聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのレビュー・感想・評価
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じわじわと怖い
いつもの荒唐無稽な世界観で語られるわけではなく、普通の家族に起こるホラーという点で他のヨルゴス作品より入り込みやすい。宗教的な要素も強く、じわりじわりと悲劇が襲いかかってくる感じがたまらなく怖い。
暗澹たる…
最初から最後まで不穏、嫌なことづくめ。
こんなに嫌な気分になったのひさしぶりだ…と暗澹たる気持ちで映画館を出た。
それでも観れてしまうのだからやっぱり脚本、映像技術や役者さんの力がすごいということなのでしょうけどあああやっぱり嫌な気分!
家族といえど弱肉強食というかね、人間のエゴとかそういうことなんですね。そりゃ、あそこでニコ様が子供のために自分を殺して!とか間違っても言ったら綺麗な話になっちゃうもんね。自然と弱いものが犠牲になるべきって空気が出来上がって、ロシアンルーレットにしてもそのとおりになるところとか、その辺は真実味がありましたね、でももう二度と観たくない。
ニコ様の年齢を感じさせない肉体美だけが救いだったわ…
観たのがビガイルド欲望の目覚めとの二本立てだったのですけど、ビガイルドが罪のない明るい話に思えましたから。本当に。
ああ、もう、口直し!
と、帰りの蔦屋で借りた映画がライオンで、図らずもニコ様三本立ての1日になったのでした。
あーきつかった。いやーな事しか起こらない。
監督はヨルゴスランティモスです。ロブスターが気に入ったので、聖なる鹿殺しも楽しみにしていました。
ブラックユーモア満載のコメディと言えなくもないけど、がんばってコメディとして受け取ろうとしたけど、地下室監禁あたりから無理無理無理無理…という感じでした。
コリンファレルとニコールキッドマンはビガイルドでも共演していました。ビガイルドでも同じこと言いましたが、ニコール老けない。今回は横乳の反重力性に度肝を抜かれます。そのアンナチュラルさに気を取られました。
えー、コリンファレルは腕の良い外科医で通ってますがどうやらマーティン(ダンケルクで船で兵士に突き飛ばされて死んじゃう男の子やってた人ですな)の父を飲酒によるオペ中の失態で死なせていると思われます。で、どやってそれをマーティンが知ったのか忘れましたが、それをネタにコリン一家に近づくわけです。
マーティンは怪しげですが、彼が何かをしてコリン一家が災いに巻き込まれたというわけではないんです。でも、マーティンの呪いにかかったとしか思えない、非科学的な不幸が次から次に。
息子と娘があるけなくなり、目から血を流してやがて死ぬとの呪をマーティンは囁く。何をバカなとタカをくくっていたらどんどんマーティンの言う通りになるのですね。
ほんで誰かを一人をコリンが、殺したら呪いは解けるといわれ、妻、娘、息子の顔を袋で覆ってルーレット的に生贄を選んで捧げるという。結果、息子を殺して、3人は助かるんですねー。
あー、二度と見たいとは思えないですが、面白いかどうかと聞かれれば、面白い部類だと思う。そんな映画です。
先に、ギリシャ悲劇『アウリスのイピゲネイア』のあらすじをさらってからの鑑賞をおススメします。
観終えた感想は、「さっぱりわからん」。しかもラストもフラストレーションがたまる。
これはなにがモチーフになっている映画なのか?気になって調べると、ギリシャ悲劇『アウリスのイピゲネイア』がベースなのだそうだ。聖なる鹿を殺してしまった罪の償いに自分の娘を生贄にする話らしい。なるほど、その物語を知っているといないとでは、まるで違うものに感じるわけだ。日本人にしてみれば、宇治拾遺物語あたりの挿話がベースになった芥川龍之介の短編の映画化を観ているような気分なのだろう。
しかし。それはそうと、なぜ次々と奇病に罹ってしまうのか?少年は何者なのか?解けない謎が、結局抜け道を見つけられない焦りと恐怖に包まれたまま。底知れぬホラーだ。
胸糞映画!
