「先に、ギリシャ悲劇『アウリスのイピゲネイア』のあらすじをさらってからの鑑賞をおススメします。」聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5先に、ギリシャ悲劇『アウリスのイピゲネイア』のあらすじをさらってからの鑑賞をおススメします。

2018年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

観終えた感想は、「さっぱりわからん」。しかもラストもフラストレーションがたまる。
これはなにがモチーフになっている映画なのか?気になって調べると、ギリシャ悲劇『アウリスのイピゲネイア』がベースなのだそうだ。聖なる鹿を殺してしまった罪の償いに自分の娘を生贄にする話らしい。なるほど、その物語を知っているといないとでは、まるで違うものに感じるわけだ。日本人にしてみれば、宇治拾遺物語あたりの挿話がベースになった芥川龍之介の短編の映画化を観ているような気分なのだろう。
しかし。それはそうと、なぜ次々と奇病に罹ってしまうのか?少年は何者なのか?解けない謎が、結局抜け道を見つけられない焦りと恐怖に包まれたまま。底知れぬホラーだ。

栗太郎