聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのレビュー・感想・評価
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玉座
チキンとポテトの対比や、バリー・コーガンの独特のリズムが背景になる程にアガメムノンの張り詰めた弦を想起させる音響演出が際立っていた。
マーティンの父親の死が描かれていない為、彼の復讐に爽快感は一切無く、只々後味悪く感じてしまうが、不条理を不条理できっちり返す本作は、ハンムラビ法典が歪められたまま心停止した現代に対し、今一度等価の概念を蘇生させる事に成功したと思われる。
設定は納得いかないんだけど
「突然、足の自由が効かなくなって、そのうち目から出血して、死に至る」という症状を発症させることのできる少年ってなに? しかも病院で検査しても原因は解らず、心因性になっちゃうの。
「そんなことできる奴いねえよ」って話なんだけど、そこ気にしちゃうと映画観られないのね。だから「そういう設定なんだ」って納得して観ることにしたの。
主人公の妻、娘、息子の誰か一人を殺すと決めれば、他の二人は助かる設定なのね。そうすると息子、娘、妻が「自分は生き残らせて」アピールを必死ですんの。これ、そうなるかね。日本だったら「あたしを殺して」って人が出ると思うね。個人主義が徹底するヨーロッパだとこうなるのかな。
最後の妻、娘、息子を集めて、主人公自身がルーレットのようにグルグル回って撃ち殺すの良かった。「こんな解決法しかないか」と思った。でもこれで生き残った三人納得するかね。この後の人生も考えたら、あの少年を殺して全員で死ぬ選択の方が良かったんじゃないかな。
「良く解らないなあ」と思ったけど、ギリシャ神話からきてるから、少年は《神》設定なんだね。そう思うと少し納得する。神の前では人間は愚かでしかないかも。
後味悪~これが、カンヌの脚本賞?唖然
ギリシャ人の監督が、たとえアメリカを舞台にしたとはいえ、ライフルで家族を
ぶっ殺す場面のある作品を作ってはいけない。
非常に後味が悪い。ただし、マーティン少年を演じたバリー・コーガン。彼の演技に救われた気がする。
心の闇の恐怖の正体
外科医のスティーブン一家に起こる悲劇。スティーブンが手術で死なせた患者の息子マーティンの不吉な予言が現実になり、またはスティーブン一家がそれを現実にしてゆく。
この違和感は、どこから来るのだろう?
登場人物の会話には、家族間でも同僚間でも、社交性や共感を示す所作がまるでない。愛想笑いも。能面の下から次々に現れるのは、現実の社会では抑え込まれているだろう欲求、欲望、恐怖、攻撃性。社会を成り立たせている人間の共感を排し、心の闇だけを表に出せば何が起こるか?非現実的な世界の恐怖にリアリティを感じるのは、誰もが持つ、心の闇が表出することへの恐怖がリアルなことの裏返しだろう。
縫合
私は神話的アイロニーが好きなんだと再認識した。ギリシャ人は常に超自然的な現象を前提にしている。
オープニングの心臓の縫合シーン。縫合はラプソディーの語源だ。詩と詩を繋ぎ合わせたものが音楽。そして人と人を仮縫いしてくっつけたような家族。
マーティンは呪術的正義の下で、豪奢な暮らしの主人公に罰を下す。
マーティンがスパゲティを貪るシーンは、神である父の再生(継承)と、それとともに、「身代わり」を殺害することを象徴している。
そして物語の肝は、彼の予言そのものにある。
一方、主人公は神をも恐れぬ支配者だ。子供を自分の所有物とみなし、どちらか優秀な方を残して生贄に差し出す。
こうした「身代わり」の観念は、家族(共同体)から何かを追い払うという行為を正当化させ、その行為を行事化させていく。
人間社会の「おぞましさ」。ゾッとする。
唯一、神と人間の両界を行き来する姉。彼女が生きていることで、復習の連鎖を想像させて映画は終わる。
映画でしか表現できない、なんとも言えない不気味さ。前作「ロブスター」と同様に、この監督の独自性に魅力された。
タルコフスキーかと
いきなり手術のグロ映像から始まる本編(最初、動物のペニスの挿入シーンかなかんなのかと勘違いしてしまったが)
映像は骨太で終始不気味で、これでもかと鳴り響く不協和音が恐怖が迫り来るんじゃないかという雰囲気を演出する
ニコール・キッドマンのベッドでの奇妙な寝相辺りから、これどっかで見たことあるパターン?
あれ?
タルコフスキーの…Zzz…と気がつく頃には睡魔に襲われ、中盤は睡眠学習状態に
意識を取り戻すと、少年が地下室に監禁され自分の手首を噛みちぎったり
ゴア表現が苦手な自分には苦手なジャンル
自分の子供2人も下半身が呪い?で動かなくなり、終いには目から涙を流し出す
最後の覆面ロシアンルーレットでの終わり方といい謎が多い作品だった
ただちゃんと理解できても制作者は本意ではないんだろうな、こういう作品の場合
よく言う世界観があるっていう褒め言葉的なものがあるが、このジャンルは本当に微妙で1ミリ自分の価値観とズレるだけで分からなくなる
この作品はそういう意味で自分には合わなかった
ただならぬ緊迫感の有る映画でした。 日本人には馴染みの無い聖書を基...