「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」観てきた。
タイトルのインパクトで観に行った訳ですが…う〜む、モヤモヤする。
そしてジワジワ怖い。
私はこれをモヤコワと名付ける。
心臓外科医スティーブンは綺麗な奥さんと二人の子供に囲まれ幸せな人生を送っていたかに見えたが謎の少年マーティンを自宅に招いたことをきっかけに、子どもたちが突然歩けなくなったり目から血を流したりと、奇妙な出来事が起き始める。
結局あのマーティンって少年は何なんだ?って考えるのはヤボなのか。本人言ってるように存在がメタファーなんだろうか。
度々ニュル〜ンと一点透視法でフォローするカメラワークも相まってジワジワくる緊張感が途切れない。
終盤、部屋のリビングでのクルクルバーンは非常に胸糞が悪なる。
ただニコール・キッドマンは相変わらず綺麗。ベッドの上でクタ〜ッとなってるのは笑ったけど♪
『鹿』のメタファーは?
サイコホラー作品。強烈なバッドエンドのストーリー内容である。その手の好事家ならば涎モノであろう。かくゆう自分も、なかなかトラウマ的な心の引っかかりが長い時間抜けないであろう作品である。
題名からしてなにかのメタファーなのだろうが、敢えてネットで調べていないので、チラシにもある『4つの謎』の3つしか分からない。もしかして家族それぞれが生き延びる手段のことを指しているのだろうか?久々に誰かに解説をして貰わないと分からない難解な内容である。それだけに深い構成に成っていて、その全てがメタファーであるかの如くである。アバンタイトルの心臓手術のシーンでの、心臓のエグい鼓動、室内の奥行きをわざと印象づけるアングル、重要なタバコを”吸う”シーンの多用。結局、あの愚行を起こしてしまう家族の心理、その全てがあの少年に操られていることをとても上手に演出されていて大変秀逸である。挙動不審、まるで自閉症的な動きなのに、発する内容は理路整然としているそのギャップにも恐怖を感じさせる。逃れられない運命だと知ったときの人間のエゴがこれでもかと吐出される状態に、観ていて心が抉られ、削られていく感覚から逃れることが出来ない、辛く厳しい作品だ。
恐怖と美しさ
ちょっと前から気になっていた作品だったので映画館にて鑑賞。
ストーリーは主人公である執刀医とその家族、そしてある青年の物語。
スリラー映画であることは知った状態で鑑賞したが、予告編などを見ずに鑑賞して正解だった。まず、執刀医と青年の関係性ってのが最初はわからないが、徐々に明らかになってゆく。その間、なぜか執刀医と青年のシーンだけ不穏な空気が流れる。次に何が起こるかわからない恐怖感の演出がかなり良かった。
本作の特筆すべき点はカメラワーク。引きと寄りの使い分けが絶妙なのと、キャラクターをあまり正面から撮ってない印象を持った。カメラワークでも恐怖感を煽ってきた。
スリラー映画によくある、音楽で恐怖感を演出する手法が本作でもあるが、その音楽は統一されていたし、映像と滑らかにマッチしていたので個人的には良かった。
神話を基に描いていることもあり、疑問に思う点やリアリティに欠ける点もあるが、スリラー映画としてはかなり良いと思う。
コリン・ファレル、ニコール・キッドマンの演技も良かったが、バリー・コーガンの演技は「真実の行方」のエドワード・ノートンを彷彿させる怪演である。
展開が読めず、キャラクターそれぞれが何を考えているのかわからない恐怖に、少しの性的な描写により何処か美しさが残り、確かに神聖な雰囲気が漂う映画であった。
それにしても、ニコール・キッドマンの眼差しは本当に美しい。
性悪説
ヨルゴス・ランディモス監督は今回も、家族というひどく限定された関係の中での狂気を描いた。人間は集団になると、ひとりでいるよりも狂気染みた行動を取るのだろうか。性悪な人間がルールをもって行動を制限しようとしても、そもそも根が性悪なんだからまともな行動ができるはずがない。
家族愛がある?日本でも過去には、息子を戦場に送り出していたし、娘を売っていたし、母を山に捨てていた。つまり人は自らの命が脅かされる危険がない時は善良な人でいられるが、自らの命が脅かされるとなると親であれ子であれ、途端に切ることができる。一応泣くことはするとは思うが、それが終われば楽しく食事ができる。
人間は、冗談の様な生き物である。
嘘と欺瞞
見てるときは不快だけど整理したら面白いと感じる映画でした!
