ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書のレビュー・感想・評価
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ベトナム戦争が落とした影は、どこまで映画が作れるネタがあるのか
とてもサンペンスフルな社会ドラマである。今年(第90回)のアカデミー賞で作品賞および主演女優賞(メリル・ストリープ)にノミネートされた、スティーブン・スピルバーグ監督作品。メリルとトム・ハンクスの初共演という話題性もある。
泥沼化するベトナム戦争の真実を暴くため、国防省の最高機密文書=通称"ペンタゴン・ペーパーズ"をめぐって、ワシントン・ポスト紙とニューヨーク・タイムズ紙が互いに競いながらも、政府の報道規制と共闘していく様子を描く。
原題の"The Post"がいい。"新聞(ワシントン・ポスト)"の意と、社主や編集責任者としての"役職(ポスト)"の意を持ち、そして"公表する"という動詞でもある。映画をそのまま表している。
史実の裏を描いており、ほんとにリチャード・ニクソン大統領は、映画に出るたびに悪代官に描かれる人だ。この作品とセットで、先月公開されたリーアム・ニーソン主演の「ザ・シークレットマン」(原題:Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House)を観ると、まるでシリーズのように歴史がつながっていく。
「ザ・シークレットマン」には、同じくワシントン・ポスト紙が出てくる。当時、"ディープ・スロート"(Deep Throat)と呼ばれ、ワシントンポスト誌にホワイトハウスの隠謀をリークした張本人であるFBI副長官マーク・フェルトの話で、 歴史的事件"ウォーターゲート"のすべてである。このリークの背景も、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」からつながる。
さらにその「ザ・シークレットマン」と関連していく作品としては、クリント・イーストウッド監督の「J・エドガー」(2012)があり、FBI初代長官のジョン・エドガー・フーヴァーを、レオナルド・ディカプリオが演じている。
ベトナム戦争と米国人はその前後の社会情勢を含めて、実に多くの関連作品が作られているが、まだ作れるネタがあるのかと感心する。
(2018/3/30/ユナイテッドシネマ豊洲/ビスタ/字幕:松浦美奈)
トランプ大統領への強烈なメッセージ
地味、超硬派。ベトナム戦争参戦からの米歴史を頭に入れてからみないとウトウトする。が、最後には泣かせるセリフがいっぱい。
報道機関へのエールと感じた。
最後にウォーターゲート事件の走りを入れてくれたのは「ほほぅ」という気分になれた。親切なスピルバーグ監督ありがとう
無知が故、評価してはいけないくらい理解が追いついておらんです…。解...
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
2018年28本目の劇場鑑賞。
時の政権に屈することなく言論の自由を守るために戦ったジャーナリストたちの矜持と覚悟を描いた社会派実録ドラマ。
ニクソン政権下で機密文書“ペンタゴン・ペーパーズ”を公開し、
ベトナム戦争の欺瞞を暴き出したワシントン・ポスト紙に焦点を当て、
就任したばかりの女性発行人キャサリン・グラハムが、
政府を敵に回し、
経営危機を招く危険を冒してでも記事にすべきかという重い決断を下すまでの葛藤の行方を描き出す。
国を揺るがす一大スクープ。
それはベトナム戦争についての客観的な経過や分析を記したアメリカ国防省の最高機密文書。
本作は、
事件の全容を描くのではなく、
ワシントン・ポスト紙の男女にフォーカスをあてた映画。
出演のメリル・ストリープとトム・ハンクスは本作で初共演となります。
この2人の演技から目が離せません。
報道が強く規制され国民に真実が伝わりづらくなっている今だからこそ、
現代社会に警鐘を鳴らす映画でありました。
この事件でレモネードがバカ売れだったのも事実。
最後に政府の圧力に屈せず報道の自由を全うした記者たちを称えたい。
さすがの3人です
まさに今観るべき、116分の「ツイート」
スピルバーグは本作を「ツイートのようなもの」と形容したようやけどなるほど。まさに今、日本人こそ観るべき傑作。報道の自由を守るための戦い、男性優位社会における女性の戦いを描き、社会に警鐘を鳴らしながら一級の娯楽作品に仕立てる。これぞ巨匠の仕事
俳優陣も見事。メリル・ストリープとトム・ハンクスは序盤の掛け合い(ただの会話なのに長回し!)から笑っちゃうほど余裕綽々。脇を固めるキャストには『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』『ベター・コール・ソウル』のメインキャストを据えたりと、その意味でも今を映している
ラストはモロに『大統領の陰謀』に繋げられていて、「革命前夜」とでも言うべき熱を帯びたまま終わるのもいい。ペンタゴン・ペーパーズの暴露が最終的にニクソン辞任に至る「ジャーナリズムの勝利」に繋がることを改めて示す、ベタやけどアガる演出。本作を観る前に『大統領の陰謀』の予習はマスト!
