君の名前で僕を呼んでのレビュー・感想・評価
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全てが凝縮されていた父親の言葉。
完全に油断してしまっていた。
ラストの父親の言葉は、ものすごく大事なことを話していた。
もう一度、聞きたい。
しっかりと胸に刻みたい。
私はこの場面を焼き付けるために、もう一度この映画を見に行くかもしれない。
息子の背中をどれだけ押してくれたことか。
期待はずれ
前評判が高く評価も上々だったので、かなり期待してレイトショー観に行きました…が。
皆さん本当にこの映画良かったですか?とお聞きしたいくらいつまらなかったです。
良い処強いて言えば、同性カップルの絡みシーンが美しかったかなという程度です。これがアジア人だったらまた違った見たくれで正反対の感想だったかもしれません。
隠れ部屋みたいな部屋のエリオのフルーツのシーンは気持ちが悪かった。オリバーが食べようとしたときには自分の顔が歪むのがわかりました。
イタリアの風景や街並みはとても好きだし、役者陣の風貌も申し分なかったのですが。なんせ心に響いてこない私にとっては残念な作品になってしまいました。
次作、『サスペリア』もとても楽しみ!
全てが完璧に美しい
切ない
1983年夏、北イタリアの田舎町に暮らす高校生の家に、アメリカから大学院生が滞在する。「年上の相手とのひと夏の恋(ただし男性同士)」、と言うと大して珍しくもないけど、この映画が評価される理由は明らか。まず、夏の北イタリアの風景が美しく、魅力的。そして音楽を勉強中の主人公が演奏するピアノやギターの旋律がまた魅力。それだけだと「きれい」なだけ、なんだけど、終盤で大学教授の父親が主人公に語る言葉が、深い。詳細には言わなくても、お父さんにも色々あったのだなぁ。
また、高校生の主人公のティモシー・シャラメ、相手役の大学院生のアーミー・ハマーのキャスティングもこの映画の鍵なのだと思う。10代後半の未成熟で不器用なエリオ、大柄で自信家な典型的アメリカ人っぽいオリヴァー、他の俳優ではここまで説得力がなかったかも。
ただのゲイの話じゃなかった
セクシャルマイノリティーがテーマの映画はもうすでに数多くあるし、
まして今時映画にゲイが出てきたところで誰も驚かない。
それなのにどうしてこの映画がこんなに注目されているんだろうと不思議だったのですが、
観てみたらいわゆる社会的な同性愛の話ではないのですね。
なんというか、もっと普遍的な恋の美しさを描いた作品でした。
特別なドラマがある訳ではないけれど、
なぜかずっと魅入ってしまう作品でした。
こういうテーマの作品は湿っぽくなりがちですが、この映画はなんだかずっとカラッとしていて明るく開放的で観ていて気持ちが良かった。
主人公の少年の魅力でしょうか。
お互いを自分の名前で呼び合うという愛情表現が興味深かった。
タイトルを観たときはピンとこなかったが、観ているとそういうことか、と妙に納得してしまった。
美しい、けど物足りないのと me too・・・
美男子と2枚目のオッサンとの間の一夏の経験物語。美しい。けど、悪く言えば美しいだけ。影、闇、苦しみ、葛藤、後ろめたさ、といったような、負の部分の表現が無いか不足している。だから、美しいけど、物足りない。
これが、男女の物語だったらなんの変鉄もないだろう。同じように美男子同士でやってもなんの変鉄もない。
BLであろうがなかろうが、人間とその関係性はもっと複雑なものだが、そこんところを徹底的にスルーしている。
それと、BLにして綺麗にしてるとはいえ、17歳とオッサンとの間のポルノである。他方でme too だなんだで盛り上がっておきながら、この事実が直視されないのははなはだ不自然なことだ。BLで美しければそれでよいのか? 確かに二人の関係性に「強制性」みたいなものはないが、お互いの合意があればいいのかというと、そういうものでもないだろう。製作サイドも聴衆も時と場合で身勝手にしか思えないという点で、美しいですねという以外にこの作品を認めるわけにはいかないのである。
夏を待つ季節
あり得ない世界観で普遍的な愛を叫ぶ、みたいな。
まず、鮮烈に始まるオープニング、余計な詮索なしに一気に「イタリアのどこかでの物語」の世界に入り込める。
