星めぐりの町
劇場公開日:2018年1月27日
解説
映画、ドラマなどで50年以上にわたり活躍する名優・小林稔侍の映画初主演作。早くに妻を亡くし、娘の志保と2人で暮らす島田勇作。豆腐屋を営む勇作は毎朝、手間と時間をかけて作った豆腐を近所の主婦や料理屋に届ける生活を続けていた。ある日、勇作のもとに亡き妻の遠縁にあたる少年・政美がやって来る。東日本大震災での津波により家族全員を失い、心に傷を負った政美を勇作はただ静かに見守り続け、政美は自然に根ざした勇作との暮らしから少しずつ心を再生させていった。そんなある日、勇作が配達に出ている最中、町を大きな揺れが襲った。1人で留守番をしていた政美は震災の恐怖がよみがえり、忽然と姿を消してしまう。小林が主人公の勇作を演じ、志保役の壇蜜のほか、高島礼子、平田満、六平直政、神戸浩らが脇を固める。監督、脚本は「蝉しぐれ」の黒土三男。
2018年製作/108分/G/日本
配給:ファントム・フィルム
スタッフ・キャスト
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2018年1月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
舞台は愛知県豊田市。豊田市と言えばもちろんトヨタの企業城下町で、工業住宅都市なのだろうと思いきや、豊かな自然が残っていて、良い意味で予想を裏切られた。
大ベテランの小林稔侍が映画初主演というのも意外。頑固で恐い豆腐職人かと思いきや、割と優しいキャラクター。震災で家族全員を失って心を閉ざした遠縁の少年を預かり、その少年と徐々に距離を縮めていく過程が物語の主軸になる。
変だなと思ったエピソード。少年のが留守番中に地震があり、震災を思い出した少年が家を飛び出し行方不明に。稔侍が帰宅して少年の不在を知り、その後町民総出で捜索する場面が続き、見つからないまま夜に。そこで稔侍が「男は一人で乗り越えなければならない時がある」みたいなことを言うんだけど、捜索願い出したのあんたでしょうよ。一人で乗り越えさせたいなら、捜索願い必要ないし、町民がいい迷惑。脚本が甘いところもあるが、人情系でほのぼのする。
2021年3月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
父娘2人の家に震災孤児がやってきた。泣く準備は完璧だった…が、全く泣けなかった。
肝心の少年孤児の描写がいただけず。これでは震災によるトラウマではなく、別の病気である。
壇蜜が頑張っていた。感想はただ1つ、壇蜜のバイクの後ろに乗りたい。でも壇蜜、バイク乗れないんだろうな、きっと(笑)
東北大震災というより豊田を描きたかったような感じ。
J:COM鑑賞
2020年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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映画「星めぐりの町」(黒土三男監督)から。
作品の中に「東日本大震災での津波により家族全員を失い、
心に傷を負った少年」が、遠く離れた愛知県で、
再び大きな揺れを体験し、フラッシュバックしたのか、
忽然と姿を消すシーンが設定されている。
町をあげて捜索している中、世話をすることになった主人公は、
「捜索に行かないの?」と言う娘にこう答える。
「ほっとけ、ほっとくしかないんだ。
男にはな、誰も手を出していけない時がある。
誰の手も借りず自分1人で、歯を食いしばって、
戦わなきゃならん時がある。今、その時だ。
誰かが手を差し伸べて、あいつを助けたら、
これから先、生きていけない。
もっともっと、人として、男として辛いことがいっぱいある。
それに負けない男にならなきゃ。
今、あいつは、どこかで泣いてる。雨に濡れた野良犬みたいに、
もう生きてるのが嫌で悲しくて悲しくてきっと泣いている」
監督が伝えたかったのは、これかな、とメモをした。
日本列島を大きな地震が何度も襲い、その度に、
家族を亡くした子供たちにクローズアップされるが、
最後は自分が置かれた現状を受け入れて、生きていくしかない。
そんな子供たちへの応援歌作品として観終わった。
ほっておくことも大切な時があるんだよなぁ。
2019年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
これが小林稔侍の初主演作だと知り、驚いた。震災のトラウマから、地震への恐怖がある少年・政美くん。学校へも行かず、豆腐屋の家業を継ぐのかな?などと結末を予想しながらのTV鑑賞でしたが、壇蜜のバイクとか、走り屋の道を歩む可能性も十分に秘めていた。もしや頭文字Dへのオマージュ・・・名前も美で終わってるし。
悪い人が出てこない作品で、豆腐に関する知識も学べる映画。「雪虎」などと風情のある魯山人も愛した厚揚げ料理。手作りのため、料理屋では品切れになることもあるのだとか。そして和紙工房への見学。教育映画としても通用しそうだ。
そんないい要素満載の映画だったけど、セリフのやり取りなどが棒読みに聞こえるのはダメ出ししないのが原因なのか、編集が下手なのかはわからない。平田満の演技にもがっかりだったし、とにかく小林稔侍が一人で頑張ってる感じがする。また、他のエピソードなんかの伏線が全く回収されてないのも残念なところだろうか。壇蜜とラーメン屋の恋の行方とか、佐津川愛美がまた漫画家目指してる役だぞ!とか、クラシックカーは直ったのか?とか・・・。
最後は宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の暗誦合戦。いや、唐突すぎる気もするが、もっと気になったのは少年は5歳で被災してるので、いつの間に覚えたんだろうと不思議だった。