聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのレビュー・感想・評価
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全編を貫く寒々しさ
スカした医者一家が因果応報を受け地獄巡り、、
序盤の棒読み演出がマーティンの「ネタばらし」から一気に転調、先の読めない不気味な展開と下品の極みな下ネタでスリルと爆笑の連続。なのに画面もストーリーもキャラクターも終始冷えびえとしている、、心底怖い作品です。
ファレル&キッドマンのもう一つの共演作「ビガイルド」も観に行くことにします。
もちろん観る人を選ぶ作品
個人的な感想を言うと、あの映画の不気味なジャケット雰囲気とニコールキッドマンの組み合わせってだけでね、ドッグヴィルを思い出しまして鑑賞前から心のざわつきを抱え込んでました。
そしたらば強烈なオープニングに始まり(あぁ看護師してて良かったと思える場面)そしてどのカットも美しい!あぁ〜美しいニコールキッドマンもいるし!キューブリックを思わせるような遠〜〜くからあえて撮る感じとか色調とか、バリ助絡みのシーンだけに流れるあの不協和音!あの感じ好きぃ〜!と、とても私好みの映画でした。
ハケネのファニーゲームを深夜に1人で視聴しトラウマ抱えたエピソードありまして、子どもにふろしき被すシーン嫌いなんですよ。まぁそれはいいとして、不条理ならぬ不効率なロシアンルーレット。撮影の時コリンさんさぞ目が回ったことであろうと考えてる間にエンディング。バリ助の活躍見れたし面白い映画でした!
聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
2018年22本目の劇場鑑賞。
心臓外科医の男が、
亡くなった元患者の息子と親しくしていくうちに、
自分の子どもたちに不可解な異変が起きるさまをミステリアスかつ不穏な筆致で描き出す。
「聖なる鹿殺し」という意味不明なタイトルであり、
本編には“鹿”など一度も出てこない。
本作はギリシア悲劇と似てる部分があると語る監督。
ギリシア悲劇「アウリスのイピゲネイア」とは、
アガメムノーンが女神アルテミスが可愛がっていた“鹿”を射殺して逆鱗に触れ、
愛娘を生贄として捧げるよというもの。
手術中の過失によって患者を死に追いやったスティーブンがアガメムノーンであり、
脅迫するマーティンがアルテミスである。
そもそも原作を知らなので理解が難しい。
耳障りな音楽、
不条理で、
特徴的なカメラワーク。
一瞬たりとも気を抜けない。
マーティン演じるバリー・コーガンの感情を表さない演技が不気味。
フォークで音を立てながらくちゃくちゃとスパゲティを食べるシーン。
あの食べる表情が素晴らしい。
失われたものを返して欲しいというマーティンの願いが引き起こした悲劇でした。
リアリティーがない
後味が悪い
まともな人間は1人もいない
難解。でもこういう楽しみ方もあると知った。
ゆっ...くりカメラが動いております
大傑作!あまり難解ではないよ。
ヨルゴス・ランティモス監督は、いつもヘンテコな人たちをヘンテコなシチュエーションに置いて、異常な行動に導きますが、今作ではあまりヘンテコでは無い。父親の一つの過ちから、家族がとんでもない事に巻き込まれてしまう。父親以外、あまり悪い事やった人はいないんですが、その事実と向かうべき悲劇的な結果が明らかになった時の個々の行動が色々ヒドい。それが家族であろうとも。人間の心理と行動は、既にブラックな笑いに転化。そういや、「籠の中の乙女」も「ロブスター」もコメディだよね。前の諸作のザワザワヒリヒリする様な展開は多くは無いが、人間の心理の追求をフツーの方向にしない所がこの監督の真骨頂。サスペンスフルな映像と音楽は素晴らしくスタイリッシュで完全に一皮むけました。全く飽きずに鑑賞出来る大傑作!ギリシア人監督らしい元ネタ...というかモチーフになったお話が、ズバリ劇中に出てきます。ヨルゴス・ランティモス作品の中でも非常に親切で分かり易い作品だが、人間という存在のイタさの描き方は最上級クラスです。アリシア・シルバーストーンが出てますが、何かの暗喩ですかな?アカデミー外国語映画賞を取ってもらいたかった!
