「自分は好きになれた作品」シェイプ・オブ・ウォーター ノッツォさんの映画レビュー(感想・評価)
自分は好きになれた作品
雰囲気や音楽は素敵。
オチは読めるけれど後味はとても良い。
悪役さんの家族やスパイさんのことは少し気になるけれど、モヤモヤするほどではない。
粗というか穴、突っ込まれても仕方ない部分は多いように感じました。
施設のセキュリティ、主役二人が惹かれ会う過程など。
しかしこれらの穴はこの作品においてそこまで重要な部分ではないのかなとも。自分はそういう「ご都合主義」に目をつぶれる質だったのでこの作品を楽しめて好きになれたけれど、合理性や整合性を求める人には合わないと思います。
性的描写や猟奇的な描写が多いけれど、自分にとってはこれもグロテスクさや生々しさの一要素として良い調味料になったと思う。
逆に不潔なものが苦手な人には堪えられなさそうだとも思います。
主人公を好きになれない人が多いみたいだけれど、これも主人公のキャラクターをどう捉えるかの違いかな。
遅刻、映画館水浸し、猫の死亡の件など確かにどうかと思う部分もあるしその点について良い気分にはならないけれど、冒頭の自慰シーンのおかげもありあくまで主人公は「欲求を持ったごく普通の女性」であって「美しいヒロイン」ではないと捉えられたため、自分はそこまで気にせずすみました。
この映画をエンターテイメントと捉えられて(好みに合って)、かつエンターテイメント性があれば細部は気にしないという人向きの映画だと思います。
クオリティや説得力を置いておいて、良くも悪くも作品に酔えるか否か。
「作り手と好みが合うか」によって評価が大きく変わる作品だと感じました。
自分の好みに合うという意味では星5だけれど、人におすすめするという意味では星3です。