ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書のレビュー・感想・評価
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調査報道と司法の健全性・独立性
日本でも、財務省のデータ偽装や防衛省の日報隠蔽がある昨今、
ベトナム戦争に関わる当該作品は、大変考えさせられる作品でした。
どこでも、権力者は情報を統制し隠蔽したがるものですが、
やはり、米国は健全な国です。
「報道の自由」というよりは、「正義感のある報道」に
心打たれました。
日本のメディアは、新聞特に朝日新聞は異なりますが、
TVは、うわべだけの報道が多く、
当該作品は、「調査報道」の必要性も訴えています。
また、「三権分立」と小学校で習うのに、
日本では、「原発に反対した裁判官が左遷させられる」など
内閣の暴走が強いのですが、
さすが米国!司法が健全に独立して機能している
と痛感しました。
ここ最近は、素晴らしい作品が続いています。
もちろん、当該作品も、満点の5点でした!
Michi
勇気ある決断
まったく内容についての予備知識なく見ました。
最初は夫が継いだ自分の父親の会社のオーナーになって、大きな決断をした女性の話。
私の世代の女性としては、おお!よくやった!すごい!
という感じでしょうか。
メリル・ストリープの洋服もとてもその時代を反映したもので、記事がシルクで柄が細かくてカラフルで、、ま、、まさに!おばあちゃんの時代の「よそいきの服や!」とか思ったり。楽しめるポイントが、細かいところでありました。
俳優陣もすごく味のある俳優さんがかためていて、よかったです。
ストーリーも、初めは「えーっと、、わからへん、、」だったのですが、途中から大筋がつかめてきて入り込んで見ていました。
終わりがわからなかったけど、、、
続編もあるのでしょうか?(終わり方の意味は、後でググって史実の意味を理解しました)
映画自体は内容は、すっきり!という感じした。
あと、印刷業のオフィスとかが素敵で、それも楽しめました。
アナログっていいなぁー!新聞紙イパーイ
暗闇の中では民主主義は死ぬのか?
ベトナム戦争の闇を暴露したワシントンポスト。
全社員が有罪になる可能性があった中での社主の判断は、報道の自由とは何かを鮮明に描いたものだった。
この直後にウォーターゲート事件で共和党の関与を暴き、ニクソン政権を退陣させたわけだが、真実を国民に知らせたワシントンポストの影響力は実に大きかっただろう。ポストは共和党に対する信頼がなくリベラル色が強すぎるのも、こうした一連の腐敗を見てきたからなのだろうと感じた。
メリル・ストリープはこの映画を通じて、トランプ政権に痛烈な批判を加えたいのだろうが、ニューヨークタイムズもポストもリベラルメディアも偏向報道の自由を行使している時点で、国民の信用を得られていないのも事実である。ワシントンポストは部数70万にも満たないローカル新聞であることからも分かるように。
国民に真実を伝えるための媒体であることを忘れてしまった人たちに見てほしい作品だ。
映画としては安定感があり、キャストも優れている。
ウォーターゲート事件の前の話
「私の兄はまだベトナムにいるの」
秀作
うまいなあ
一人の女性に焦点を当てた脚本が良い。
監督のスピルバーグはさすがにうまい。カメラワーク、エンディングへのもっていきかたなど。さすがだなあ、唸ってしまう。
メリルストリープ、トムハンクスもさすが。
ベターコールソウルのボブ・オデンカークがいい味出してくれてる。影の助演男優賞はこの人。
硬派なテーマだけど、ダイナミックに魅せる腕前は見事ですね。
時代考証がしっかりしているだけでなく、映像の色使いが意図的?に古い映画に寄せている?のか、まるで1970年の映画をリアルタイムで観ているようだ。細かいところが上手いですよ、スピルバーグさん。。
スピルバーグの作品は一回観れば十分なものが多いんですが、これは10年後にまた観てもいい作品かもしれない。
報道の自由を取り戻せ!(&物語の補足)
スピルバーグによる現代のトランプ政権への警鐘の意味も込めつつ作られた作品で、報道の自由に戦う経営者と編集長のお話です。役年齢の方が実年齢よりも若いメリル・ストリープとトム・ハンクスですが、与えられた役職(責任)や当時の疲労感を考えると2人の配役には納得&流石の演技で映画に引き込まれていきます。
映画の感想は短めにして、この映画を鑑賞した方にむけて私がわかる範囲で長文ですみませんが補足情報を書きたいと思います。
【映画補足】
まずは時系列の整理です。
映画でメインで描かれてるのは1971年6月です。
1964年:アメリカ、ベトナム戦争に介入
1971年:ペンタゴンペーパーズ&株式公開(IPO)
