・細田作品にしては日常過ぎて話に飛躍がない
といったところでしょうか。
私自身、この映画の強烈なビジュアルは、あの高校生のミライちゃんがくんちゃんを空に引っ張るあの絵にあると感じ、非常に好奇心をくすぐられたのです。これほど期待して出かけたこともずいぶん久しぶりでした。
そして事前の情報から得られたお話は、まるで『君の名は。』を予感させるような時空トリップもの。きっと感情を揺さぶる名作に違いない!と、勝手な想像を膨らませていたのでした。
ところがこの映画は、boy meets girlを期待させておきながら実際には、
boy meets himselfだったという「裏切り」があったのです。これが、面白ければいい意味に受け取られたでしょうが、抑揚がなく淡々と日常を描いていく構成に退屈を感じる人にとっては「まったくの裏切り」に映ったのでしょう。
通常であれば、プロデューサーが介入し、ストーリーラインの大幅な増補に走るところですが、過去作で着実に実績を積み上げてきた細田監督の「作家性」として許され、あとは受け取り方しだいで、面白くも、つまらなくもなり得るという丸投げ状態になったのではないかと思います。
比べるのもどうかと思いますが、宮崎駿作品の『崖の上のポニョ』なんか、後半収拾つかなくなって意味不明。あれが人生を変えてくれたベストムービーなんて言う人にもちろん会ったこともなく、正直駄作にしか思えません。それでも「作家性」のひと言で許されてしまうほど、実績を積み重ねていってからの『ポニョ』だったので、それほど酷い風評も聴きません。きっといろんな人が忖度しまくって「実はこんな風にも読み取れる」「あのシーンに隠された本当の意味」なんて勝手な自説をこねくり回して、ジブリに駄作なしという無茶な論説を突き通したいのでしょう。
さて、話を映画に戻せば、この作品、非常に直球で、美彩な表現を使って幼児期の男の子の成長、自我の目覚めを描いた画期的なアニメーションです。おそらく前例がない。前例はないけど類似の作品は非常によく見かけます。いわゆる「中二病」を主人公にしたあらゆるドラマツルギーを取り上げたものです。
そして、多くの人が共感できる「あるある」を、恣意的に抑揚なく繋げただけのようにも見えます。反応を見ることが出来ないので想像でしか言えませんが、Eテレにくぎ付けになる男の子のような反応が起きるのではないかと思います。途中から、画面に目を取られたら最後まで目が離せない。それでいて、どこかにいっぽん大きなスジが通っていて、見えるときにだけそのことを考えるヒントをくれるような。そんな作品作りを目指したのではないでしょうか。
それゆえに「声が合ってない」とか、「日常過ぎてつまらん」なんていう感想は、始めから気にしなくていい作りの映画です。きっと子供が見てつまらなそうにしているのを見て、「そうか、つまらないのか」子供が夢中になっているのを横目に見て、「おお、面白いのか」なんてボーっとしているのがいちばん幸せな鑑賞法なんじゃないかと思います。汗だくになって泥団子をこさえている子供を全否定する大人なんていないでしょう。
目の敵にして酷評する程でも…(再)
不満な点は確かにいっぱいある。
声優のキャスティングも、単調で代わり映えしない物語も、「子供って大変だけど可愛いよね」的な押し付けも、間延びしたエピソードも。
ただ、軽やかなオープニングとか、「細田印」の異空間表現とか、くんちゃんの成長とか、紡がれていく家族の歴史とか…。
ちゃんとワクワク・ホッコリさせてくれる箇所もある。
「4歳にしては会話が大人」という意見もあったが、むしろこれまで他の作品に出てきた4歳児の方が、よっぽど物語にとって都合よく賢くて都合よく幼いというステレオタイプではなかったか。ストーリーを進める上で支障が出ない程度の幼さと、リアルな幼児のエゴイスティックさのバランスは取れていた様にも思う。(ムラはあるけどね)
『あなたは何者ですか。』
「私」とは他人との関係性で成り立つ存在。アイデンティティとはまさにそのこと。
自己を認識する事で他者を受け入れることができる。
家庭というすごくミニマムな世界の中で物語を構築していながら、それがとても普遍的なテーマにも繋がっていく。監督の伝えたい何かは感じることができた気がする。
「サマーウォーズ」とか「時かけ」みたいなエンターテインメント満載の映画を期待するとがっかりはするんだろうけど、ちゃんとこの映画を受け止めることができれば、少なくとも「駄作」とか「★1つ」みたいな極端な評価にはならないと思うんだが。
袋叩きにするなら、もっと酷い映画がいっぱいあるぞ。
※旧アカウントより転載
ファミリー層向けに向いてない監督
以前からちょっと女性描写にが微妙な向きのある監督でしたが、
今作を作るにあたってはその評価ゆえなのか「小さい子供を持つ母親」たちの声を集めてたそうです。
しかしながら、その扱い方がやはりずれているというか…「おそらくこういう声があったんだろうな」と想像できるシーン、ことごとく「そういうことじゃないだろ」ってのが多い。
例えば、冒頭父親が近所の奥さんに「イクメンであること、家事をしていること」を褒められているシーン。それに対し、母親は「そんなに威張れるほどやっていないのに」と文句を言います。
この手の話、よく子育て家庭の愚痴で聞きますが、その愚痴をよりによって「母親が外で働き、父親がメインで家事育児をしてる」設定の家庭で言わせる?という違和感。
また、母親がよく怒る「鬼ババア」で、父親はおっとり子供に接し「鬼ババア」の圧政に敷かれてるネタ。
小さい子供がいる母親が怒るのって基本子供を危険から守るための必死さから来るものでしょう。集まった声にはそういう態度を反省する声があったのでしょうね。
それを、父親がメインで育ててる設定なのに「怒る母親」の部分のみ再現。さらに「母親は子供の頃から常軌を逸した気性」である設定でダメ押し。ええ…
在宅ワークをしている父親は、4歳の男の子と産まれたての乳児を1人で見ているにも関わらず「子供の声に気がつかないほど仕事に集中」しています。
え…「子育てしてる母親たちの声を集めた」んですよね…?それでこの描写…?