一般市民からは想像し難い主人公一家の裕福そうで、とても文化的なバックグラウンド。多くの方々が指摘する美しいイタリアの風景。淡々としつつもクラシックから現代音楽、80年代当時のヨーロピアンディスコナンバーとスフィアン・スティーブンスの書き下ろしを含む楽曲が絡む…と美しい要素だらけなのだ。名と暗の画の対比、効果的なピンボケ使い、音楽は含めた世界観の構築…ルカ監督、これまでノーチェックでありました。
ここで描かれることは、決して浮世離れしていない共感性の高い物語。思春期特有のアンビバレントな感情であり、性の目覚めや恋愛感情を知ることであり、両親からの愛情だったり…(まあ、自分的には実現できなかった理想的世界観なんですが)。同性への思いを異性への性衝動に転化させちゃおうとする事、ようやく想いが遂げられたあとの抑えられない身体の反応、だとかは、当事者の端くれ、ちょっと理解できます。そこは流石、脚色をされたジェイムス・アイボリー巨匠です。生々しさと下品にならないさじ加減といいましょうか。
二時間以上、観る方によっては冗長と思われるかもしれませんが、僕自身数シーンを除いて、むしろこのテーマを各エピソードを丹念に重ねることで、全キャラクターをないがしろにすることなく、事の始まりから終わりまでをきっちり描ききったと思いました。それはきっちり尻尾まであんがつまった鯛焼きがごとく、エンドタイトルまでがみっちりストーリーになっている、濃厚な作品でした。
そして勿論、これを演じきったティモシー・シャラメは素晴らしい役者さんだな、と。この年代でこのキャラクターの非凡さと感情の揺らぎを演じきったのは永遠ものだな、と。これからどんな成長を遂げるのか楽しみです。
あと、横浜ブルクのような大手シネコンですらゲット出来なかったパンフレット増刷を切に願います。
4.7
ティモシーとアーミーの美しい共演
いやらしい絡みもまったく気にならないのはその美貌ゆえだろうか
ムーンライトなどこの手の作品は少なからず存在しているが、最後の最後まで心を掴まれた作品は今作が初めてだ
長回しのカットを多用し無駄なカットを極力入れない撮影方法は作品に集中させるとても大切な要素だ
通り沿いのカフェで車の音がうるさい中お互いに声を張って話す、単純なことだがこれが出来ていない映画が多いが、この作品はそれをしている
細かいところまで気を使われている作品だ
男女の友情もこの作品の一種のテーマであるが、お互いがお互いを通して成長している姿が受け取れる
大切な家族、友人、そして恋人を思い出し、見終わってからもジワジワとその良さを感じることができた
おすすめ
自然体から生まれる共感
前半はイタリアの美しい自然を肌で感じた。
ふたりにあまり感情移入できず、たんたんと進む生活。
しかし想いが通じ合ってからは、今まで遠くにあった生身の感情が直に伝わってくるようでみずみずしい。
意図的だろうが、アーミー・ハマー演じるオリバーの表情も後半にやっとクローズアップされるかんじ。
しかしこの作品がなぜこんなに心に残るのかというと
ラストあたりのティモシー君があまりにも自然体で、それでいてなにもかもを演技で表現してしまうから。
『インターステラー』でも思っていたけれど、ティモシー君の演技は自然すぎてこわい。すごい人だ。
とにもかくにも、ティモシー君がこの映画をより身近に、そして普及的にしているんじゃなかろうか。
つまらなかった
多くの高評価レビューに胸を踊らせ、また都内の映画館の予約の埋まり方に並々ならぬ期待を寄せ、
いや、それ以上にタイトルの付け方に心を打たれたからかもしれません。とにかく楽しみにしていました。
GWのなか、満を持して鑑賞しました。
映像美は確かに賛同します。異様にハエが多かったが。また、音楽とアートの知識的または描写的な表現方法は良かったです。
ただ肝心な人物の心理的な変化の表現が薄く、不自然さを感じました。加えて性的描写が強く表現されており、悪い意味で印象のすり替え塗り替えが行われてしまいました。
もっと心の変化、機微を、それこそ音楽・美術的表現にて演出していただきたかった。
さらに言うと、物語の単調さにも驚かされた。同じような「特には意味のない」シーンが多くある。そう言う意味で無駄が多かった。その分心の変化を表現してほしかったと強く思う。
うれし切なし美しき初恋模様
later.
