日日是好日のレビュー・感想・評価
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樹木希林さんのための映画
樹木希林さんの偉大さを再認識。
物語がまさに樹木希林さんのための映画。
ひょうひょうとして、演技なのかアドリブなのか分からない、さらりとした優しさ。
役を演じていると言うよりは、本人役で出演しているような、樹木希林さんにあ手書きされたような感覚です。
どの役でも全て樹木希林さんになる不思議な女優さんで、最高にかっこいいかった。
この映画を観ながら、樹木希林さん以外が演じると全く違う映画になるのだろうと思いました。本当に貴重な女優さんが亡くなったのだと、しみじみ感じてしまいます。
もちろん、黒木華さんも良かった。リップヴァンウィンクルの花嫁の時とのような、不器用で弱い女性に見えて、芯がしっかりしているハマり役かと。
茶道の物語だからか、四季の演出がとても美しい。セリフもなく音楽もなく、ただ、風の音、雨の音、波の音だけの間が気持ちかった。
物語の中では、樹木希林さんこつぶやきや仕草や掛け軸で、優しく勇気づけるシーンが良かった。さり気ないい優しさにグッときました。
詳しくはいいませんが、樹木希林さんこ「今までありがとう」という台詞には号泣。全身がんを宣言していた樹木希林さんが、自らの死期を知っていたかのようなセリフでした。
樹木希林さんのことなので、セリフじゃなくてアドリブだったのかも知れませんね。
派手な映画ではないので、万人受けするか分かりませんが、とても大好きな映画になりました。
前半少し眠くなるよ
樹木希林さん、黒木華さんの芝居が見事でした。
物語は人生はたとえ運がなくても毎日の普通がありがたいこと、、それを教えてくれます。
でも軸が弱いので全面納得ではなかった。
言いたいことはわかります。
樹木希林さんの話術が素晴らしい。
和菓子だけじゃないお茶の友が見たかった。
ビーフシチュー、バナナでも良かったのにね、、ざる蕎麦ズルズルでも良かったな。
でも何度も見たいとは思えない。
だって樹木希林さんが、、おいしいお茶を飲みに来ればいいじゃないのって言ってるけど、それを言っちゃオシメーヨ。
抹茶って青汁みたいで不味いものです
樹木希林さんの温もりが、 もう懐かしい(T ^ T) ストーリー的...
樹木希林さんの温もりが、
もう懐かしい(T ^ T)
ストーリー的に感動とかは無かったです
けど、
訳の分からない所作
実は意味が深かった掛け軸など...
話してくれる先生の言葉がすごく沁みました
樹木希林さんの息遣いとか声のトーンが本当に素晴らしいです
私も今は人に教える立場になり、迷う事が多くて
接し方や考え方の参考にさせて頂こうと思いました
美しい
主に、90年代の日本が舞台だから、フラワーロックを小道具で使われたり、茶器や掛け軸や、二十四節気で時間の移ろいを感じさせ、単純に映像も美しいし、描写も脚本も演出も良かった。質の良いフランス映画に似て、哲学を学べる素晴らしい作品で、帰り道は少し頭が良くなった気がする。
黒木華さんには悪いけど、これ、希林さんの映画だね!