ホラーとの相性は抜群!
レモネード対決
上から下から後ろから前から 流れるようなカメラワークが多く、第四者くらいの視点で観ている気分になる。
登場人物全員の抑揚の無さすぎる話し方や日常シーンに響く不協和音、小刻みに揺れる身体や目付きなどとにかく終始不穏で不気味にだった。
最初からマーティンの気持ち悪さが凄い。
見た目や仕草が一々こちらの神経を逆撫でしてくるように感じてしょうがなかった。
パスタの食べ方汚いし十分他の人と違うよ!
呪いや魔術としか思えないことを起こすその恨みの強さが、表情や態度に全然現れず常にフラフラ飄々としていたのが本当に理解不能で気持ち悪かった。
自分で蒔いた種とはいえ、容赦無く不条理で残酷な選択を突きつけられた父親と巻き込まれた家族には同情せざるを得ない。
ただ、深刻に悩みつつも何処かで「なんで私がこんな目に合わなきゃいけないんだよ〜勘弁してよ〜」というちょっと軽めの心が特に大人達にチラホラ見えた気がする。
切羽詰まった挙句の選択の仕方はまさかの展開。
目隠しグルグル、人間ルーレット風のランダム一発射殺。
まあでも確かに合理的というか、一番納得しやすい方法ではあるけど、いかにもサイコなシリアルキラーがやってそうなことを愛し合う家族間で行うそのギャップに背筋が震えた。
なんでもないような場面でおどろおどろしい不協和音が挟み込まれるのに対し、逆に結構衝撃的な話がポンポン出てくる場面で無音だったりする演出が秀逸。
ンフッと笑えるシーンや自分の欲に忠実な描写があったり演出効果も相まって、暗く深刻なことが起こっているのにどこか抜け感があって面白かった。
最後のシーンは究極に白々しくて好きだな。
美しい映像のカットが多かったり子役とニコール・キッドマンがあまりにも綺麗で眼福であった。
今回はコリン・ファレルとコリン・ファースを間違えずに済んだ。
酷い(大好き)
興味の持続力のクセが凄い!?
サスペンスな展開にホラーでスリラー要素がてんこ盛りなジャンル映画に突き進まない不穏な雰囲気だけをブレずに描写していく。
序盤から幸せそうな家族でありながら無感情と言うか血が通ってない人間にも思える役の演出。
ライフル片手にルーレットと滑稽過ぎて緊迫感が失われそうになるが不穏感は健在でラストに緊迫感が絶頂に無言のまま何も起こらない余韻だけ。
必死に髪を切ったことをアピールしたり悪に寝返るように駆け落ちを提案したり子供はまた作れると悪魔のような囁きをしたり家庭崩壊絶好調!?
説明が付かない不思議な力を持ちホラーやスリラー要素に持って行かない方向性が良いのであってソッチに行ったら差し障りのない作品になっていた筈で。
監督の過去作を観ているからこそ本作にハマれる感じはある。
神託
心臓外科医の主人公と、彼が何かと目をかけている少年との関係から、主人公の家族を巻き込んで起こる禍々しい話。
序盤は少年と主人公との関係が懇意な様子でありながらも少年にイニシアチブがある様な違和感のある勿体付けた感じ。
主人公が少年の家に招かれてから物語は加速、長男に異変が起きてからはタイトルが意味するところへ。
「アウリスのイピゲネイア」を連想させるタイトルで、しかもストーリー中オチに向かってそのワードまで出て来てしまうし…。
確かに主人公に後ろめたい所はあるのだろうし、助かる為に個々が崩れていく家族の描写は良かったけれど、少年の淡々とした様子や力の根幹の部分がみえない中で起こるホラーな出来事とか、大した抵抗もなく受け入れる様子とか、ラストシーンとかが納得いかず。
もっと明確な失態があるとかリアリティのある狂気があるとかなら良かったし、ホラーで推すならもっとドロドロしたものが欲しかった。
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