シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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この映画に出会えて、本当に良かった。
マイノリティとマジョリティの攻防、アメリカ映画にはよくある物語だけれど、そのよくある物語を、まるで劇場が水の中に浸ってしまっているかのような圧倒的な世界観と耽美で独創的なデザインによって崇高で特別なものにしてくれています。
映画を観終わったあと、長い詩を一編読み終わったかのような感動に襲われ、この物語が愛おしくなります。まっすぐに誰かを愛すことがこんなにも美しいのだと気付かされました。
わたしの中での生涯ベストファイブが見事に書き換わるまさに、名作でした!
劇場予告編と印象変わる
エログロが合えば…
圧倒的世界観
レトロな感じでありながらSF的であり、さらにはメルヘンな雰囲気も感じた。その独特な世界観は見事であり圧倒された。奇抜な設定・ストーリーも、完全無欠の世界観に入り込むことによって、喜怒哀楽を刺激された。
映像の美しさや安定感といったものが、さらなる力強さを作り出して、しかも、奏でられる音楽もことごとく映像に不思議となじむもので、とにかく五感が刺激されるような感覚に陥った。
これほどまでのワールドを構築されると、ヘタなバーチャなど太刀打ちできないような気がする。久々に映画という映像体験をした思い。
卑猥で滑稽な描写がたくさん出てくるけど、最後の映像はまさに歴史的であったような気がする。まるでそれまでの流れはお終いのお膳立てのように思ってしまうほどに、印象的なシーンだった。
エログロで、それでいてチャーミング、恐ろしくてそれでいて笑えて、汚らしくそれでいて美しい…不思議な魅力に包まれた作品だった。
丁寧に描かれていて、ストーリーも解り易いが、中身はイマイチかな。
監督が益々好きに。。
初日に劇場で鑑賞
異形の者の美しき佇まい
不穏な時代に芽生えた異形の愛
力なき者たちが奮闘する姿に
今回も胸を熱くさせられた。
冒頭のシーンが大好き。
昔を懐かしむことにのみ
生きがいを感じているジャイルズに
僅かながらも自分を重ねてみたりして。
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2018.3.14 TOHOシネマズ上野にて2回目
映画を観る幸せ
この作品はディテールに至るまで
それに浸らせてくれる。
ありのままの自分というのは
言葉では充分伝わらないということ
昨今のコミュニケーションツール過多は
自己表現の充実とは異なるのだなどと
ぼんやり画面を観て考えてました。
ぜひもう2回くらいは大きな画面で
このたゆたう気分を感じたい。
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2018.3.1 TOHOシネマズ上野にて1回目
語り口はおとぎ話である
しかもグロテスクとは紙一重。
なのにこの上なく美しい。
世界観に浸る映画だ。
テレビから流れる映画や
レコードから流れる音楽が
どれをとっても幸せを誘う。
まるで初めから
運命づけられていたかのような
ラストシーンには
胸いっぱいの幸福感が。
茶目っ気たっぷり
乙女のように愛らしい
中年女の純粋さを
サリー・ホーキンズが熱演。
この人にはこういう役が実に似合う。
デスプラも相変わらず最高。
モンスター+恋=やっぱ最高
最後はお伽話を観ていたか?の様な感覚
フォックスサーチライト製(低予算映画)ですので、派手な物は期待せずに鑑賞。
囚われみの半魚人と言葉が話せない人間女性の物語。
半魚人は綺麗なマーメイド風の見た目では無く、魚顔のアマゾンにいそうなグロテスクな姿の方である。
その半魚人に惹かれる女性(惹かれ度合いが半端ない)だが、どこに惹かれていくのかが不明確で分かりづらい。いつの間にか意思疎通し、共感も薄い。
もう少し意思疎通シーンがあればと思うのは私だけでしょうか?