全体に樹木希林さん(武田先生ではなく!)の優しさと厳しさが滲み出ている映画だと思います。あらためて哀悼の意を表します。
ネタバレのない程度に。
• 頭で覚えようとしても身につかない!体で覚えると、自然に手が動く。
• 今日また同じことができているということは幸せだと言うことではないか。
• 教えることをしなさい!教えることで教わることが たくさん あります。
• 不苦者有智
多部ちゃんと黒木さんがキャッキャウフフ
してるの混ざりたい。
先行上映にて。原作未読。
すごい事件が起こるわけではないが、四季の変化や主人公が年齢を重ねていく様が、ゆったりした空気感で描写される。
茶道に限ったことではないので「体が覚えている」はよくわかる。
そしてさすがの樹木希林。合掌。
日本人の醍醐味
ほとんど樹木希林さんと黒木華さんが茶室で対面してる場面ですが、季節の移り変わりを和菓子と掛け軸の変化で表して四季のある日本に生まれてつくづくよかったと実感する映画です。言うまでもなく樹木希林さんの十分に重みのある、でも自然な演技、本当に日本映画界は大きな財産を失ってしまったと思います。黒木さん、多部さんもとても味わいのある演技で、ゆったり、まったりほのぼの観られて心地よい余韻の残る素敵な作品です。個人的には鶴見辰吾さんが黒木さんのお父さんか〜って感慨深いものがありましたね。金八先生での当時のインパクトが懐かしく思い出されます。戌年からふた回りを経て黒木さん演じる主人公の新たな挑戦を暖かく見守りたくなりました。
本当に残念な感じのお茶の映画だった
自分の居場所を見つけるのに24年掛けた女性の話。でも、薄----いんだこれが。
かつ、お茶の映画。これまた、薄いーーーーーーー。否、浅いか。
樹木希林さんの所だけ大気圏外。四季折々の風情を伝える映像はかろうじて美しけり、という映画で、眠らなかった自分を褒めたくなるし、比較的大きな寝息を立てていた、後ろの方のお父さんの気分も良く分かる映画でした。
毎日毎日の小さな幸せを見落として生きている人たちに、お茶の世界を通じ、こんな風に生きてみませんか?って説いてる映画なんだろうと思うが、これじゃ通じない、って思いました。それは、物語を構成する「お茶の世界」「主人公女性の生き方」の両者の描写が共に浅くて薄いからだと思う。
(追記)
「自己を研ぎ澄ます」。日本の文化・芸能・武道などに身を置く者に求められる精神です。黒木華、全然ダメでしょ。才能あるとか無いとか、いつまでも言ってる。この子のお茶は24年経っても「習い事」です。
四季は肌で、体で感じる。雨は音だけじゃ無い。傘を差して「外」を歩けば、重さと温度が季節を教えてくれる。
矢張り、どの様に眺め様が浅いと思うのだが、この映画。軽くコミカルな表現も三声和音のピアノとか子供っぽいだけでしょ。
希林さんと彼女の着物とお茶菓子の三点は良かった。
心を充たす
茶道の面倒くささ、とその中から今を生きる大切にさを体で覚えていく。
やはり希林さんは素晴らしい。
人生の厚み、生きてきた道が見えるような茶道家に佇まいに出来ている、一言、一言が胸に染みてくる。
いつやめてもいい、ただ美味しいお茶を飲みにくる、それでいい。難しく考えることはない、
「今」を大切に生ければ自ずと拓けていくのだと、そう教わった気がした。
心がなんか落ち着きます。
茶道と言う文化はもちろん知っていても、それに触れる機会は限りなく少ないし、正直そんな時間も無いw
でも、茶道に限らず、習い事をするのは何処か自分に向き合う事でいろんな事を気が付かされる訳ですから、出来ればそんな時間を作る事を大切にしたい。
心が穏やかになるだろうなぁと思って、観賞しましたが、予想通り心が穏やかになりました。
樹木希林さんが亡くなられたと言う直前のニュース性で観るだけでなく、個人的にも沢山の人に観て欲しい作品かなと思います。
ふとした切っ掛けでお茶を習い始めた典子に共感出来るし、そんなちょっとした切っ掛けで習い始めたお茶の世界が自身の人生に大切な何かを教えてくれる。
なんか羨ましい。自分も習い事をしておけば良かったかなと思います。
樹木希林さん演じる武田先生、素晴らしいです。
凛とした中にユーモアがあって、こう言う人を師匠に持ちたいと思いました。