音楽と映像の使い方がとても上手くて、エリオの心情をよりストレートに肌で感じることができた。
些細なやり取りもテンポ良く面白く、だんだん盛り上がっていく二人に引っぱられるように物語にのめり込んでいった。
周りが誰も邪魔をしないのが良かった。
特に両親が絶妙な距離感で暖かく見守ってくれていたので本当に安心できたし、そんな家族の前でエリオは泣くことができて幸せだなとも思った。
父親の言葉、「辛さを忘れるために心を削らずに」「喜びも悲しみも蔑ろにせずに」「心は衰えていく」細かく正確に再現できないけど、現在過去未来のすべての自分の人生に於いて必要な言葉として受け取った。
無理に振り切らなくて良い。
例え傷付く結末になったとしても一時でも得られた幸せや喜びは本物でかけがえのないものだし、悲しい感情だって逃げずに思い切り悲しんでしまえば良いと。
あの時の父親の言葉があったからこその最後のエリオの表情なんだと思う。
オリヴァーからの知らせに傷付き堪えるように泣く彼の姿が胸に刺さりすぎて辛い。
私も大泣きしながら絶対に目を逸らさず観ないと、と凝視してしまった。
そのせいで未だにあの表情が瞼に焼き付いて離れない。特にあの振り返った時の一瞬の顔…
桃のシーンが好き。
結構最低なんだけどドキドキして堪らなかった。
オリヴァーが期待通りの行動をしていて笑えた。
二人とも何しても美しいしかっこよくて羨ましいな。
切ない一夏の恋を描いた作品として非常に面白かったんだけど、だからこそ本音を言ってしまえば納得いかないことも正直ある。
昇華し切れないわだかまりを発散する手段として近かったとはいえマルシアと寝ちゃうのか〜と。
マルシアは結構本気でエリオが好きだったみたいだし可哀想だったかな。しょうがないけど。
そしてオリヴァー。
列車での別れの際に「後で」って言わなかったな…と思っていたら。
どうして結婚しちゃうの…そこは急に会いに行って目が合って笑い合うところでしょう…とラブストーリーにはハッピーエンドを求める単細胞脳はどうしても思ってしまう。
彼の中での優先順位としてはそれが正解だったんだろうな。
たぶん、エリオの父親も程度に差はあれどきっと同じような選択をしていたんだろうな。
まさか終盤でエリオの父親とオリヴァーを重ねることになるとは思ってもみなかった。
北イタリアの何処かで繰り広げられる青春模様、切なくて切なくて泣きながら帰ったけど本当に面白い映画だった。観て良かった。
同性同士の恋愛をメインに描いた作品って、過剰にアーティスティックだったり逆に静かに静かに進んで暗くなったりしがちな気がしていて、それも好きなんだけど、今作品はちょうど良い日常感と非日常感のバランスがあり、リアルだけどポップでとても観やすく伝わりやすいつくりで好き。
やっぱり現実で恋愛をしたいもんだなあと思った。
思ってること全て書き残したくて長々と連ねてしまった。アプリコットジュース飲みたい。
それなりに面白かった
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