「人間の男ってダメね。さぁ魚人、魚人!」シェイプ・オブ・ウォーター 王様のねこさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の男ってダメね。さぁ魚人、魚人!
私が観たものは何だったんだろう。
鑑賞した人達から「時間の無駄」「ただ気持ち悪い」「どうしてアカデミー賞を獲れたのか謎。」と酷評でした。
そもそも映画は観てる側の共感覚が強い程、作品へののめり込み方が増していきます。
今作では感情移入できるキャラクターは出てきません。
だって、魚人キモすぎて、好きになる主人公にまず共感できない。ゲイのおじいさんに共感できない。自分の指を引きちぎってまで執拗に追いかけてくるモラハラ男に共感できない。
「できない」のオンパレードです。
マイノリティが結託して「常識」や「モラル」の壁を越えようとしてるっぽく見えますが、何というか全員自分勝手。思いやりとか協調性とか善意というものが描かれない。結果、餌付けからの恋愛感情経由、性行為という流れに感情が追いついていかず、ただただ気持ち悪い。
すごい!近年まれに見る気持ち悪さだ!
この映画はきっと気持ち悪さを味わうための作品なのかもしれない。
自分の中の「気持ち悪い」はその人が身を置く環境に左右されると思う。
「すごい共感できる!!」と言う人とは少し距離を置きたくなる。つまりはアカデミー賞から距離を置きたくなる。
最近のハリウッドはマイノリティを描くことにナーバスになっていない?
多様性を受け入れるのと、マイノリティを称賛して形だけの冠を載せるのは違うから。
映画というジャンルはやっぱり大衆娯楽であるべきだし、伝えたいことを表現して発信していくツールだと思う。アカデミー賞はそんな共感力に応えた作品にこそ与えられるべきだと思う。
賛否両論あるとは思うけど、この年には他にもたくさんの良作があったよ?
@花/王様のねこさん、正解です。👍世間ではダイバーシティだのの観点で評価されてますが、気持ち悪さこそがこの監督の大好物であり描きたかったものなんだと思います。