ワンダー 君は太陽のレビュー・感想・評価
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勇気づけられる傑作
ジュリア・ロバーツは大きな口でよく笑う演技が印象的で、トム・ハンクスと共演した「しあわせの教室」ではまさしくその魅力が全開だった。一方、ジョージ・クルーニーと共演の「マネー・モンスター」では冷静で頭脳明晰なテレビディレクターを好演し、芸達者なところも見せていた。「プリティ・ウーマン」から随分と時が過ぎたものである。
本作品ではおおらかで優しくて毅然とした母親の役だ。理想的な母親だが、映画ではあまり登場しないタイプである。というのも、表現者というのは多かれ少なかれひねくれているから、こういう母親は理想的過ぎて表現するのが躊躇われるものである。どこか気恥ずかしいのだ。それを真正面から堂々と登場させたところにこの映画の価値がある。
母親が優れた人格者なら子供たちもまた正直で優しい。そういう子供たちが困難に対峙して健気に乗り越えようとするものだから、これはもう最初から泣けてくる。汚れつちまつた悲しみに打ちひしがれる大人にも、汚れていない時があったことを思い出させてくれるのだ。
さて、人間は見た目を気にする動物である。他の生物にも見た目を気にする種があるかもしれない。色とりどりの花や派手な色の鳥や魚や昆虫などを見ると、見た目を気にしているのかなと思うときがある。しかし人間が他の生物と違うことが二つある。ひとつは、人間は個体の見た目を気にするということである。霊長目ヒト科ヒト属ヒトのオスまたはメスという種としての見た目ではないのだ。もうひとつは、見た目の価値基準が文化や時代によって異なることである。
人間は承認欲求の生き物だから、自分の見た目を何よりも気にする。見た目の評価が高ければそれだけで自信を持つし、低ければコンプレックスとなる。ダイエット、整形、カツラなど、人間の見た目に対する意識を相手の商売は巷に溢れかえっている。もっと広げればファッション、化粧品、ネイル、時計、バッグなど、生活のあらゆるものが見た目を気にする人間の弱点につけこんだ商売になっている。
釈迦もキリストも見た目を気にすることからの脱却を説いたが、人間はいまだに見た目に捉われている。人からよく見られたいという積極的な気持ちだけではなく、人から笑われたくないという消極的な理由も含まれている。人間が見た目を気にすることから脱却することは将来にわたってないだろう。個体差を個性としてみることができればいいのだが、どうしても優劣で見てしまうのだ。企業の人事担当者も、他の条件が同じなら見た目がいい人を選ぶと言っていた。見た目が商売になる以上、人が見た目を気にしなくなる日は絶対にやって来ない。
オギーはそういった人類普遍の差別と闘うことを、生まれつき余儀なくされている悲惨な子供である。その胸の内がどれだけ苦しいか、考えただけでこちらの胸が張り裂けそうになる。差別する人間は小物だから、こちらが大きな人間になればいいと、母親は正論を言うが、正論は気持ちの整理をつけてはくれない。見た目を気にする世の中が変わらない以上、自分自身が変わるしか、不幸を脱する道はない。家族や学校での人との触れ合いの中で、オギーは人のことを気にしない強さや人を許す優しさを身につけていく。この子役の演技がとにかく素晴らしい。この映画を見れば、自分の見た目を克服できるような気がしてくる。とても勇気づけられる傑作である。
wonderful story !
チョコレートボックス❤︎
大人はもちろん、子どもにこそ見せたい!
