タクシー運転手 約束は海を越えてのレビュー・感想・評価
全165件中、121~140件目を表示
知られたくないこと。それを伝える勇気
鉄砲で撃たれるって、どんな気分ですかね?。進むと、撃ち殺されるかも。それでも踏み出す勇気は、どこから捻出したら、いいのでしょう。
誰にでも、知られたくないことは、あるはず。それが国家レベルになると、納税者の血と引き換えになる。なぜかな?。不都合な真実が、報道されない時、私達は、どうしたらいいのかな?。
少しネタばれしますが、検問所にいた兵隊さん、トランクの中身に、何を託したのでしょう?。知られたくないことと、それを伝える勇気。今の私達にも、要求されている気がするのですが…。
名作「光州5・18」も、そんな名も無き勇者の思いがあってこそ、今に残すことができたのかも。ずいぶん重たいバトンを渡された気分です。このバトン、誰に渡せば、いいのかな。
人間として
韓国映画すごい
傑作です。
コメディ風のスタートから、後半の地獄絵図、そしてクライマックスへ。
これだけ深刻な問題を単なる史実再現や政治風刺ではなく、ちゃんとエンターテイメントとしてみせてくれた。
そして現在、まさにここに描かれたテーマに日本、そして世界が直面しているということも踏まえて、まさに今観るべき傑作だと思う。
ソン・ガンホをはじめ、役者陣の演技も素晴らしい。
所々で『靴』や『結ぶ』ことにスポットを当てる演出は、「バラバラではいけない」というメッセージなのかな。
クライマックス前の検問での軍人の対応など、ちゃんと種明かしせず、観客に投げかけてくるのもニクい。
上映館数、期間もおそらくもう残りわずか。こういう作品が場内ほぼ満席だったのは嬉しいこと。
人間同士がお互い相手にレッテルを貼り、傷付け合うことの愚かさをあらためて教えてくれた。
個人的には『ハクソーリッジ』の様に「もういい、お前はもう十分頑張ったよ。お前がここで命をかけても大勢は変わらないよ…。それでもやるのか…」と声を掛けたくなるシーンがツボなので、後半は涙が止まらなかった。
思い返す度に発見もあり、いっぱい語りたくなる作品。
是非劇場で観て欲しい。
自分の信念にどう正直に動くのか
見てよかった
笑えて泣ける
なかなか
今年前半に観るべき傑作のひとつ
個人的に今年1月~4月に映画館で観た作品は約100本あるが、本作はナンバーワン級である。
封切りの"新宿シネマート"は、マイナーアニメや韓国映画を主に上映している、新宿三丁目のジミな箱だが、その"シネマート"が超満員になっている。なんとも不思議な感覚であり、あまりの集客に、5月12日からは松竹系メジャー館である、"新宿ピカデリー"でも拡大公開が決まった。
シネマートらしく、もちろん韓国映画である。1980年5月に韓国南部の光州市で実際に起きた"光州事件"を描いているのだが、その描き方が変わっている。当時、事件を現場取材して世界に伝えたドイツ人記者と、その記者を乗客としてソウルから光州の現場まで送り届けたタクシー運転手の実話を基に、熱いヒューマンドラマに仕上げている。
いまから40年前の"光州事件"のきっかけは、全斗煥らのクーデターと金大中らの逮捕で、抗議活動を起こした学生デモから、約20万人の市民デモに発展した。それを政府軍が武力制圧し、多数の死傷者が出た事件である。
戒厳令下の政府軍は、通信規制や道路封鎖のみならず、テレビ局の封鎖や報道管制などで、光州事件自体をわい曲して伝えていた。
主人公のタクシー運転手マンソプは、ソウル市民であるため、光州事件の真実などそんな知るよしもない。ソウル市と光州市を往復するだけで、法外な謝礼金(10万ウォン)をもらえる送迎ドライブにのぞむ。
不純な動機で、危険な仕事を請け負うことになったタクシー運転手を韓国を代表するベテラン俳優、ソン・ガンホ。また外国人記者を「戦場のピアニスト」(2002)のトーマス・クレッチマンが演じている。
意外にも前半までは明るいコメディタッチで進み、やがて事態が明らかになるにつれ、深刻なシチュエーションが緊張感を高めて、サスペンス度合を高めていく。歴史的事件を扱った史実映画でありながら、再構成と創作されたコメディとサスペンス、アクションとヒューマンドラマを盛り込んだバランスのよい傑作だ。
シネマートのおかげで、ふだんから多くの韓国映画と触れ合うことができるが、多くの作品が描く韓国社会は、先輩絶対主義のデメリットばかりの儒教感覚、腐った政治家や財閥一家、金にまみれた一部のセレブ、他人事ながら病んだ環境に同情するばかり。
(2018/5/5/シネマート新宿/シネスコ/字幕翻訳:神田外語大学字幕制作チーム/字幕監修:本田恵子)
もっと公開館増やせよ。クソが!
