「"人間"ニール・アームストロングに迫る。」ファースト・マン しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
"人間"ニール・アームストロングに迫る。
IMAXで鑑賞(字幕)。
月面に最初の一歩を刻みつけたアームストロングを英雄的に描くのではなく、寡黙で冷静沈着、家族や仲間の前ではユーモアも見せたひとりの人間として取り上げていました。
何度も命の危険に晒されながら過酷な訓練に耐え抜き、強靭な信念で仕事を完遂したアームストロング。その陰には、幼い娘の死、仲間との絆、大切な家族への想いがありました。
何事にも最初と云うものがある。それを実現させた人たちがいるからこそ、今の文明や文化があると言えるのだなと、当然なのに、意識の外にあったことに気づかされました。
今まで誰も成し得なかったことを成し遂げる。生半可なことでは出来ないな、と…。その裏側には絶え間無い挑戦と努力、数え切れぬ失敗、そして尊い犠牲がありました。
様々なものを背負い、傷つきながら「偉大な一歩」を月面に刻みつけた彼の姿に心揺さぶられました。その一歩のために尽力した人々。無念にも散った人々。偉業とはある意味、狂気の沙汰の上に成し遂げられるものではないかと思いました。
[余談]
宇宙の場面の臨場感は想像を絶するリアリティーで、度肝を抜かれました。緊迫感を直に体感している様に錯覚。IMAXだったから、余計にそう感じたのかもしれません。
体中に響いて来るサウンドはさながらGの様で、座席が振動し、実際に宇宙船に乗り込んでいる様な没入感でした。
アームストロングも体験したであろうことを(実際はもっともっと壮絶でしょうが)追体験することで、彼の心情に寄り添うことが出来たみたいで、不思議な感覚でした。
※修正(2023/03/07)
コメントありがとうございます!
挑戦の途中で犠牲が出ても、何も感じないわけはないでしょうが、少々感覚を麻痺させておかないと、持たないんじゃないかとも思いました。
狂気の沙汰 まさしくそれを感じました
あの状況でロケットに乗れる人間はやはりどこかおかしいんだと思います ニールもカレンを失った喪失感がそうさせたのでしょうか