アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダルのレビュー・感想・評価
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此の親にして此の子あり
個人評価:4.2
トーニャ・ハーディングのハードボイルドな半生を見事にスタイリッシュに描いている。
登場人物達も本人にかなり近く、チャーミングなはずのマーゴット・ロビーも、神懸かり的にトーニャと瓜二つ。
この親にしてこの子ありという母役のアリソン・ジャネイの痺れるような演技も凄く、オスカーも納得。
あの誰もが知る襲撃事件の舞台裏と真相を、脚色もあるだろうが、とても分かりやすくエンターテイメントに仕上がっている。
そして世間から嫌われ者だったトーニャを最後には愛してしまう作品の作り方。監督の愛をそこに感じる気がする。
映画自体はコミカルだったが、なんだか悲しい気持ちになった。
役者さんの演技はすごかったけれど、
ある有名な事件を各関係者の証言をもとに、ミカルな方法で映画化しただけで特別な魅力は感じなかった。
この事件は全く知らなかったが、前半部分を見ただけでそれぞれがどのような事を言うか想像できてしまったし、そこに驚きもなかった。
トーニャの生い立ちや、当時のマスコミの報道の仕方(ゴシップ的な)を想像するとけっこうエグイ状態だったんだなと思う。
本人にも問題はあったのだろうけど、生い立ちや環境を考えると同情してしまうし、最後にスケートを奪われたことも胸が痛くなる。
そしてその後も前向きに生きていて、強い人なんだとも思った。
母親役のアリソン・ジャニーがすごいなと思ったら、アカデミー賞で助演女優賞を取られていたんですね
そして、トーニャが不憫に思えあまり良い気分にはなれず、映画自体好きにはなれなかったです。
事件を知らない方が楽しめる
当時の騒ぎ様と言えば、連日ワイドショーで取り上げるフィーバーぶり。「悲劇のヒロイン」ナンシーケリガンを持ち上げ、「ダーククイーン」トーニャハーディングを叩き捲る、スポーツ界最大のスキャンダルでした。
その当時の記憶を掘り起こすのもあり、
マーゴットロビーなら観なければならない、
という使命感。
ドキュメンタリー感だけだと退屈になりがちな所、観客に語り掛ける「第4視点」を随所に配りエンタメに仕上げてある。
何気に成り行きを知っているだけに、次に起こる事は予測できるし、それよりトーニャの旦那とか観てたら事件の必然性も感じる。
だから当時の騒ぎを知らない人の方が楽しめるのではないだろうか?
ただ、先にトーニャへ脅迫があったのは驚き。
しかもその犯人も驚き。
しかしマーゴットロビーは美しい。
そしてホントにトリプルアクセル出来たか怪しいが、スケート実演の頑張りも素晴らしい。
それよりも際立つ鬼母の存在、圧倒的。
見た目のインパクトと一刀両断の発言。
あんなウエイトレス嫌。
序盤トーニャに「ママの事好き?」と聞かれた父親の応対が全て。
この話が全てだとしたら、ナンシーとトーニャって純粋にライバルだったんだろうし、トーニャは冤罪に近い。それでも生き抜く女性の強さ、お見事です。
追記で、
あのDV夫がバッキーバーンズだとは、
全く気づかなかった自分にショックでした。
「私のせいじゃない」
面白かった。事件を知らず、公開を知ったときに調べて興味深かった。期待を裏切らない作品だった。
トーニャ、この環境で育ったらそりゃ歪む。母親から暴力的に育てられただけでなく、父親に置いてかれて…。どれだけ泣き叫んでも、家を出て行く父親は自分を連れてってくれない。絶望…。
なんでこういう環境で育ってしまった者の近くには、DVはたらくような男性しか現れないんだろう。その友達も最悪だし。
当時を知らず、ケリガンにめちゃくちゃ同情するわけでもないから、トーニャも被害者だなーと思う。
スケートのシーンは説得力があるし、義兄弟・クリスの再登場の仕方も秀逸だし、スケート靴でタバコ消すシーンとか、色々と素晴らしかった。
この事件は子供心の遠い記憶として残っているほど衝撃的だった。トーニ...
この事件は子供心の遠い記憶として残っているほど衝撃的だった。トーニャに対し終始嫌悪感しか無かったが、観終わってみるとその気持ちが少しだけ哀しさに変わっていた。太々しさの中の直向きさが垣間見られたからかもしれない。
ギルーリーる=膝を蹴る?