映画のあるべき姿
韓国の名優ソン・ガンホ主演ということで、期待して見に行ったのですが、期待を大きく越える素晴らしい映画でした!映画って、本来こうあるべきだよなあと感じさせる、メッセージ性と娯楽性を兼ね備えた出来栄えだと思います。
1980年5月、私は高校生だったはずなのに、光州事件のことは殆ど知りませんでした。後年になって、韓流映画・ドラマに興味を持つようになり、多くの映画やドラマで取り上げられるほどの大事件を、なぜ隣国の高校生だった自分がよく知らないのだろう?と不思議に思っていたのですが、この映画を観て、その理由を理解することができました。
ソン・ガンホ演じる、子煩悩なタクシー運転手が、娘に会うためにドイツ人記者を光州に置いて、1人でソウルに戻ろうとする帰路で、光州で起きている惨状が嘘のように、平穏な町を通り過ぎながら、徐々に「ドイツ人記者が命がけで伝えようとしていることを見捨てて、自分だけソウルに戻ってしまって良いのか?」という葛藤に苛まれながら、町の食堂でうどんを食べるシーン、そしてタクシーを運転するシーンのソン・ガンホの演技に泣かされました。
韓国映画デビュー♬
韓国映画デビュー作品。
朝9:30からの回を観に行ったのに会場はお客さんでごった返すほどの人気作品。
なんでも韓国国内で1200万人以上の観客動員数を誇る韓国映画2017年一番のヒット作だとか。
それもそのはず。
なにこの映画。凄い…
韓国事情に明るくないあたしは光州事件の事は知らず。そんなあたしにでも事件について取っ付き易く、かつ分かりやすく伝えてくれた本作品。しかしその描き方がリアルで壮絶。
コメディタッチの導入部分は史実物が苦手な人にでも入り込みやすい作りになっていて、ストーリーが進むに連れて「あれ?なんか雰囲気がおかしいぞ?」と徐々に核心に近付いて行く過程はサスペンスのよう。
バスでバリケードが張られた軍政府vs市民の緊迫した場面で、怪我人を見殺しにできないと立ち上がるタクシー運転手のおっちゃん達。華麗な匍匐前進で人を救うその姿は韓国に兵役制があるから成せる技だな、と実感。日本で同じことが起きても、同じ気持ちでいたとしても、あの行動にはなかなか出られないはず。納得。
光州からソウルにピーターが無事に帰れるように軍からの追撃に対して防御壁となる運転手ドリームチーム。あの場面で「任せろ!」と笑顔で言えるユ・ヘジン演じるテスルさん。その強さに涙こみ上げる。
友情・倫理・家族愛・人間愛。
盛りだくさん過ぎる。
気持ちよ過ぎる。
是非多くの人に観てもらいたい作品♬
これまで戦争映画とか暴動・虐殺とかそういったテーマは観るのを避けがちだったけど、避けてる場合ぢゃない。世界をもっと知らなければ!という気にさせられた。
全165件中、121~140件目を表示