シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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キャデラックが
言葉を話せない女性とクリーチャーのラブストーリーが中心ですが、個人的には冷戦時代らしいサスペンスやバイオレンスホラーのテイストでも楽しめました。
威圧や差別の描写は現代アメリカをも意識させます。
威圧的差別主義者の理想的アメリカンドリームを揶揄するような描写も面白かったです。
キャデラックのくだりはかなり笑ってしまいましたが、理想的アメリカに取り憑かれているようにも見え、哀れでもあり恐ろしくもあります。
主人公をはじめ、偏見に晒されながらも善意に満ちた隣人や同僚、博士など、登場人物達も好感が持てます。
善人対悪人で単純化されている印象はありますが、やはり威圧的暴力や差別主義は悪であり、弱い立場の善良な人々を尊重するという、真摯な姿勢を感じる物語でした。
意外ー
変態心溢れる愛すべき一作
ギレルモ・デル・トロの集大成的な作品
これって
個人的な感想です、最初見終わった時は、気持ち悪さが先に立ってしまったけど。だんだん、じわじわ、しみてくる映画です。と、いうのは、この主人公、もしかしたら人魚で、人間になったけど、彼が来て恋愛を始めたものと思いました。そうやってみると、すごく切なくて暖かい映画と思えて。でも、オクタビアさん、最高。あと二回は行こうかなっと。
素敵な映画
心を通わすということ
物語がスタートして、すぐにオチはわかる…だけど。
何がすごいって、主人公とクリーチャーが心を重ねていくところの表現に引き込まれました。
言葉が通じても、心が通わないなんてことはざらな殺伐とした時代に、コミュニケーションとは何か?ということを考えさせてくれます。
それと、悪役が抜群によい。
マイケル・シャノン演じる中間管理職の白人軍人って、昔のドラマや映画では、こういう熱血白人キャラこそが主人公でした。
「悪事を働く黒人やインディアンを倒す」って映画・ドラマが多かったわけです。それが、時代とともに変わり、「マイノリティを抑圧する横暴な存在」として描かれておりました。
どんどん狂気を帯びていき、最後には人間がよりモンスターに見えてくるという…そんな重要な役を、見事に演じきっていて、素晴らしかったです。
これぞ「映画」だ!
この作品が作品賞・監督賞を獲るアメリカ・・・
やっぱりスゴイわ。
完っ璧な大人のフェアリーテイル!(goth)
ストーリーは分かりやすく単純なんですが。
あらゆる「映画的」要素も詰まってましたね~
(スパイサスペンス・コメディ・拷問や痛い描写さえ…)
【映画として優れた点】
・どこを切り取っても震えるほど美しい画
・音と音楽の使い方が秀逸!
(巧みに雰囲気や気分、シチュエーションさえも演出)
・世界観がチープにならないための照明と美術
・違和感なく差し込まれる「時代性」の描写
【恐らく革新性を評価された点】
・フェアリーテールの主人公が、
「若く・美しい・純真無垢な少女」ではない点
・「王子」は「ハンサムな人間」にならない点
・緑と光あふれる世界ではない ever after…
・ハンディキャップをロマンスのチャームポイントとして描いた点
・ロマンスというか、もはや性的な異文化交流
・マイノリティもレイシストも、ホワイトカラーもブルーカラーも
スパイも人魚も…みんな人間らしく、みんな生きているこの世界。
エンドロールが始まるやいなや、多くの人が席を立ったので
おそらくトラウマ的に「ダメ」な人も多いかもです。
「デル・トロGOTH」好きな人って、マイノリティなんかな…
作家性に溢れた"愛すべき映画"。
レイトでシェイプ・オブ・ウォーターを見てきました。
デルトロの愛が詰まった一本。
早くも上半期ベスト確定な予感。
「大アマゾンの半魚人」を幼少期に見たデルトロ。
そこで登場した半魚人・ギルマンと美女との報われない結末を自分の手でハッピーエンドにしたいと考えていた。そんなデルトロによる"精神的な続編"。
ギルズのデザインもこだわり抜いており、アクターの演技も相まって実在感が凄かったです。
ギルマンを踏襲したデザインながら、ホラーモンスターとしての貫禄と人間らしい喜怒哀楽を兼ね備えた素晴らしいデザイン。
彼の初登場シーンではそれだけでドキッとします。
オマージュだけではなく、しっかりとデルトロ自身の作家性に溢れていたのも良かったです。
モンスターへの愛、黒人・ゲイ・オタクを含め社会的マイノリティに対する暖かな眼差し。
写真ポスターの登場で社会的な価値を失っていく手書きポスターへの悲哀。
これらの描写があるからこそ、社会的弱者として虐げられるイザベラと、亜人という理由で実験を繰り返されていたギルズとの心の交流が説得力を増していたように思えました。
それでいて「マイノリティにもスポットを当てて欲しい!」とかいう話ではなく、「マイノリティの事をそっとしておいてほしい」といったスタンスなのも良かった。
決してサブカルチャーがメインカルチャーに取って代わるのを望んでるわけじゃない。
公平さを望むデルトロの姿勢が見て取れました。
クライマックスは涙なしには語れません。
ぜひ、劇場でご覧ください。
そして最後に。
ハリウッド大作が続く中、自費で作家性あふれる作品を作ったデルトロ監督に感謝を。
この作品のアカデミー受賞で映画業界が良い意味で刺激を受けてくれればと思っています。
ギレルモ・デル・トロの「お伽噺」
ふーん、って感じ。
マイノリティ
沢山涙を流したことを、良い映画の指標にするのは安直な様で好きではな...
異形の愛
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