モリのいる場所のレビュー・感想・評価
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監督の意図が汲み取れないが…
題材、演技、カメラワーク、登場人物の設定まで非常に好みだった。世之介を作った監督なだけあるなと関心した。
しかし途中のたらいのくだりや宇宙人のくだりが意図するものは自分には分からなかった。
多大な才能を持つ人間の目には我々が見ている物とは違う物が見えているという事を伝えたいのか、それとも単にコメディ要素として組み込んでいるのかなど様々な事を考えてみたがやはりよく分からなかった。
自分の理解力の無さを恨む。
母ちゃんが疲れちゃいますから、それが一番困る
映画「モリのいる場所」(沖田修一監督)から。
30年以上も、自分の家の敷地から出ないという、
伝説の画家・熊谷守一とその妻の生活を描いた作品であるが、
どうして、そんな気持ちになれるのか、とメモしていたら、
面白い台詞にぶつかった。
文化勲章を受けて欲しい、と電話連絡があった時、
受話器を持っている妻に「いい」とボソッと言いながら
「そんなもん貰ったら人がいっぱい来ちゃうよ」と付け加えた。
妻も「それもそうやね、いらないそうです、はい」とあっさり。
さらに、もっと広い土地に移ったらどうかと誘う人にも、
「私、ここにいます。この庭は私には広すぎます、ここで充分。
それに、そんなことになったら、
また母ちゃんが疲れちゃいますから、それが一番困る」
とにかく、愛する妻と一緒に、のんびり過ごすことが望みで、
あまり有名になって、多くの人が訪れることになり、
大切にしてきた今の生活が変わることが一番困ってしまう、
そういうことなのかな、と思ってメモをした。
監督が伝えたかったことは、守一の好きな言葉「無一物」。
禅語「無一物中無尽蔵(むいちもつちゅうむじんぞう)」の一節、
「無一物」とは何も存在しないということであるが、
何ものにも執着しない境地に達することができると、
大いなる世界が開ける、という意味らしい。
「何もないからこそ、そこに豊かさを見出せる」ってこと。
静かだけど、素敵な作品だったなぁ。
静かな、笑い。
確かに、あのドリフのシーンはびっくりしました。
あの直前の、電話を切ってからの二人の会話と周りの様子だけで充分笑えたのに…とは思ったけど、あれはアレで私は好きです。
だって、えっ!?っていう驚きがあったから。
宇宙人も、いい。
最初は誰だかわからないうちにすぐにどっかに行ってしまって、またそれが可笑しい。
で、あぁそうだったんだ(あんまり納得はできないけど)ってなるし、それが三上博史って(笑)
オープニングの木々の中にうっすら浮かぶモリを無視するかのようなパン、道具を使っての朝食のシーン、無一物…
あとから思うと小ネタの連発。ただ、観てる間は間延びした感じでいろんな虫が必要以上に登場したり、少しのんびりしすぎてイライラしたり。
でも、とても気持ちのいい、もっとずっと観続けていたい映画でした。
さすが、沖田監督ですね。
でも、とにかく樹木希林が、いい。
豊かな世界の見え方
結構ケラケラ笑える楽しい作品でした。
本作は山崎努アイドル映画ですね。主人公のモリおじいちゃんがとにかくキュート!ジッと虫とかメダカとかを眺める姿とか、杖を2本つきながらも意外とスピーディな身のこなしとか、なぜか小学生と目があって逃げるとか、絵描き部屋に行くのを嫌がるとか、いちいちカワユイです。
勲章を固辞した理由が「人がいっぱい来ちゃう」でしたが、モリの家にはすでにいっぱい来てますよ!それがまた賑やかで楽しそう。だからモリも本気で嫌がってはいないような印象。
勲章を受けたら、きっと卑しい心根の人たちがいっぱい来ちゃうので、それが嫌なんでしょうね。
言うまでもないですが、樹木希林がスゲーですね。本作で気付いたことは、顔がスゲー。片目が義眼だからか、結構激しい斜視で、それが特別なトボけた凄みを生み出しているように感じました。
(追記・義眼ではないとのことでした。間違いスマンカッタ)
宇宙人とかやってくる荒唐無稽さはやや微妙に感じましたが、モリが宇宙に興味を示さない理由はよくわかります。モリの庭は立派な宇宙で、モリにとっては永遠のワンダーランドですから。
また、そのことを樹木希林が理解しているのも素敵です。本当にあたたかで良いです。
個人的に一番ハッとした場面は、モリが現場監督の息子の絵を下手と評し、「それがいい、上手いと先が見える」的なことを述べたシーンです。これは妙に腑に落ちました。我々は下手だからこそ先が見えず、だからこそ新たなる出会いに胸を躍らせるのでしょう。
モリはまだ生きたいと言っています。まだまだ新しい出会いが待っているからウキウキするのでしょう。アリは二番目の足から歩き出すことに気付いたモリですが、また新たなる発見があるかもしれません。
モリの豊かな世界の見え方を体験できる、贅沢な逸品でした。
それでも見てよかった!
