日日是好日のレビュー・感想・評価
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タイトルの本当の意味が明かされ、理解されたときに、私達には感動と共にカタルシスがもたらされます
素晴らしい映画に出会えた幸せを感じました
タイトルの意味を序盤に問いかけられます
そして冒頭いきなり豪速球でフェリーニの道を提示します
本作を見終わった時、私達にはその意味が感動とカタルシスを伴って伝わっているのです
冒頭の道が訳わからないという台詞と、腰越の浜でザンパノ!ザンパノ!とふざけているシーンと、終盤の強く降りしきる雨の中、同じ浜でありがとうござまーす!と泣きはらしながら何度も叫ぶシーン
それらが父の死によって一本の線に繋がります
その時私達のそれぞれの胸中で、フェリーニの道の終盤で渚に泣き伏せるザンパノの映像が、その感動の記憶と共に再生されているのです
それが感動の梃子となって、より一層大きく心を揺り動かされるのです
フェリーニの道を補助線として援用している凄まじい演出の計算です
そしてタイトルの本当の意味が明かされ、理解されたときに、私達には感動と共にカタルシスがもたらされます
1973年生まれの女性
バブル崩壊と共に就職氷河期に一番最初にぶち当たった世代
彼女達がそのような世相のなかで苦闘して生きてきた25年
その長い苦しみに満ちた年月が、一気に晴れ渡っていく、そのカタルシスなのです
稀代の名優樹木希林
次の世代を背負うと期待を集める黒木華、
そして多部未華子
日本映画の継承でもあったと思います
多部未華子との対比によって黒木華のキャラクターを最大限に引き出した配役は本当に見事だったと思います
それで?という重大なセリフは本作のテーマの一角を成すものでした
撮影、照明、録音の優秀さ、見事な仕事ぶり
それこそが本作を成功に導いた影の功労者であったと思います
希にみる傑作です!
長く時間をかけて意味が分かっていく映画かも知れません
時間を置いてまた観たい。
ひょんなことから始めた茶道を通じて人生の要所で色んなことに気付き成長していくお話。
「幼い頃に観たある映画がとてもつまらなかった」という主人公の台詞がとても印象的だった。
その後の台詞に「改めて見返すと面白かった」と言っていたように、時間や歳を重ねると見方が変わり「あの頃のあの気持ちってなんだったんだ?」と思うことがよくある。
この作品もまた何年後かに観ると違った感情に出会えるかもしれない、そう思える映画でした。
レビュー
二十四節気それぞれの着物、お菓子、お庭などを楽しめる日本ならではの映画でした🦊
実体験の原作だけに、ストーリーは淡々としていますが、映像として、かなり楽しめました✨
そしてなにより、樹木希林さんの演技には完全にやられました😇
ただただ いまと向き合う
悲しみも 喜びも ただただ目の前の気持ちのありようとしてそれを感じる。風も雨も草木のそよぐさまも生き物としての知覚で感じる。気持ちのありようもまた同じ。そういう捉え方を無理なく受け入れられる自分は紛れもなく日本人だというそれは 監督の言うところの時間をかけてわかってくることに違いないと思った。フェリーニのお話は人間としての普遍性ヘの拡がりを意図していたのでしょうか。個人的には日本的という落とし方でも充分に伝わったと思いました。
表千家で茶道を学んでいた人たちの同窓会映画、っていう趣でしょうか。
映画館に来ていた観客層が、平均的な映画ファンと比べるとかなり年齢層が高かったようで、私語も多く、「そうそう、あるある」というニュアンスの声があちこちから聞かれました。
彼女たちが、表千家の授業そのものを懐かしく思い出し、若かった頃のエピソードを賦活させられる、そういう映画です。
あいにく、私は茶道を学んだことがないものですから、周囲の人たちのような感興を感じることはできませんでしたが、この静かなリアクションに接し、新鮮なものを感じました。
それ以上には、特に何もない映画です。
観ていて感じた根本的な疑問がひとつ。
茶道をする人たちの大多数が女性であるのは、いったいなぜなんだろうという点です。
茶道は始祖も中興の祖もその他有名どころはみんな男性だったのに、映画の中で描かれていた生徒さんたちを含め、全員が女性だというのは、一体全体、なぜなんでしょうね。
なにか、どこかで「お茶業界」は根源的な過ちをしてしまったのではないかと思うのです。
その過ちがどんな点なのか、今すぐ言語化することができないのが、歯がゆいのですが……。
ステキな作品 日日是好日
こういう作品もあるのかと気付かされました。
そして心の洗濯ができた気がします。
いい作品と言うのは興行収入や、個人の好みだけではないのだ。
スタッフと俳優陣が目指したのは露骨な売れ線ではなく、和の世界を茶道を通じでとことん見せる事に拘ったんだなぁと胸に迫りました。
決して喜怒哀楽が出るわけでもなく、ストーリーの展開を予想するのでもなく、とにかく日本の美しさ「和」を一つ一つ噛みしめられました。
ホントに良かったです❗️
この作品には男性が2人。
鶴見辰吾さんと黒木華さんの弟役。
あとは全部女性でしたね。
やはり茶道の世界は女性が多いのかな?