この完成度で製作期間が11ヶ月とは恐れ入る。すぎやまこういちは、当時55歳で作曲した「ドラゴンクエスト序曲」について「55年と5分で作った」と語ったけど、本作もスピルバーグが今までに積み上げて来たキャリアがあってこその早業だろう。ちなみにすぎやまこういちが死ぬほど自民党シンパなのは内緒
日本人はみんな本作を観て、今の政府の在り方と自分自身の在り方について考えてみるべきだと思う。まあ「それぞれが正しいことをしよう」ということよな。それができれば苦労はせんけど。正しく在ろうとし続けよう
終盤に「小さな反抗」が波及して…というシーンがある。そこでトム・ハンクスが多分"We are not alone."みたいなことを言ったと思うんやけど(字幕がそういう感じだっただけかも)、この言葉は『未知との遭遇』の本国版コピー。スピルバーグは変わらない
違和感が残りました
タイムリーな映画
なんか財務省の文書改竄問題とかあったのでタイムリーな映画でした。
勝手にいろいろと考えてしまったが、ワシントンポストやニューヨークタイムスには戦争をやめさせる、という大義名分があったので、このスクープはまさに評価されるものだと思うが、今の森友学園の問題の大義名分って何なのか…安倍総理を辞任に追い込むためだけの大義名分って日本の新聞とかレベル低すぎ、って思ってしまいました。
実話の映画化にもかかわらず、エンタメ要素も満載で、ラストの終わり方もアベンジャーズみたいだった 笑
まぁ続編ができるような映画ではないけど、ここからニクソンの映画に繋げてほしい気も…
ザ・シークレットマンがイマイチだったので、スピルバーグに期待したい!
大物俳優起用ゆえの重厚感はあるが、その安心感の反動でスリルは少なめ。
ベトナム戦争当時のニクソンも、今の大統領も、報道に圧力をかけるところは同じだなあ。「新聞は歴史書の草稿」だ的なセリフにシビれる。罪を問われるリスクに屈せず、国民を欺いてきた事実を示す機密文書を公表するという正義を貫く意志の堅さ。それに他者が追従してくれたシーンはまさにクライマックスだ。でもよく考えてみれば、NYタイムズこそが、ファーストペンギンなんだけどね。
まあ、権力に抗い、苦悶し、重い決定を断行したといえば、ポストのほうではあった。マスコミとしての使命感はハンパなかった。
法廷を出ると、押し寄せた群衆の最前線には、ベトナムに行っているであろう夫や恋人を待つ女性たち。その目は、救済者を迎える尊敬の眼差しだった。
本年度ベスト級
まずはメリル・ストリープとトム・ハンクスのワンカットでの演技合戦に震えた。すごすぎる。
素人ながらこんなに長時間のセリフを覚えられるものなのか?と思いました(笑)
このレベルの高さで最後までいってくれます。
無駄がない話運びと、優雅なカメラワーク、冒頭の戦争描写からヒッチコックさながらといってはもはや失礼なほど圧巻の演出力で最後まで夢中になりました!スピルバーグはもう完全に大巨匠です。
新聞が実際に印刷・出版されるまでの作業工程が画としてすごくかっこよかった。
「デトロイト」と並び本年度ベストです。
こういった映画が作られるアメリカはなんだかんだ言ってすごいと思う。日本で果たしてこういった映画がメジャー作品として公開される日は来るのだろうか。
少し淡々としすぎ
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