シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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祝アカデミー作品・監督賞
主人公はもっと孤独な女性なのかと思っていたら、そうでもなく。
一緒に食事してテレビを見るお隣さんとは何でも話し合える仲だし。
職場ではいつも声をかけてくれる同僚がいるし。
彼女は本当にチャーミングな女性。
そして“彼”は、結構ステキ。
緑がかった青の色(ティール)、そして赤、と色の使い方も効果的。
際どいシーンがあるかと思うと、乙女チックなシーンもあったり。ミュージカル風の場面もあれば、スパイの活劇もあり。グロテスクかと思うと、ファンタスティックで。
これらの配分が絶妙だと感じました。
サリー・ホーキンスは、『パディントン』、『しあわせの絵の具』と、絶好調ですね。
そしてギレルモ・デル・トロ監督、アカデミー賞おめでとうございます。
見るんじゃあなかった・・・
人それぞれだと思うし英語圏で英語での理解だと
違うのかも知れないが・・・
私の感想は、
予告を見ると美しい純愛ストーリーのようだったのだが
いきなりなぜか時代設定がブラウン管テレビ時代の設定ではじまり
主人公と同居人の関係もあやふやだし、パイ屋のストーリーも意味不明
あれほどの国家機密に掃除婦が簡単に近づけるのもむりがあるし
必要の無いリアルなセックスシーンには気分が悪くなった。
エンディングも想像の範囲内だしなんなんだ!
これは成人指定のB級怪物映画だとおもう。
境界を越えてしまった
ブルーを基調とした世界がとても美しい。
恋をした時に赤が入ってくるのもいい。
個人的には、ラスト、人間界(とでも言えばいいのか)の境界を越えて、神の世界に行ってしまった結末に驚いた。
一瞬、「えっ、でもそれじゃあもう帰ってこられないのに…」と思ったが、彼女にとってはそれが幸福なのだ、と気づき、無意識に色々なことに囚われてしまっている自分自身に気付かされる。
愛は人を不自由にするかも知れないが、自由にもしてくれる、そんなことを感じさせてくれた一本。
※THE・ぼかし、みたいなぼかしがちょっと気になってしまった…
※指が千切れるようなシーンもあるので苦手な方はご注意。
マイケル シャノン
クリストファー ウォーケン、ルドガー ハウアー、マイケル ルーカー、そしてマイケル シャノン。見た目からして普通ではない彼がモンスターを怪演。スクリーンに映るだけで怖いw
冗談はさておき、全てのキャラクターが求めても手に入れられない「もの」の為に苦悩しまくるお話で切なくて泣けました。
ファンタジー内のリアリティの構築が素晴らしい。
*前日に見た「イカロス」2017 Netflix(2018 米アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミニー)を思わせるソ連(ロシア)とアメリカの終わらない対立を想起。
なんだ!だから話せないのか(笑)
いきなりの下ネタに一気に引き込まれた(笑)警備責任者がその女性に惚れるのもなんかわかるなぁ~エロくて神秘的なんだよね。時代背景の描写がすんばらしい。冷戦&差別を背景に進む半魚人?同士のラブストーリー。
どうぞお幸せに\(^o^)/
それぞれの人間描写が秀逸
ベネチア映画祭でプレミア上映され、2017年ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。今年2018年のアカデミー賞で、最多13部門でノミネートされている。