1972年:ウォーターゲート事件
次に補足です。
①この映画では政府に楯突いて新聞発行をすべきか悩むグラハムのシーンがあります。
このときグラハムは報道の自由との戦いだけでなく、IPOの難局時に銀行・証券筋との関係を悪化させる決断を下すことにも悩んでいるのです。ちょっと前まで4人の子育てをしてた都会育ちの金持ち主婦がこれだけの判断をするのがいかに頭を悩ませるか想像に難くないですよね。(実際に手がぶるぶる震えてるシーンがあります。)
※ポスト紙は信頼性と報道の質の高さが評価されますが、一方でこれら報道によって投資家たちはアメリカ政府から睨まれている新聞社という印象を持ち、以降数年間株価は実際の価値よりもかなり低く推移することとなります。ちなみにこの株価低迷を救ったのは大富豪ウォーレンバフェット。1973年に株式取得、以降役員としてグラハムを支え、現在のポスト紙に至る基盤作りに貢献しています。(現在は退任)
②ウォーターゲート事件の示唆があり映画は終わります。映画内でマクマナラ長官から「あいつは卑劣なやつ」と言われていた大統領のニクソンはこの事件を機に辞任に追い込まれます。そしてポスト紙はこの一連の報道でピューリッツァー賞を受賞し、ワシントンの地方新聞社から全国区の新聞社へと大きく成長していきます。
こんなところでしょうか。スピルバーグらしい作品でしたね。
スピルバーグ監督ならではの撮り方。
Let's go... let's go, let's go, let's go 報道とは?仕事とは?責任とは?
ベトナム戦争の隠蔽を報道するかどうか?その時ワシントン・ポストが取った行動は?という内容で、報道とは?仕事とは?責任とは?を語りかけてきます。こんな社会派な内容でも一級のエンターテイメントに仕上げるのは流石スピルバーグ監督ですね!正直、晩飯食べた後のレイトショーで眠気もあったのですが、映画が面白くって吹き飛びましたわ!
ベトナム戦争やウォーターゲート事件はもう歴史の教科書の話なのであまり実感は沸きませんが、きっと当時は大問題だったのでしょう。でも今作は当時のニクソン政権と現在のトランプ政権を分かりやすく被せてありますね。やー、いつの時代もアメリカって変わんないですね。だからこそ今の時代にこの作品を作る意義があったのでしょう。
メリル・ストリープ、最初はしゃべり方とかもお婆ちゃんな感じだったのですが、いつの間にかハッキリしてきて最後はホント格好いい。震えながらも掲載にゴーを出すシーンとか、娘に心情を吐露するシーンとか上手いですよね。スピルバーグ監督と仲良しのトム・ハンクス。抜群の安定感あります。ってかスピルバーグ監督×メリル・ストリープ×トム・ハンクスの布陣で面白くならない訳がないじゃない!!
しかし、仕事に情熱を持って取り組む人々の映画はいつの時代も熱い物がありますよね。いつの間にか「マスゴミ」と呼ばれる事が定着してしまった日本のマスメディアの方はこの作品に何を感じるのでしょうか?
泣いたぁ
久しぶりに涙が出ました。。何でこちらがアカデミー作品賞じゃなかったかしら。史実に基づいてるとは思えないほど、ハラハラドキドキで、こんな事実、ほんとに凄いって!
アメリカの若者はアメリカの負けを認めたくないために戦地へ赴くわけじゃない、自分の子供が、兄弟が今も戦争に行ってるさなかのこの衝撃の事実を記事にした新聞記者魂!ペンは剣よりも強し!
願わくば、裁判でメリルストリープ演じるケイの答弁が聞きたかったです。言いたいことは言ったわ的なことを裁判後に言ってたけど、めっちゃ気になりました。そんなシーン、メリルストリープにやらせたら、絶対泣けちゃうのに!
でも、素晴らしかったです。ウォーターゲート事件もやっちゃってください!!
見事な脚本と見事な芝居
マスメディアの意義を見る映画
前半はちょっと眠い。後半からはぐっと面白くなった。確かにベトナム戦争に関する国防文書を巡る話だけど、本題は表現の自由、報道の力、マスメディアの存在意義。そういう意味では邦題が残念。原題のままで良かったのに。
メリル・ストリープとトム・ハンクスはさすが。メリル・ストリープの重圧に押し潰されそうになりながらも決断を下すときの表情は絶妙。そりゃそうだよね、怖いよね。
新聞が信用されてるからなのか、国民性なのか、アメリカの新聞が世論を動かす熱量がスゴい。
日本には世論を動かすだけの力がマスメディアにあるだろうか。国民に政治に物申す熱量があるのだろうか。
国民が何も言わない国に、メディアが国家権力におもねる国が世界から一目置かれることなんてあり得ないんじゃないかな。
それにしても、ザ・シークレットマンはこの映画の後に観たかった!
事実と真実
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