所作が美しい人って言うのは素敵です。
羨ましくも思います。
エピソードを何年何月と見せず、二十四節気で進めていくところが雰囲気を高めます。
日本の心
頭で考えるのではなく体感を研ぎ澄ます茶道。
四季の移り変わりや年中行事に合わせた茶の道は今日と言う一日を大切にする心が養われる。
所作の美しさや心のゆとり、日本人ならではのおもてなしの心が沢山詰まった映画。
樹木希林さんがとても素敵でした。
同じ事が繰り返し行える事って幸せなんだと言ってましたが、歳を重ねる毎に心からそうだと実感します。
今日と言う日を大切に過ごしたい。
〝日日是好日〟
あす何が起こるかわからない…茶道の映画でそれを実感するとは。
どんなに最初わからなくても、ぎこちなくても、何かを地道に続ければわかってくることもある。
普段が飽き性で、すぐに結果や理由を求めてしまう自分には最初耳に痛い言葉もちらほら。
のりこが水やお湯の音を聞き分けた頃から、観る側も少しずつ視点が変わる。
雨の日は雨の日を、雪の日は雪を、身を切る寒さを、そのままを受けとめ、感じる。
人生経験のまだまだ浅い自分には、言葉の意図はわかれどまだ腹に落ちてまではいないかもしれないが、人生における全てを、そうして受け入れていくものなのだろうなぁと思う。
あまりに普通の女の子で、自分と重なるところがあり、父親の死は、まるで「まだまだ先のこと」とそんなこと考えてもいなかった自分に、晴天の霹靂のように突き刺さった。
大切な人が、いつその場から姿を消すかしれない。
その時に後悔しないよう、もう少し顔をみせたり、親孝行しようと、この歳になって、この映画をみて初めて心の底から感じました。
私にとってはこのタイミングだったんだな。
毎日がいい日
日本伝統の良さを感じられる作品。
音を視覚でも感じられるような映画ならではの素敵な演出。
雨の音、お茶を立てる音など当たり前だけど見逃してしまいそうな音、そしてそんな日常を教えてくれる気がした。
日日是好日、一期一会、こういう言葉を大切にできる人になりたい。
大人な映画
人生について
幸せはその人次第
映画も観るタイミングで印象が変わるよね。
感覚を研ぎ澄ますと敏感になる。
敏感だと要らぬ事が気になりそう💦
キャストが良かった。
樹木希林さんも黒木華さんも。
10年後観たら印象が違うだろうなぁ😃
日本の四季の素晴らしさに改めて気付ける
形式ばかりで何故そんな作法が必要なのか?