それほど期待せずに見たのですが、思っていた以上によい作品で、終盤は自然と涙がこみ上げてきました。と同時に、はじめは目を背けたかったオギーの容姿が、あまり気にならなくなっていることに気づきました。作品を通して、オギーの明るく、賢く、ユーモラスな人柄に触れ、彼の内面に魅力を感じるようになったからでしょうか。これは、オギーの級友たちも同じだったと思います。特に、ジャック・ウィルの存在は印象深かったです。損得も駆け引きも抜きにして、オギーと固い友情を結びたいという思いが伝わってきました。あんな子ばかりなら、この世からイジメも差別もなくなるだろうにと思ってしまいました。
一方で、こんな素敵なオギーに育て上げた家族にも頭が下がります。ともすればオギーの存在を負い目や厄介者と感じてしまいそうなのに、家族全員が彼を信じ、励まし、愛し続けます。この支えがあったからこそ、オギーは心が折れそうになっても何度でも立ち上がっていけたし、これからも強く生きていけるのでしょう。それはオギーだけでなく、周囲の人たちも同じで、みんなそれぞれ不安や不満や悩みを抱えていても、誰かに支えられることで立ち向かい、乗り越えていけるのだと思います。
本作を通して、外見による差別や偏見をなくし、内面を見つめることの大切さ、本当の優しさや強さとはなんなのかを教えられた気がします。残念ながら現実にはこんな優しい人たちばかりではありません。むしろ、その逆のことの方が多いです。でも、だからこそ、この作品を見る意味があるのだと思います。大人が見て日頃の自分を省みるのもいいですが、これから多くの人と出会う子どもたちにこそ見てほしい作品だと感じました。
夏休みにぜひ子どもに見てもらいたい。
なんていい映画
子供と大人の成長
素直に観ると良い
母親目線
見応えのあるいいお話
温かい人たちでいっぱいの映画です。
星、5つじゃ足りない!
6年ぶりにテレビで再鑑賞。先日映画館で、この作品の続編の予告編でオギーが大学生になった作品だと思ってたら、ヘレンミレンが主役の、全然違う世界でしたー!
続編はいじめっ子で学校を辞めたジュリアンが中心の作品ですが、そこそこの高評価なので、今からめちゃめちゃ楽しみにしています。きっと日本でも近いうちにこの作品はテレビ放映されることでしょう。
この作品はやっぱり何度観ても、しかも、いくつものシーンで泣けますね。カナダの高校は一クラスせいぜい20人くらい、日本の半分だから、教育法とか学校文化とか全然違いますが、やっぱり学校に馴染めない子はフリースクール的な道もあるし、日本でも不登校が増えているし、その後の選択肢は多岐に渡っていい時代になりました。
とはいえ、もしオギーがもう学校行きたくない!ってあきらめてしまえば、あの卒業式の感動的な景色が見られないんですよね。
昔から子供は誰かをバイキン扱いするような残酷な生き物だけど、ルッキズムが強くなった昨今はもっと陰湿なイジメもあるでしょう。
オギーのようにイジメに立ち向かい、いじめっ子に対しても卑屈になることなく、毅然と孤高のプライドを保ち、頑張って勉強をして成績優良でい続けることで、周りに友達が集まるんだなぁと思いました。
オギー役のジェイコブくんはバンクーバー出身、最近高校を卒業したばかり(北米は6月が卒業式!)です。…そうか、ブリーラーソン主演の「ルーム」に出てた、シングルマザーの息子役、こんなに大きくなったんだなぁ…♪
この作品の素晴らしさはオギーだけに焦点を当ててるわけでなく、お姉ちゃんの寂しさ、姉弟の友達たちの視点もそれぞれ描いてることです。だから登場人物の誰かしらに共感できたり、立体的に作品を味わえる深みが感じられます。
もちろん、両親の大切さ、おばあちゃんのありがたさ、先生たちの熱さなど、家族の温もりとヒーローな大人たちを多面的に描けたところも、この作品の成功のカギですね。
あ、この作品の撮影地、ほとんどバンクーバーwww
ちょいちょいダウンタウンにある図書館がロケで封鎖されてますが、今度は何撮ってるか聞こう!
予算2000万ドル、世界興行収入3億ドル越えの大ヒット作品、続編も超期待してます!
〈映画館で観た直後の感想〉
これ、頭から最後まで泣けるやつじゃないですか!少年成長物語好きにはたまらない話、しかもお姉ちゃんが黒人の彼氏とラブラブになるところまで嬉しい。
差別をされてきた家族を持つからこその優しさ、みんな違ってみんないいのだ!
言葉のやりとりのない、どこかギスギスしてきた現代に生きる私達はちゃんと観てなきゃいけない作品だと思います!
心を豊かにする
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