「みんな太陽」ワンダー 君は太陽 movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
みんな太陽
姉のヴィアことオリヴィア視点で見て泣いた。
誰かのせいでもない自然の流れだけど、社会的に標的にされやすいオギーのために、どうしてもみんなの注意が集まる。
それは当然のことで、ヴィアもオギーが大好きで、おぎーと育ってきたおかげで、優しくて、素敵な子に育っている。その感受性のおかげで、演劇という新しい道を見つけた。でもやっぱり、甘えたい時に甘えられない気持ちを消せるわけではない。
両親も、ヴィアにもオギーにも心を配りどちらも大切に育てているけど、どうしても目をかけ手をかける時間には差が出る。
とはいえ、オギーだけが特別なのではなく、どんな子もそれぞれ事情や気持ちがあることが、登場人物ごとに丁寧に描かれていてよかった。
裕福だけれどいじめっ子の子も、ご両親からただよう冷たさを見ると、家庭で満たされずに寂しい気持ちがあったんだなと。そしてそれを校長先生がしっかりと気付いているところも良かった。
最後に優秀生としてオギーが選ばれるが、オギーの言う通り、ただ一年を終えただけな気もするし、友達が選ばれても良い気もするし、クラスメイト達が平和な関係性を見つけながら成長した当たり前の流れとも思える。
障がいがあるから特別なわけではなく、この世に生まれたどんな子も宝物。だが、ハンディがありどうしても生きづらさや傷つけられる機会が多い子達のことは、周りみんなで守っていかねばならない。でもそうすると、我慢する子が出てくる。
ヴィアに急遽主役を回したお友達の優しさも素敵だったが、あの子の取り巻く環境は変化なしだった。
家庭の温かさが、子供にはダイレクトに影響する。
先生の理解もなかった時、子供は孤独でいっぱいになる。
大人として、忘れてはならないと肝に銘じた。
障がいの有無関係なく、集団の中で太陽のようにその子中心に回る存在と、取り巻く存在に別れてくるものだとは思うが、取り巻く存在となる惑星ひとつひとつも、それぞれ違ってじっくり見つめてしまう良さがある。
それを大人がしっかりひとりひとりに伝えていかないと。
「正しいと親切、選択できるなら親切を」
「知るためには、よく見つめること」
違う個性を受け入れるための心構えも出てくる。
親子で味わえる作品。