茶道を習うと言うのは何処かリッチで生活にも精神的にも余裕がある人達と思っていても、実はそういう時間を持つ事が大切な事なんですよね。
貧乏でも心を豊かにする大切さ。
雨が降れば嫌だなぁと思うのではなく、雨降りを楽しめる事何かを見つければ良い訳ですと気が付かされる。出来そうで出来ない感じではありますが、ちょっと霧が晴れた感じがしました。
タイトルの日日是好日。とても大切な事なんですが、なかなかそこまで自分に向き合う事が出来ない俗物な自分ですw
でも、心が穏やかになれる。本当にお茶の様なしみじみとした良い映画かなと思います♪
”すぐわからないもの”を感じさせる普遍的な空気感
樹木希林。「モリのいる場所」、「万引き家族」に続いて、今年はこれで3本目。最後の最後まで現役女優を貫いた生き様であった。
3連休に合わせた1週間前倒し公開は、ある意味で"便乗"だが、映画が興行である以上、いそいそと通って、故人をしのぶこともまた供養。館内も故人きっかけで話に花が咲く。
とはいえ、本作の主演は樹木希林ではなく、黒木華だ。希林さんの訃報がなければ、映画ファンとしては、"黒木華×大森立嗣監督"の初タッグが見どころである。あらゆる映画監督が皆、ラブコールを送る女優である。むしろ樹木希林さんのほうが、黒木華主演のオファーに引き込まれたとしても不思議はない。
本作は、森下典子のエッセイ「日日是好日『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」を原作としたもの。作者の25年にわたる茶道経験を綴ったものだ。
ふつうの女学生・典子(黒木華)は、従妹の何気ない一言から二十歳で茶道教室に入門する。そこから就活・恋愛・失恋・従妹の結婚・独立・家族との別れ…人生を通して変わっていく自分をとりまく環境と、変わっていないようで変わっていく茶道が教えてくれる人生への気づきが、静かに淡々と語られる。
かしこまったイメージのある伝統文化の"習い事"には、つい身構えてしまいそうになる。しかし長い時間をかけて完成された様式美は、日々の暮らしに寄り添ったものであることを初心者に易しく、ときにコミカルに描かれる。
エッセイ集の忠実な実写化ということもあり、主人公・典子のモノローグが大半を占める。セリフは最小限で、茶道のシーンも無言であることが多く、そのぶん、"間(ま)"や"空気感"が際立ち、季節の移り変わりに伴う、"自然界の音"が重要な要素となっている。
静寂を楽しみたいと思うと、普段はまったく気にならない空調(館内エアコン)の音が気になるほどだ。季節外れの真夏日が恨めしい。
印象深いのは、季節とともに変わっていく、茶室の庭、掛け軸(の文字と絵)、着物、お茶菓子、雨の音などの変化。脚本も自身で担当する大森立嗣監督だが、セリフではなく、役者の所作と季節を捉えた画で見せる作品となっている。
そんな中で、黒木華はずっと出ている。茶道の初心者だった女学生が、手慣れた経験者になるまでの時間を演じる。
いつもは余裕さえ感じる黒木華の演技だが、40代だけは少々厳しかった。着物やかつらだけではごまかせない、肌はまだ若々しいしね(特殊メイクすることまでは及ばなかったのだろうか)。
対して、茶道教室の武田先生役を演じる樹木希林はさすがである。歳を重ねるほどに身体は小さく丸まり、動きはゆっくりとなる。なんとまあ。
自身の魅力であるひょうひょうとした滑稽さも出しながら、演技を達観した自然体に見える所作は、安心して観ていられる。大森監督の意図した仕掛けもあるだろうが、なにげなく金言を漏らす役柄は、樹木希林そのもの。
茶道でもっとも有名な言葉「一期一会」や、タイトルの「日日是好日」など、この作品には様々な名言が多く登場する。なかでも本作をいい表わす印象的なフレーズも出てくる。
「世の中には、"すぐわかるもの"と、"すぐわからないもの"の2種類がある。‥‥すぐにわからないものは、長い時間をかけて、少しずつ気づいて、わかってくる」。
じんわりとしみ込んでくる言葉である。
(2018/10/6/シネスイッチ銀座/シネスコ)
涙の一歩前の何か、