3人のうち1人を選ばなければならない…
血の涙を流したら時間がない…
というのがルールなのに、その段階に至るのに、個人差がある。
ルールの嘘にどこかのタイミングで主人公も気がついたと思います。
その上で犠牲者を選択せねばならない。
しかし、犠牲者の選択は自己欺瞞で覆う必要があった。
家族各々の欺瞞を納めた映画だと思います。
不思議な恐怖感。
何とも気持ちの悪い作品でした。
でも、本当に余韻の残る、考えさせられる作品であるとも言えます。
この監督、どういう感性を持っているのか。
本当に考えてしまいます(笑)
「ロブスター」の時には、言わんとしているところを理解出来ず、本当に驚きましたが…今回は恐怖感こそ煽られましたが、まだ理解できる感じでした(笑)
とにかく、バリー・コーガンの演技が本当に気味悪くて…引き込まれてしまいました。
本当に印象に残りまくる作品でした。
観てよかったと思います。
ボブの悲劇
サスペンスかと思ったら、ホラーという、今までにない流れの作品でおもしろかった。
ニコールキッドマンは足が悪くならなかった理由とか、鑑賞後にじわりじわりと、あれはああいう意味か、というのがわかってくるかんじで余韻含めて楽しめた。
鹿殺し=生贄という意味合いなので、原題と違うなど意見もあるが、私はマッチしてると思う。
マイナス点をいえば、音楽。
怖さを引き立てようとする、いかにもなやりすぎな音が安っぽかった。
妄想を支える人々
酔って執刀し、患者を死に至らしめた外科医。その患者の息子、マーティンが「呪い」で外科医の娘と息子を苦しめる、と見えるが肝心の呪いについては全く描写がない。この作品は寓話だ。マーティンの妄想を外科医一家が支え、集団妄想を現出させたのだ。
石井聰互監督『逆噴射家族』では、家族が病気にかかっているとの妄想を抱いた父親が、家族の病気の悪化を感じ、殺そうとして死闘を繰り広げる。『聖なる―』も『逆噴射―』も、呪いや病気といった見えないものが家長である父の妄想を惹起し、結果、家族に危害を加えさせる。そして、前者は息子の射殺、後者は家族同士のサバイバルバトルという「犠牲」を払い、再帰的に秩序が回復される。
親の因果が
医師と青年との奇妙な交流、医師の家族に訪れる悲劇、と、不穏感や緊迫感を高めてゆく音楽に、先の読めない不条理な展開で、引き込まれました。
青年役の不穏な存在感がある演技も印象的でした。
また、緊迫感のある悲劇的な展開ながら、妙な滑稽さや下ネタが挿まれ、悲劇と喜劇が表裏一体という、ブラックユーモアも感じました。
個人的には、親の因果が子に報い、というストーリーは納得出来ませんが、因果について考えさせられます。
2018-30
付き合いたての彼氏に、この映画が観たいから連れてって😍って行ったらどーなるんやろ。
登場人物は極端に喜怒哀楽が削がれてて、会話のキャッチボールも、ずっとファウル打ってるような感じ(伝わりますかね。)
音楽は、「ブワワワワン」と「パキーーン」。
どんな楽器使ったらこの音が出んのっていう音楽。
作業用BGMで流したら滅入りそう。
子役ちゃんたちは、この脚本を読んでどう受け止めたのっておばさん不安になりました。
観終えた感想は、冒頭の一言。
わたしはひとりだし、偶然お酒飲みながら観たのでよかった(笑)
もはや「この家、どんなけ部屋あんねん」とか、「運動神経悪い芸人のやつ?」とか、もうポップに突っ込みながら観ないともたない←
『オーメン』を観たときと似てるような、全く違うような、よくわからない空気感です。
コリン&ニコールコンビの『ビカイルド』のほうがまだ明るいかも(いや違うそれもおかしい。)
なかなか不穏な空気しかない作品。一見少年が気持ち悪いかと思いや、後...
なかなか不穏な空気しかない作品。一見少年が気持ち悪いかと思いや、後半医者ワァミリーの追い上げたるや半端ないw
ちょっと「ファニーゲーム」を思い出す所もあった。
荒唐無稽なホラーコメディ
Jホラーにも似た、呪いみたいな要素をのみこめれば大変面白い映画でした。
生き残りたくて、あれやこれやと父に媚びまくる家族の滑稽さ、誰を殺すか、もしくは愛すかも選択出来ない父の哀れさ。最終的に誰を殺すかの方法がまさかのランダムシュート! 思わず笑いそうになりましたが、笑い事ではないという怖さ。
家族の崩壊を、生贄の鹿を殺すことで保つ。古来人類の共同体が生贄を捧げることで団結を強めたのと同じなんだというような、綺麗事の家族幻想を喝破するラストが痛快。
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