ただならぬ緊迫感の有る映画でした。
日本人には馴染みの無い聖書を基にした話かと思ったらギリシャ神話なんですね。
好き嫌いの別れる映画ですが私は好きです。
予習していくと、もっと楽しい
ギリシア悲劇「アウリスのイピゲネイア」が題材
それさえ知っていればワクワク見ることができる。
毛が濃いことにこだわったり
ちょいちょい性的描写を挟んできたり
それらも、全て何を示すのかに繋がって凄い!
カメラワークや音楽も、
凄すぎて、もう本当に芸術作品です。
父ちゃんの選択
観たあと誰かと語り合いたくなる作品。
音が私の不安を煽る煽る… 本当に怖い、けれど面白い。
なんなの?ねぇなんなの?と何度もスクリーンに語りかけるが(心の声で) 答えはなく私を置いていく。物語を追いかけるような感覚になり最後には神の領域。かなり面白い。
究極の選択
全編を貫く寒々しさ
スカした医者一家が因果応報を受け地獄巡り、、
序盤の棒読み演出がマーティンの「ネタばらし」から一気に転調、先の読めない不気味な展開と下品の極みな下ネタでスリルと爆笑の連続。なのに画面もストーリーもキャラクターも終始冷えびえとしている、、心底怖い作品です。
ファレル&キッドマンのもう一つの共演作「ビガイルド」も観に行くことにします。
もちろん観る人を選ぶ作品
個人的な感想を言うと、あの映画の不気味なジャケット雰囲気とニコールキッドマンの組み合わせってだけでね、ドッグヴィルを思い出しまして鑑賞前から心のざわつきを抱え込んでました。
そしたらば強烈なオープニングに始まり(あぁ看護師してて良かったと思える場面)そしてどのカットも美しい!あぁ〜美しいニコールキッドマンもいるし!キューブリックを思わせるような遠〜〜くからあえて撮る感じとか色調とか、バリ助絡みのシーンだけに流れるあの不協和音!あの感じ好きぃ〜!と、とても私好みの映画でした。
ハケネのファニーゲームを深夜に1人で視聴しトラウマ抱えたエピソードありまして、子どもにふろしき被すシーン嫌いなんですよ。まぁそれはいいとして、不条理ならぬ不効率なロシアンルーレット。撮影の時コリンさんさぞ目が回ったことであろうと考えてる間にエンディング。バリ助の活躍見れたし面白い映画でした!
聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア
2018年22本目の劇場鑑賞。
心臓外科医の男が、
亡くなった元患者の息子と親しくしていくうちに、
自分の子どもたちに不可解な異変が起きるさまをミステリアスかつ不穏な筆致で描き出す。
「聖なる鹿殺し」という意味不明なタイトルであり、
本編には“鹿”など一度も出てこない。
本作はギリシア悲劇と似てる部分があると語る監督。
ギリシア悲劇「アウリスのイピゲネイア」とは、
アガメムノーンが女神アルテミスが可愛がっていた“鹿”を射殺して逆鱗に触れ、
愛娘を生贄として捧げるよというもの。
手術中の過失によって患者を死に追いやったスティーブンがアガメムノーンであり、
脅迫するマーティンがアルテミスである。
そもそも原作を知らなので理解が難しい。
耳障りな音楽、
不条理で、
特徴的なカメラワーク。
一瞬たりとも気を抜けない。
マーティン演じるバリー・コーガンの感情を表さない演技が不気味。
フォークで音を立てながらくちゃくちゃとスパゲティを食べるシーン。
あの食べる表情が素晴らしい。
失われたものを返して欲しいというマーティンの願いが引き起こした悲劇でした。
リアリティーがない
平和な裕福な家庭に育ちの異なる子供が入り込み、不可思議なことかおきて。。。
このシチュエーションだとエスターの方がずっと怖くて面白い。
オカルトのところの(映画の中の)リアリティーが足りない。
カメラワークと音楽の使い方は良かった。
後味が悪い
とにかく、「不協和音みたいな嫌~な音楽」「登場人物のモノトーンな喋り方」「異常な性描写」そして登場人物の気持ち悪さが印象に残る映画だった。「なんなの、この人たち?!」「なんなの、コレ?!」と連発してしまったくらい、気持ち悪くて後味の悪い映画だったが、多分それが製作者が観客に期待する反応なのだろうと思った。
まともな人間は1人もいない
もちろんマーティンはピカイチで気味が悪いが、
彼の母親もやはり変。
医者さま一家も、親子共々変なのだ。
そもそも外科医が酒飲んで手術?
見た目は真面目な先生なのに。
長女にいたってはとても美しく愛らしいのだか、
自身が最近初潮を迎えたなどと初対面のましてや男の子にどーしてお話しすんだよ。
そこいらへんから、あれれ?となった。
それとももう最初からマーティンの呪いにかかってた?
同僚の麻酔科医は唯一普通の人間かと思っていたら
とんでも親父だったよ。
眼科医の母とは、過去に何があったのか
非常に気になるところ。
しかし、ニコール・キッドマンは、変な役よくやると思う。私はとっても好きだけど。
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