確かにストーリーの流れ上、ここは父親が「子供の言動に気がつかない」必要があるけど、それにしたって??
その後の「妹の授乳に両親ともが夢中になって、くんちゃんの呼びかけを完スルー」のシーンもそうですが、話を進めるためにいくらなんでも不自然な言動を取らせすぎる。
細田作品はそういうことが多すぎる…。
未来の東京駅の描写などは好き。
「嫌い」とは一回も言わなかったな
公開から評価が割れに割れた今作。過去の細田作品はかなりのストライクなので、楽しみな気持ちと不安な気持ち、期待と疑問が混ざりに混ざっての観賞でございました。
夫と私は仲良く行儀よく、妹を(正確にはおかあさんを)待つくんちゃんを見守ります。
待ちに待ったおかあさんは新生児の妹ばかり世話を焼き、くんちゃんとは遊んでくれません。拗ね拗ねで中庭に出るくんちゃんの前に「元王子」という謎の男が現れ、くんちゃんの感情を鋭く指摘。
その辺りで隣から「これはダメだ~!」と絶叫が!どうした夫?!
「こんな演出ボケッと観てたらわかるわけない!低評価になってしまうのも仕方がない!(盛大な嘆き)」
うん、落ち着け。とりあえず落ち着け!
私は好きだぞ?こういうの、スゴく好みだ。説明すっ飛ばしてのファンタジー展開、いっぱい考えることがあって最高じゃないか!
君もそうだろう?だから嘆いてるんだろう?落ち着きたまえよ。どうどう。
未来からやって来たミライちゃんと会ったりする度に「どうやら事件は中庭で起きているようだぞ?」「くんちゃんの感情が爆発することがスイッチか?」などと、ストーリーの謎を埋めていくのも楽しい!
誰かと出会う度に課題を解決するくんちゃん。誰かと出会う度にその人のバックボーンを知るくんちゃん。私たちが大人になるまでの間に、本当はこんな奇跡が起きていて、だから自転車に乗れるようになったりしていたのかもしれない。そう考えると楽しくなる。
私が一番姉心をくすぐられたのはやっぱり東京駅だ。散々「好きくない」と言っていたのに、自分1人の時はオロオロするだけだったのに、妹のピンチに気張らねえ兄貴がいるかよ!とばかりにミライちゃんを守ろうとする姿に熱くなる。
何なんだろうな?
時に邪魔で目障りな存在である妹や弟なのに全身全霊守ってあげたいと思うきっかけは。
全く覚えてないのが不思議だ。やはり大人になるまでの間に(略)
無事にお出掛け前の時間軸に戻ったくんちゃんは、もうお気に入りのズボンなんて履かなくても良いと思えるくらいに成長していた。
ミライちゃんは自力で移動しようとするくらいに成長していた。
おとうさんは前より優しくなった。おかあさんは前よりイライラしなくなった。
この映画は、みんな少しずつ成長している。それこそが大切な積み重ねであるかのように。
家族の絆が再生していく物語は、実写でもよくあるテーマだし良作も沢山ある。けれどこの映画は妹が生まれる「事件」を通して家族の絆が「生まれる」物語だ。これを4歳児を視点キャラに描くとなったらアニメ以外のアプローチはないと思う。アニメでしかなし得ない素晴らしい作品だと思う。天晴れ!
テーマ性が高いがゆえに娯楽度が低いのが低評価の原因じゃないでしょうか?冒険活劇と言うには少し物足りないのは認める。
夫も今作の作家性の高さに満足したようでございました。大人向けの映画、ってことなんでしょうね。
甘えん坊のくんちゃん
全801件中、1~20件目を表示