茶道に始まり茶道に終わる、地味なつくり、と事前に思っていたが、劇場で見てみると、映像と言葉を超えた奥深さを伝えようとしている。この難しいタイトルの意味は何か、毎日が良い日、とは、今を大切に日々生き、感動を持つことか。映画のメッセージと亡樹木希林の生き方が被る記憶に残る映画だった。
「今」を味わう
黒木華さん、多部未華子さん、樹木希林さんといった、演技派のキャストが揃っており、登場人物が皆、生き生きと表現されていてとても魅力的でした。
中でもやはり希林さんの演じる武田先生は素晴らしく、彼女が発する一言一言が、まっすぐに心に響いてきました。
私が感じたこの作品のテーマは「今を味わって生きる」というものでした。
明日、どんなことがあるか分からない。突然、大切な人がいなくなるかもしれない。
でもそんなことでくよくよしても仕方がない。私たちにできることは今を大切に生きることだけだ。
「雨の日は雨を聞く。雪の日は雪を見て、夏には夏の暑さを、冬は身の切れるような寒さを。五感を使って、全身で、その瞬間を味わう。」
茶室はそんな瑞々しい「今」を味わうのに1番の場所だったのかもしれません。
未来は「今」の積み重ねで出来ているということを忘れないでいたいと思いました。
日本人でよかった。
日本映画界は、本当に惜しい人を亡くしてしまいました。最後の最後まで本用に素敵な役を演じられる方でした・・・あぁ、涙が・・・。
映画として、もとても素敵な映画でした!日本人で本当に本当に良かった。
あと、華さんが超絶可愛かった。
諸行無常と一期一会
一期一会。利休以来の茶の湯の真髄を示す言葉だ。その日その時その場所での邂逅を喜び、堪能するのがお茶の心であり、それはとりもなおさず人生の楽しみでもある。この言葉は映画の中の台詞にも出てくる。
諸行無常。平家物語の最初に出てくるこの言葉は、時代の移り変わりと人の栄枯盛衰をたった四文字でいみじくも表現している。さすがにこの言葉は台詞としては出てこないが、登場人物それぞれの物語ひとつひとつを語る黒木華のナレーションには、諸行無常の響きがある。
この作品には、二つの四字熟語をひとつのドラマで描いたような、深い味わいがある。茶道の映画だけあって、シーンの大半は茶室が舞台であるが、二十四節季に合わせて掛け替えられる掛け軸と、気候に合わせて供せられるお茶菓子のひとつひとつには、見るたびにハッと気づかされるような繊細なセンスがあり、それぞれのシーンの楽しみにもなっている。唯一変わらないのが「日日是好日」という書で、決して掛け替えられることはない。掛け替えのない言葉なのだ。
世の中では、茶室がその後茶の間と呼ばれて家族が季節を愛でたり気持ちを交わしたりする部屋となったが、いつの間にかテレビを見る場所になり、そして今では茶の間という言葉さえ死語になりつつある。それもこれも諸行無常だが、日日是好日という一期一会の感性は、これからも受け継がれていくだろう。
樹木希林の演技は、もはや何も言うことがない。芭蕉にとっての松島のように、映画の樹木希林は、樹木希林なのであった。
黒木華は、決して美人ではないが大和撫子らしい奥ゆかしさと清々しさがある主人公を十分に演じた。先に形を作って後から心を入れていけばいいという、とても分かりにくい師匠の教えを、鵜呑みにもしなければ頭から否定もしない。答えを出す代わりに、年月を経て彼女なりの所作、彼女なりのお茶を見つけていく様子が、美しい四季の映像とともに描かれ、心が洗われるように涙が止まらなかった。
大森立嗣監督は、三浦しをん原作の「光」でその独特の世界観を披露していた。不協和音の演出は賛否両論だったが、多分どうしても心の中のカオスを表現するのに必要だったのだろう。本作品でも海に浮かぶ父親のイリュージョンに対して絶叫する不思議なシーンがあった。大和撫子の心の中にも闇はあるのだ。
嗚咽して号泣して涙と一緒に闇が流れたとき、再びお茶を楽しむ日常が戻ってくる。日日是好日。本当に素晴らしい映画だった。
希林さんに会いたくて
先行上映に行ってきた。
弟子から慕われる、凛として上品な、そして優しいお茶の先生がぴったりはまっていました。
狡くて小汚なく、されど逞しいババアこそ希林さんの真骨頂とは思うが、この遺作の希林さんも素敵でした。
ありがとうございました。合掌。
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