「テレビスペシャル感がもったいない良作」マスカレード・ホテル コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
テレビスペシャル感がもったいない良作
東野圭吾のあの情報量を、よく落とし込んだな、というのがシナリオや演出、フィルム全体に対する率直な驚き。
よくできてました。
(トリックに無理があるのもそのまま出ちゃったけど)
また、長澤まさみの良さがクローズアップされるな、と思いつつ、この最近のぐっと良くなったキムタクが見られてよかったな、と。
『武士の一分』(2006)『HERO』(2007)の時は、優れた演出家であっても、「何をやってもキムタク」感をぬぐえないという印象だったんですが、あれって下手とか大根じゃなく、蜷川幸雄の影響が強かったんだなあ、と藤原竜也の演技を見て思い直し。
(『シュート』や、舞台『聖闘士星矢』の頃は明確に大根、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は、監督演出がアレでしたけれども)
『無限の住人』(2017)『検察側の罪人』(2018)で、キムタクいいじゃん!と思った私でした。
キャストの豪華さが、すごくフジテレビくさく、逆にテレビスペシャル感を醸し出してしまった。
脇役が主張し過ぎて、「オールスター隠し芸大会」臭が出るのです。
しっかりした味の食材を使い過ぎて、スープの味がボケたラーメンみたい。
モデルとなった日本橋「ロイヤルパークホテル」を、まんま使うわけにはいかなかったようで、ホテル外観にVFXが使われていたのですけれども、これの画質がいかにもCGすぎて、興ざめしちゃうのも含めて、画面の作り方がチープ。
金の掛け方のチグハグ感もあり。
「もったいない」の一言。
いや、フジテレビクオリティというべきか。
映画ってより、テレビドラマのSP1話なのよね。
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