ゴーギャン タヒチ、楽園への旅

劇場公開日:

ゴーギャン タヒチ、楽園への旅

解説

19世紀フランスを代表する画家ゴーギャンの知られざる創作の秘密やタヒチでの愛と苦悩の日々を、「ブラック・スワン」のバンサン・カッセル主演で描いた伝記ドラマ。パリで株式仲買人として働きながら、趣味で絵を描きはじめたゴーギャン。しかし1882年にパリの株式市場が大暴落すると、それまでの裕福な生活は一変。ゴーギャンは絵画を本業にしようと考えるが生活は困窮し、妻や子どもたちと別れることになってしまう。わずかな資金を手にタヒチへ渡ったゴーギャンはすっかりその地に魅了され、現地の美女テフラと結婚する。ところが資金が底をつくと再び極貧生活に陥り、テフラの愛情も離れていってしまう。

2017年製作/102分/R15+/フランス
原題または英題:Gauguin - Voyage de Tahiti
配給:プレシディオ
劇場公開日:2018年1月27日

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映画レビュー

4.5ゴーギャンが夢見た理想の敗北記。

2018年1月29日
PCから投稿

知的

ゴーギャンという画家は株の仲介人で成功し、絵画の売買を始めたことで趣味として絵を描くようになり、画家の友人に褒められて(おだてられて?)中年になって画家を志した。当時5人の子供がいたというのだから相当リスキーな道を選んだというしかない。

本作は、そんなゴーギャンが赤貧と誰の尊敬も勝ち得ない現実に嫌気が差して南の島タヒチに逃亡する物語だ。いや、逃亡と言うと本人は怒るだろうが、タヒチを選んだのはたまたまフランス領だったからで、フランス語が通じるタヒチで「西洋化されていてつまらん!」と怒るのだから随分勝手な話である。

実際のゴーギャンはタヒチでの経験を糧にそれなりの成功も収めるのだが、本作は身勝手な理想が現実の壁の前に崩れ去っていく様を描いていて、そのまま西洋文明が辺境を征服していく時代背景とシンクロする。テレンス・マリックの『ニュー・ワールド』のような美しくも哀しい歴史絵巻だと思った。

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村山章

3.0文明と芸術の関係について

2018年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

ポスト印象派の代表的画家、ゴーギャンのタヒチへの放浪を描いたドラマ。原案はゴーギャン自身が書いた伝記『ノア・ノア』だそうだが、映画化にあたって脚色はされている。

パリの文化を退廃的に描き、大自然と土着の文明が残るタヒチを人間の真実を見られる場所として描いているが、それがゴーギャンの世界の見方だったのだろう。

しかし、そんなタヒチは当時、フランスの植民地であり、どんどん西欧文明が侵食していく。芸術家として理想の土地を見つけた喜びとそれが自らの出身地によって侵されていく様に憤る様子が丹念に描かれている。

現地の若者に、ゴーギャンが彫刻を教えて、その若者が西洋人相手に彫刻を売り始めるのが象徴的だ。ゴーギャン自身で、理想とした文明を壊すことに、知らずのうちに加担してしまう。

ヴァンサン・カッセルが野性味あふれるゴーギャンを熱演している。いつもよりもかなり体重を落としてなかなかに見違えている。芸術と文明の関係について考えさせられる一作。

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杉本穂高

3.0芸術家への偏見を補強できる稀有な作品

2024年3月12日
PCから投稿

芸術家って気難しそう。
自分の興味にしか関心を持ってなさそう。
現実的なことを考えられなさそう。
自身の芸術が他の全てに優先されると思ってそう。
などと、「芸術家」への偏ったイメージは多い。
主にマイナス面で。

この作品はそんなクソ偏見をド直球に肯定するかのようなマジでダメな芸術家ゴーギャンを余すことなく見せてくれる。
スティーブ・ジョブズのド畜生ぶりをオブラートに包むことなく見せつけてくれたあの映画のよう。

タヒチの自然やその雰囲気は映像からはあまり多く感じられず、フランス領として文明に押し流されてつつあるタヒチの経過かのようにも見えた。
非常に常識的な客観的視点で描かれており、彼自身の芸術性についてはかなり控えめなような気がする。
私自身がレンブラントのような写実的で独自性のある表現をする絵画が好きなのでゴーギャンの作品の芸術性については解像度が低いのもあるやも。

ゴーギャン作品が好みの人にとっては彼の創造性がどのように積み上げられたものなのかの一端を知る手がかりになって面白いと思う。

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昭和ヒヨコッコ砲

2.0画家の伝記映画って、、、

2022年7月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

画家の伝記映画って退屈な作品が多いと思うのだけれど、それは僕が芸術的センスがないからでしょうか?
あまり共感できず。

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光陽

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