ストーリーは分かりやすい内容ですが、時代設定1960年代の世界観が逆にマッチしてるんだか、していないんだか不思議な感覚を覚えた。
最後のシーンは「おとぎ話を観ていたのだろうか?」を思えるほどのホッコリとした終わり方。
異彩を放つ設定ラブストーリーですので、「あり得る」「あり得ない」でかなり好みが分かれる作品だと思います。
最後に半魚人さんの手のひら能力だけは欲しい。
大人の絵本の世界
大人の絵本の世界に入り込んだような映画体験。
冒頭シーンからイライザの日常にリンクして、少女のようでアダルトな彼女の感情や表情がダイレクトに伝わってきた。
ほぼ全編、豊かな表情と手話で語られるのが普通に声を発して話すよりも心掴まれたように思う。
どんなに良い人でも、何かハンデのある人間に対して最初から何の先入観もレッテルも貼らずにいられることってないと思うけど、「彼」だけはありのままの自分を見てくれていると心惹かれるイライザと
また「彼」も、神と崇め奉られたり研究対象にされたりと、ずっと異質を見る目で見られてきた中で純粋に優しく近づいてくれるイライザに惹かれていったのではないかなと思った。
「彼」の絶妙な見た目が好き。
意外と精悍な顔付きだし腹筋バキバキでイケてるんだけどグロテスクな部分も多くて。
彼が何か動くたびに私もドキッとしたし、ただただ内面の良さだけじゃなく、半分人間のような姿だったからこそ本当に愛し合うこともできたんだろうな。
思ったより起承転結はっきりしていてわかりやすい話の進み方だった。
ただ、時代背景をちゃんと把握しているともっと楽しめたかも。
たまに何がしたいのかわからない人がいたので…
きっと私が思うより遥かに多くの意味と要素を含んでいるんだろうな。
最後のシーンではそのあまりの美しさに揺さぶられ、一方で生理的にゾワッとなる部分が一瞬写されて2つの意味で鳥肌立った。
ファンタジーロマンスとしてすごく好きな終わり方だった。
劇場の出口でタップを踏みたくなったのはきっと私だけじゃないはず。
ゆで卵食べたい。
ラストのシーンで少し目頭が熱くなりました
どちらかというとそんなに好きなジャンルではありませんが
ラストのシーンの所で少し目頭が熱くなりました。
ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞、ゴールデングローブ最優秀作品賞
アカデミー賞最多ノミネートは伊達じゃないと思います。
まず出ている俳優(主役、悪役、善人、脇役)の演技が素晴らしい
シーン一つ一つの繋がりの展開にリズム感があってテンポが良い
緊張感のあるシーンと平凡なシーンが交互に繰り替えされるので
途中から引き込まれてしまう、途中吹き出してしまうシーンがあり
監督の遊び心を感じる。
マイナス点はストーリーの中で繊細さに欠けている部分があり
少し気になりました。
後、作者がこの映画をR15+指定以上の映画にして作る必要が
あったのかという事です。ただし、途中でこの映画の全体の構成上
しかたないのかなと納得しました。
なので、子供よりカップルにお勧めですかね。
美しい愛
東京国際映画祭にて。
見終わった瞬間、震えが止まらなかった。帰りの電車の中でも震えがまだ続いていた。なんて美しい映画なんだろうか。
「理解し合うのに言葉はいらない」という最も基本的で重要なことをここまで大胆に、しかもディープに描き出されていた。予告でもある通り、半魚人は主人公が言葉を持たないことを全く気づかないのだ。コミュニケーションの一つのツールとして用いられるべき言葉が、いつのまにか言葉を用いて人を蔑んではいないか。
言葉だけでない。黒人というだけで、同性愛者というだけで人を侮辱してはいないか。そんな社会を皮肉る映画でもあった。
それに対し悪役として描かれる警備員を演じたマイケルシャノン。彼は半魚人を拷問しながら家庭を持ち幸せに暮らしている。そのことが戦時中の兵士を彷彿とさせる。また、彼もまた国家や情勢によって苦しめられている人の一人だということも強調きている。
差別は社会そのものによって引き起こされ、一人の力じゃどうしようもない。その無力感を伝えるとともにSF的に強大な力、人智を超えた絆を表現した。
オリジナル版のため、性的な描写も残虐な描写も容赦ない。しかし、だからこそ伝えるものがある。半魚人の真実を。
日本公開時にはR15となり、カットされてしまうのが心配。主人公の自慰シーンがかなり重要な役割を果たしているのに。
そして、この意味深なタイトル。ラストでは鳥肌必至。
レトロな音楽と雰囲気、時折主人公が見せる幸せそうな表情。そして半魚人。見ているだけで幸せが伝わってくる。主題が壮大であるのに難しすぎず素直に見ることができる、素直に見ている自分を見ることができるのだ。デルトロ監督が「愛と映画のための映画」とおっしゃるように、その通りの映画だった。
温かくて、大きな愛に包まれる
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