「デップーが教えてくれる大切な事」デッドプール2 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
デップーが教えてくれる大切な事
♪帰って来たぞ 帰って来たぞ~
…という事で、過激、お下品、観客にまで話し掛けてくるほどベラベラお喋り、クソ無責任俺ちゃんヒーロー“デッドプール”、カムバ~ック!
昨今のアメコミ・ヒーロー戦国時代に於いて、本当にブッ飛んだ異端の存在。
前作ですっかり気に入り、続編も楽しみにしていた。
冒頭から笑わせてくれた。
そりゃああのヒーローの壮絶な最期の後だもん、一応同シリーズの者としてはぼやきたくなるよ。
でも、あのヒーローはあのヒーロー、デップーはデップー。
とことん好き勝手暴れて下さいな。
ヒーロー映画続編のあるあると言えば、前作よりパワー&スケール&ボリュームアップ。
勿論俺ちゃんもそれ頂き!
前作をヒットさせてたんまりご褒美(製作費)貰ったのか、明らかに見せ場や迫力増し!
中盤の“ラッキー”カー・アクションなんて、見せ場の目玉の一つ。
金とサービス精神に糸目は付けないデップー。
よりド派手に!過激に!
その合言葉はアクションだけじゃなく、笑いにも。
軽口やジョークはさらに絶口調!
第4の壁超えは前作以上だったんじゃないかな。
このユーモアがストーリー展開以上に、ポンポン、ポンポン、軽快。
そんでもって、お楽しみの一つ、通な映画ネタ。
これは是非、ご覧になって楽しんで下さい。
いっぱいあり過ぎて、とてもとても全部拾い切れない~!(敢えて一つ、『ソウ』はファミリー映画だったのか…!(笑))
前作からの面子は今回もナイス。
シークレットキャラは、アメコミファンならデップーさながら熱狂モノだろう。
音楽もノリノリ、マッチング。
いやはや、今回も面白かった~!楽しかった~!
続編は前作を超えられないのは映画あるあるだけど、
どうよ? 俺ちゃん、続編もイケるっしょ?
さてさて、今回のストーリー&敵は…
冒頭である悲劇に見舞われたデップー。
そんな時手を差し伸べてくれたのが、相変わらず二人だけの“X-MEN”。
晴れてX-MEN(見習い)として初任務。炎を自在に操れる(小デブ)少年ミュータントのラッセルを止めるという、まあ、ちょっと地味なお仕事。
ところがやっぱりヤラかしてしまい、ラッセル共々、ミュータント専用刑務所へ。
そこへ現れたのが、未来からやって来たターミネーター…じゃなくて、
…え? サ○ス!?
未来の世界から来たケーブル。
演じるジョシュ・ブローリンが今作でも敵役として存在感たっぷり。
にしても、同時期に二つのアメコミ映画でインパクト抜群のヴィランに扮するとは、売れっ子ちゃん!
そんな強敵に、デップーは何とチームを作って立ち向かう!
その名も、“X-フォース”!
…ン? 何処かで聞いた事あるような…?
ラッキーガールのミュータント、ドミノ。そしてピーター。
“X-フォース”の実力は如何ほど…?
ケーブルが狙うは、何とラッセル。
その理由は…?
意外と今回、ストーリー的にも面白かったと思う。
ケーブルの目的やストーリーの詳細については言えないけど、指パッチンでデップーが消されたりはしないので、それだけはご安心を。
今回もスカッと痛快エンターテイメント。
そういうのって下手すりゃ中身スッカラカンの場合が多いけど、デップーがそうならないのは、根底にはシリアスなテーマや悲劇があるから。
これが意外と重みになっている。
例えば前作では、不死身の身体になった代償に、醜い顔になり、恋人の前に名乗り出る事も出来ない。
今作では、先に述べた通り、冒頭のある悲劇。これは冗談抜きにショッキングであった。
ケーブルの目的の理由。
ラッセルの苦しみ。
ある社会悪…。
守る為、救う為、阻止する為、奔走するデップー。
確かにやる事成す事言う事ハチャメチャなデップーだが、あながち間違ってはいないと思う。
時には強行手段も必要だ。
ヒーローが皆ヒーローなら、一人くらい異端の存在が居たっていい。
過去を修正するんじゃなく、“今”を正しい道へ導く。
…この行動、スーパーマンがやったっていつもと同じだが、デップーがやるからこそ響く。
文字通り、身体を張って。我が身を犠牲にして。
ブッ飛び野郎だけど、実はどのヒーローよりも苦渋を経験している。
だからこそ、説得力ある。
デップーがそんな事を教えてくれるとは…!
…おっと、クッサイレビューになっちゃったので、本編さながら軌道修正。
まさかの感動路線?…と思いきや、勿論笑いでオブラート。
やっぱりデップーはデップー。
まるでファミリー映画のようなメッセージ。
真っ当なヒーロー映画のような仲間の絆、友情。
本人言うように、ファミリー映画であり、そしてヒーロー映画であった。
そうそう、エンディングのオマケ映像は絶対見逃し厳禁!
デップー、見事過去を修正してやったぜ!