劇場公開日 2018年3月30日

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「日本の報道機関もがんばれ!!!」ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5日本の報道機関もがんばれ!!!

2018年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

事実を下にした作品。

1971年に起きた、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」のスクープに関連する、ワシントン・ポストの発行人キャサリン・グラハムと編集主幹ベン・ブラッドリーの活躍を描いています。

この話が、【今の】アメリカで作られたのは、何らかの意図があるんでしょうか?当時のニクソン政権の悪辣さは、今の時代、詳らかになっていますが、現トランプ政権も、ニクソン政権と似た感じで、ホワイトハウスに権限を集中させて“仲良しだけによる”政治を推し進めようとしています。ニクソンの場合は、その悪辣さから、最終的には自滅して辞任に至ったわけですが、トランプの場合はどうなるんでしょうね?意外に思ったよりも長持ちしていると思うんですけどね。今年の中間選挙がどうなるか・・・。ますますアメリカ国内の分断が進むような気がして仕方ありませんが。

それともう一つ羨ましいのは、司法が機能していたと言う事。一審では被告(NYタイムズ)勝訴、連邦政府の上告を受けた控訴審では原告(アメリカ連邦政府)勝訴。そして、最終的な決着の場となった上告審の最高裁では、6対3と多数決で被告側(NYタイムズとワシントンポスト)の勝訴となったのは作品の通りですが、政府に与することなく、きちんと憲法の精神に則って判断したのは羨ましいです。もっとも、もしかしたら、ニクソンの前はJFKであったので、その際にリベラルな判事が任命されて、判事の優劣がリベラル優位になっていたのかもしれませんが、そこはちょっとわかりません。

あぁ、こんな新聞社が日本にもあったならば、今の安倍内閣の“麺類疑惑”は、もっと解明が進んでいたのではないかと思わずにはいられません。

最後ですが、これもなぁ“邦題あるある”ですね。だってさぁ、この作品が描いているのは、報道の自由を守り通そうとするワシントン・ポストな訳で、決して、ペンタゴン・ペーパーズじゃ無いんですよねぇ。だから、その“添え物”のペンタゴン・ペーパーズがタイトルのメインに来るのは違うんじゃないかと思います。そういう意味では、やっぱり原題は、しっくりきますね。

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勝手な評論家