ストーリーは
1962年 米国と露国の冷戦下。
イライザは、アメリカ軍秘密生物化学実験室に雇われている清掃婦だ。発語障害を持っていて知能も聴力もあるので普通に聞き取ることはできるが、声を出して言葉を発することができないため、手話で人とコミュニケートする。子供の時から、首に3本のひっかき傷のような、目立つ傷跡をもっている。ひとり彼女は、映画館の2階のアパートに住んでいる。彼女には二人の友達がいて、一人は同じ映画館の上に住んでいる初老の画家、ジャイルスで、彼はゲイだ。もう一人の親友は同僚のゼルダ。黒人女性で、人とのコミュニケーションが苦手のイライザのために、通訳係になったりして、親身になって支えてくれている。イライザはお風呂が大好きで、毎日浴槽にたっぷり湯を張って自慰行為をひとり楽しむ。仕事帰りには、美しい靴を見て回る。お金がたまったら、気に入った靴を買うことが、小さな自分だけの楽しみだ。
イライザの働く実験室に、ある日大きな水槽が運び込まれてきた。以来ストリックランド大佐の怒鳴り声がしたり、床に血のりが見られるようになってただならぬ空気が漂っている。そこには、南アメリカでストリックランド大佐によって捕獲された半漁人がいた。興味をもったイライザが水槽をのぞき込むと、半漁人は突然姿を現して、イライザを驚かせる。ストリックランド大佐は半漁人を鞭で思い通りにしようとしている。半漁人に暴力をふるう様子を目にしたイライザは、言葉の通じない半漁人が残酷な扱いを受けていることに胸を痛める。そして隠れて昼休みに自分のお弁当を分けてあげるようになって、手話で会話をして、二人の心が通い合うようになった。その様子を見たホフステトラー博士は、半漁人にも人と同じような「心」があることを発見して、この生物の関するデータをロシアに送っていた。博士はロシアのスパイだったのだ。
しかしストリックランド大佐の思い通り実験に従わない半漁人を、軍は殺害処分することに決めた。それを知ったイライザは、何とか半漁人を助け出そうと、隣人のジャイルスに頼み込む。そして首尾よくジャイルスと、同僚ゼルダの助けを得て、イライザは半漁人を自分のアパートの浴槽に連れてくることに成功した。二人は愛し合う。一方、半漁人の脱出の責任をロシア軍からもアメリカ軍からも追及されたホフステトラー博士は殺される。
イライザは年に数回、運河が解放されて大海に通じる日が来るのを待っていた。毎日激しい雨が降り、運河が開くその日に、半漁人を海に放って自由にしてやることが、イライザの願いだ。そのときが、自分にとっては悲しい半漁人との別れの日でもある。
しかしその直前に、運河で彼らは追ってきたストリックランド大佐に捕獲される。警察もやってきた。そこでイライザは半漁人をかばって撃ち殺される。それを見た半漁人は怒り余って大佐を殺す。そして、死んでしまったイライザを抱いて二人して運河に身を投げる。
水底深く、イライザの首についていた3本の傷跡が開いてイライザは呼吸を始める。以来、二人は幸せに深い水の中でずっと暮らしました、とさ。
というお話。
ファンタジー映画ということで、美しいおとぎ話を、メキシコ人監督が作った。
はじめはサイエンスフィクションで、冷戦下の米軍とロシア軍の秘密組織が新兵器開発のために合成人間を作り出したという話かと思っていたが、設定からして違っていて、この半漁人は南米、おそらくアマゾンあたりで捕獲されたという設定。ならばアマゾンでは半漁人の彼の両親や親戚も居るわけで、不思議な治癒力を持って、死者を生き返らせることができる半漁人が今もなお元気で暮らしているのかもしれない。?