伊藤みどりがアルベールビルで銀メダルを獲ったのに、それが全然アナウンスされていなかった。なぜか7位入賞を果たした佐藤優香がアナウンスされてたが・・・
映画でも語られていたように、やっぱりトーニャ・ハーディングが襲撃事件を起こしたと認識していました。元夫のジェフとボディガードのショーンによる悪だくみ。実際には指示したかどうかという点は不明のままだけど、彼女の家庭環境からすれば、暴力も度々起こしてたんだろうな~と想像してしまいます。それにしても発端となったトーニャへの脅迫状がショーンによるものだったなんて笑ってしまいました。かなりの妄想家だったんですね。
彼女の生い立ちとか、“労働者オン・アイス”などと揶揄されていたり、ちょっとだけトーニャを応援したくなってしまいます。裁判での申し立てで「私からスケートを取り上げるなんて終身刑と同じ」というシーンはかなりリアルな感じもした。まぁ、マーゴット・ロビーの演技なんですけどね。
全体的には音楽映画の印象も残ります。演技でZZトップの曲を使っていたなんて笑ってしまいましたけど、映画の中ではクリフ・リチャード、ドクター・フィール・グッド、バッド・カンパニー、ダイア・ストレイツ、マーシャル・タッカー・バンド、フォーリナー、スーパートランプ、ハート、ローラ・ブラニガン、シカゴ、フリートウッドマックなど好きな曲がいっぱい!曲を聴くだけで心地よくなってきました。
スキャンダルからスケーターとしては身を引いたトーニャ。やっぱり格闘家としてしか生きられなかったのか、全日本女子プロレスからも声がかかっていたとかで、そこまでイメージを変えてしまったのですね。最後の台詞「アメリカには愛すべき仲間と、憎むべき敵が必要」という、アメリカそのものも表現していたようでした。面白い映画だった。
運
才能があっても育ちが悪いと大きく人生が損なわれてしまう典型的な例を見た気がします。あんな環境で育つと性格もひねくれるだろうしDV男を選んでしまうのは当然の様に思いました。この作品で確信したことは、成功は努力ではなく周りの環境も含めて運ということです。今の世の中、スポーツや芸術はお金がないと一流にはなれません。
トーニャハーディング&マーゴットロビー
トーニャハーディングの苦しさ、辛さ、苦労してきたことがしみじみ伝わってきます。
全てはトーニャの周りを取り巻く人達のせいで… とオレはそう思ってしまう程だった。
アメリカの現実や社会の厳しさも見えてきます。
母親はクレイジー、彼 夫もDV繰り返すアホだし…
もしトーニャがジェフというとんでもない彼 夫とかその関わりのある人達と最初から会わなければ、関わらなければ…、トーニャのフィギュアスケート人生は続いていたり、フィギュアスケートを再開する機会もあったかもしれない。
ラストはフィギュアスケート人生の幕を閉じてもなお、ボクサー 格闘技選手として他の人生を歩んでいくトーニャの立派な姿に感銘を受けました。
そして、トーニャ役のマーゴットロビーの熱演も本当に素晴らしかった!!
まるでフィギュアスケート選手のように滑ったり、トリプルアクセル、ジャンプなどするマーゴットロビーの努力も伝わってきました。
盛られた史実
実際の事件にはまったく馴染みがなく、ワイドショーをどれだけ騒がせていたのかもよく知りませんが、映画自体は、とてもわかりやすいシナリオ構成で、すんなり頭に入ってきました。
当時の、関係者たちへのインタビューを元に事件の詳細について描かれた作品だということですが、人物それぞれが思い思いの事実を語るため、結局はだれの言葉が正しいのかと、もやもやさせられる部分もありました。が、それこそが今作の醍醐味というか、見どころのように感じました。また、話を大きくしがちな、アメリカらしい出来事だな、との印象も受けました。
歴史というものがいかに曖昧なものかを教えられた感じです。
それにしても、
やはり、ハリウッド俳優の技量やメイク技術には驚かされます。トーニャの母親と、自称ボディガードの友人役がとにかく似ていました。アカデミー賞へのノミネートもうなずける演技でした。
マーゴット・ロビー大好き!
楽しみにしていた「アイ,トーニャ」。ユナイテッドで見れずギリギリ日比谷で鑑賞した。こんなええ映画を上映しないシネコンがあることが信じられない。スケーティングシーンが思いの外素晴らしく…トーニャが思ってた以上にヤンキーで…母親も亭主も期待以上に暴力的でクズだった…もちろん褒め言葉。シカゴの「長い夜」など70年代の名曲が随所で効果的に使われていて良いのだが、特に「ロッキー」を彷彿とさせるトレーニングシーンで流れるハートの「バラクーダ」がぐっとクル。オリンピックが如何に米メディアに牛耳られているかを物語るタイムリーな映画でもある。
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