演出で賛否両論があったので迷っていたのですが、樹木希林さんが亡くなったことにもきっかけをもらい吉祥寺のちいさな映画館へ。
見てよかった!
虫や木の葉、そしてその中に溶け込む熊谷氏本人。すごーーーくミクロな視点で丹念に撮影されています。
草木に覆われたちいさな庭が大宇宙に見えてきます。子供の視点といえばちかいでしようか。(何箇所か撮影を違う時にやったのか、カットで日差しが変わってしまってるのがもどかしかった。。。と思うくらい庭の空気感が心地良いので。)
かと言ってそれだけでもなく、熊谷氏と対照的な、近隣から訪れる人々の騒がしさや会話のおもしろさにもあふれています。
音楽も映像お共演してるみたいに軽やかで最高でした。
ちなみに
絵を描くシーンはありません、、、。絵も全然出てきません。敢えてなんだと思いました。
突然の非現実的シーンは、仙人のように生きるこの画家に、安易に共感されて映画を解釈されるのを回避していますよね。。。
ちゃんと最後の最後まで あっ!といわされますよ。
ホントに左から2番目からなのか⁉︎
アリンコ
目を凝らして見たけど
速すぎる(笑)
山崎務と樹木希林が
とても
可愛らしかっです。
のんびりまったりでしたが
飽きず見れました。
食事のシーン
笑っちゃった〜
ハサミで切ったり
万力みたいなので潰してた(笑)
何度でも生まれ変わって生きたい
もっと生きていたいと
迷いなく言う所は
生に対する執着が
もの凄いなと思いました。
私は若い頃に戻りたいとかまた生まれ変わりたいとか
思った事もないので
樹木希林の私はイヤですよに1票‼︎
日本の名優達
山崎努さんと樹木希林さんは素晴らしかった。
予告編を見た時から、のんびりとした穏やかな雰囲気の内容だと思っていたので、それはそれで良かったです。
ただ、あの宇宙人はいらない。
ドリフのタライもびっくりでしたが、まだ笑えました。宇宙人は笑えない。
いらない演出が多過ぎる
植物、昆虫、鳥、トカゲと言った身の回りにいる生物のその確固たる何かを掴もうと日々飽くなきまで、その対象を見詰める熊谷守一の命の発露が上手く描けていたと思う反面、ドリフだとか三上博史の宇宙人は全く意味がないどころか弊害になっていて、この作品を貶めしてしまった。山崎努の素晴らしい演技が台無しである。何かしらギャグのようなものを入れたくて演出をしているのだろうが、幼稚な上にセンスが無いから今後はやめた方がいい。全体的に中途半端な出来。熊谷守一という稀有な画家なのだから、もっと描きようがあるはず。返す返す残念な映画だ。
庭が宇宙
今年43本目鑑賞
山崎、樹木両名、賞レース確定。
30年近くも自宅から出ていない
モリにとって庭と家族、来客が
世界。宇宙。
製作に、イオン。
ジジイとババアばっかりだった。
戦略的にいいテーマ。
でも、ドリフのくだりは頂けず。
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