この監督の優れたところは、それぞれの登場人物がどんな人なのか、いろんな場面でとてもよく上手に表わしていて丁寧に解説しているところだ。
例えば、隣の住人ジャイルス。孤独なゲイで、時代遅れの画家でイラストレーター。描くタッチが古いので、どの出版社や新聞社も彼の絵を買ってくれない。自分では上出来だと信じているから、古くからの仕事仲間が申し訳なさそうに持ち込まれた作品を買わないで拒否するごとに落胆して腹をたてる。猫と平和に暮らしているが、パブでちょっとした仕草でゲイだと見破られ、「子供連れの家族も来る店だから、もう二度と来ないでくれ。」と言い渡されて傷ついて帰って来る。そんな自分がもう失うものなど何もない、と気付いてイライザのために奮闘する。そういった彼の心の変化がよくわかって、共感できる。
また親友のゼルダ。自分と同じアフリカンアメリカンの夫は、仕事がなく、暴力こそ振るわないが昼間から酒を飲んでいる。イライザの行く手の探してゼルダのアパートに暴力的に踏み込んできて、妻の首を絞めて脅すストリックランド大佐を、力なくただ見ているだけだ。一方的に家の中に踏み込んできた白人の男が妻に暴力を奮っても抗議さえできない無力で臆病な夫に心底がっかりするゼルダの怒りと哀しみがとてもよくわかる。そんな夫をもっているからこそ、障害者のイライザのために、危険をおかしても力になろうとする心優しい、世話好きな女なのだ。
ストリックランド大佐は、意味もなくたまたま権力を持ってしまった卑劣な男として描かれている。一方的な強いパワーを持った男がどんなものか、家庭に戻った時に見せる一方的なセックスシーンでもよく表れている。こんなものを妻が望んでいるとでも信じているのだろうか。1960年代のアメリカそのものだ。矮小な男ほどエバリ散らす。このように、登場人物ひとりひとりが日常の中で、どんな暮らし方をしているのか、生活習慣を通じて好みや感じ方、考え方などがとても細かく描かれていて映画そのものが分かりやすい。こんなふうに細やかな観察の上に立った人間の描き方ができる監督が素晴らしい。
若くも美しくもないイライザは水の中では自由で居られる。浴槽の中での小さな楽しみと、綺麗な靴を買うこと。自分の小さな世界で小さな楽しみを見つけて生きている。発語障害をもったイライザは、聴力に障害がなく知的障害もない、自閉症スペクトラムでもないから、恐らく過去に虐待や暴力にさらされたことが原因で言葉を発することができなくなったと思われる。そんな女性が自分で愛を見つけて、まっとうする。美しい物語だ。
1960年代を表すセピア色に統一された画面も美しい。
この半魚人、映画で最後まで名前を与えられなかったから半魚人というしかないが、ウルトラマンのような顔姿。イライザの首にあった傷跡を開口させてエラ呼吸できるようにしてくれた。いつか、アマゾンの源流で潜水してみたら、イライザが 小型のウルトラマン、ウルトラマンセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンA、ウルトラマンレオとゾフィーなんかを引き連れて散歩しているのが見られるかもしれない。
1962年、冷戦下のアメリカ。幼い頃のトラウマで声が出せなくなった...
1962年、冷戦下のアメリカ。幼い頃のトラウマで声が出せなくなったイライザは政府の研究施設に勤務する夜間清掃員。友人は隣の部屋に住むゲイの老画家ジャイルズと清掃員仲間のゼルダだけ。ある日研究所に南米で捕獲された半魚人とともに新しい研究員と米軍関係者がやってきて日夜極秘の研究を続けていたが、イライザはその半魚人に魅せられてしまい、清掃の合間に心を通わせるようになったのも束の間、激しい拷問を受けて満身創痍となった姿を見てイライザは彼を助けようと決意する。
貧しいイタリア系アメリカ人のイライザ、ゲイのジャイルズ、黒人のゼルダといった冷戦当時の虐げられしマイノリティが命を賭して半魚人を守ろうとするクラシックな物語を、随所で現代風刺を匂わせることであくまで現代の世相に訴えかけるファンタジーとして描写。異形の者に対して惜しみない愛を注ぐ監督ギレルモ・デル・トロの作家性が全編に滲んでいて、半魚人が醜怪なクリーチャーではなく人間よりも優れた美しい生物として描かれて、イライザと彼が紡ぐ絆がキラキラとスクリーンに輝くどこまでも赤裸々で眩しい大人の恋物語になっています。
デル・トロ監督らしい作品
ファンタジーラブストーリー。
デル・トロ監督らしい作品で、美しくて優しい気持ちになれる映画でした。
けど、人魚?半魚人?とやってしまうなんて恋は盲目よねー
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