劇場公開日 2018年3月30日

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「あの戦争は、何だったのか」ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0あの戦争は、何だったのか

2024年2月19日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 治世の能臣、乱世の奸雄と云う人物評がありますが、チャーチル爺さんは、治世の変人、乱世の奸雄ですね。
 ヒトラーの台頭を許したのは、1つめの戦争の戦勝国が、賠償金でドイツを追い詰めたのが要因だとか。私の知るチャーチル爺さん、2つめの戦争に、アメリカを参戦させたくて仕方ない。そのための外交政策として、極東の島を追い詰めます。真珠湾からの「トラ・トラ・トラ」の電文を、誰よりも喜んでいたのは、チャーチル爺さんだったのかも…。因みに私の母方の祖父は、戦地に赴き、帰ることは叶いませんでした。この時点で、私のチャーチル爺さんへの感情は、推して然るべきものとなります。

 「ダンケルク」の陰にカレーの戦いあり。その決断にチャーチル爺さんあり。彼は鬼畜なのか、策士なのか、口舌の徒なのか?。

 海相上がりの首相が、演説かまして独裁制を打ち砕く一方で、極東の島は、陸相上がりの首相の、欲しがりません、勝つまでは…で、焼け野原になりました。どちらが正しかったとか云う話ではなく、それが戦争です。
 私は戦争に同意しません。しかし、国際法上、外交政策の一環として、戦争の存在は否定されません。
 今も終わらない特別軍事作戦。凍てつく大地の大統領を、ここまで追い詰め、ここまで意固地にしたのは誰なのか、今更捜しても是非もないことですが、私達は、あの2つの戦争から、何か学んでいるのでしょうか。地続きのクニは和平の道を探り、ドーバー海峡の向こうのクニは、抗戦を表明、大西洋の向こうのクニは、距離を置こうとする…これは、映画だけの話なの?。

 未来を予知できない私達にとって、明日をも知れぬヤバい状況を、舌先と鋼のメンタルで切り抜ける、したたかさは、乱世を乗り切るには必要のようです。結果は後世に託すことになりますが、時のイギリスが、アラブ人とユダヤ人に持ち掛けた、この時の密約について知っておいたほうがいいと思います。「アラビアのローレンス」だけでは片付けられない今が、見えてきます。
 何故、戦争は終わらないのか?。実は、イデオロギーとか、宗教の違いは、後づけされた言い訳。本当の理由は、其処に欲しいものがあるから。講和も、和平も、どちらかが、欲しいものを諦めるか、お互いにこれ以上、得るものが無いと悟るまで実現しない。
 そんなク◯みたいな世界に示すVサインは、チャーチル爺さんのほうが、正しいのかな。
 乱世の奸雄の矜持を、見た気がします。

機動戦士・チャングム