「愛の心情を映像で表している」シェイプ・オブ・ウォーター まっすんさんの映画レビュー(感想・評価)
愛の心情を映像で表している
愛とは何か?を考えさせられた。
半魚人とイライザは、異種同士であるにもかかわらず、お互いを怖がらず尊重しあい、共有しあい行動した事により、お互いに惹かれて行く。
だが、その生活は長くは続かない。
ヤマアラシのジレンマの様に、生活が長くなるにつれ、イライザの心は、互いが別のモノだからこの世界では通じ合えない。と落胆して行き、半魚人は彼にとって過酷な環境のため、衰弱して行く。
だが、互いに心で通じ合い愛し合っている。この言葉では言い表せない衝動や心情を水の流れの如く映像として表現している。この渦めく感情・心情・衝動を水で表している事をわかる人とわからない人で、この映画の評価が大きく変わると思う。
また、ストリックランドは悪役であるが、彼も彼なりの考えや衝動・心情があり、プライドがある。彼もまた他者に尊厳を踏みにじられている被害者として描かれているところにこの作品の深さを感じた。
また、ストリックランドも博士と同じような結末を迎える事から、彼らは彼らなりの考えがあり、それに従った行動の結果だという暗示でもある。
この物語は、登場人物の心情をよく描けており、それを水(ウォーター)として表し、また、形(シェイプ)とは行動ではないかと推測する。
心と行動、抽象的なものと具体的なもの。
シェイプオブウォーター。行動の中にある心。心を表す行動。がこの映画のメッセージではないかと思う。
まだまだ細かな描写での隠れたメッセージはあるが、一度観ただけでは全て回収しきれないのであと何度か観ようと思う。