その良さはその道に入らないとわからない。
昔、書家の書かれた文字の良さが全くわからなかったけれど、
書道を少し学んだらその良さが分かるようになった経験がある。
また、たとえ良さまでは分からずとも、
所作の美しさはどんな人が見ても目を奪われる。
たった1時間40分の短い映画だったけれど、
とても贅沢な時間を過ごした気になりました。
お湯の温度、器、掛け軸、お茶菓子、着物・・・
日本人は四季を大切にし五感を使って味わい尽くす。
なんと貪欲でいて優雅なんだろう。
私もまた、明日から五感を使って日々を味わいたい。
ゆっくりと呼吸ができる映画
この映画を見てる間、時間がゆっくり流れてるような気がした。
これはおそらく気のせいじゃなくて本当に普段よりゆったりと画面を眺めていた。
山場と呼べるような起伏はあまりなく、でもセリフや出来事が心に入ってくる。
茶道という世界をあまりに知らなかった私は黒木華の演じる主人公を笑えなかったし、樹木希林さん演じる先生をちょっと厳しいなと感じてしまうのだ。
そんな自分を主人公に投影しながら見ていた。
茶道の空気感、多種多様に聞こえる音、セリフのない時間をいかに楽しめるかにかかっている。
あれだけ俳優を喋らせずに画面を持たすのは、女優の方々の演技力の成せる技。
唯一残念なことがあるとすれば、ラストに次は100歳かと笑っていたあの樹木希林さんをもう新たに見れないということだ。
樹木希林最後の大作
唯一無二の名優樹木希林のメジャー作品としては最後の作品となりました。大森監督は黒木華と初タッグですが樹木希林とも最初で最後のタッグになりました。
青春映画のイメージがある大森監督ですが、こういった茶道教室を舞台としたしっとりとした作品も巧みに作り上げている。落ち着いた上質な作品です。よそ行き感なく大森監督新境地?ではないでしょうか。
四季。
茶道。お茶を通して日常また季節を感じます。
お茶の入れ方、動きなど所作を教わります。
これらを自然に身に付くまでには何年もかかります。お茶を入れるまでの時間は気持ちを落ち着かせるために必要な時間なのかもしれません。お茶を頂く人にとっても同じです。
春。夏。秋。冬とお茶の入れ方が変わります。
お湯の温度が変わるのです。
色々と初めて知ることがありました。
季節の吉備を楽しむことが幸せに感じます。
器にしても干支の絵が絵描かれて12年に1度しか使われなかったりします。
黒木華と樹木希林が織りなす話です。
黒木のゆったりとした仕草や表情がよかった。着物姿も。
樹木希林も自然な所作や言葉の柔らかさが常に身についていたものなのかなぁ。と思いました。
茶道を通して
季節を感じとる映画でした。
樹木希林さんと黒木華さんに救われた映画
なんだろう、この深みがあるようでない映画の余韻。樹木希林さん、黒木華さんがいなければ全くの凡作となっていただろう。この監督の人生観というか哲学が薄っぺらいからなのか。どうせなら是枝さんにつくって欲しかったな。
人生は実にシンプルな出来事の連続なのだな。
その道を習得するのはどういうことなのか?
そう、分かりやすく言えば学習の意味とは・・・・
目で見る→脳が感じる→行動する。
これを何度も何度も繰り返し、頭で考えなくても身体が自然に動くまでやることなのだ。
目で見えたものをそのまま感じることなのだ。
頭も含めた身体全体で感じることが大事なんだ。
感じるまで見続け、感じるまで聞き続ける。
何故学ぶのか。それは何のために学ぶのかと聞くことと同じこと。
これほど愚かしい質問はない。
目の前にやるべきことがあればそれをやり遂げるだけでいいのだ。
樹木希林が最後の最後までスクリーンから語り掛けてくれているようだった。
生き続ける
初めは何か台詞も浮いてるように思えたし、
女子同士の上辺だけの会話に
最後まで観れるか心配だったけど、
ラストには何者になれなかった、
僕みたいな普通の人の何もない普通の日々を
幸せに思える良い映画だったなと思えました。
樹木希林さんの台詞をするのもしんどそうな息遣いに、
だけど、俳優さんってこうやって作品の中で永遠に
生き続けるのだなと思いました。
樹木希林さんから黒木華さんへ日本映画を託したかのように
思える作品でした。
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