「何度も見たくなる映画」シェイプ・オブ・ウォーター talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
何度も見たくなる映画
主人公見て、アレ!もしかして、ブルー・ジャスミンの妹役の人?とビックリした。まるでまるで異なる役柄で、雰囲気も顔も表情も体の動きも違う。そこにまず惹かれてしまいました。きちんと起床、日めくりカレンダーめくって、卵を茹でて、靴を磨いて。通勤して仕事して。映画見て。
かつての映画が下敷きにあるようですが、その知識が無くても、この映画それだけで、夢の世界に行けたような気がします。隣の画家のおじさんが二人を描いた絵はとても美しい。2回見た記憶があるのは、飛行機往復でそれぞれ見たからだろう。映画館で今度、見たいです。
デル・トロ監督の奇怪美術のこだわりと映画愛が融合した作品と思います。例えばジャイルズが店員に褒めちぎって買ったパイをイライザと食べると不味いと言って冷蔵庫に仕舞うのに、既に同じパイが冷蔵庫いっぱいに仕舞ってあるシーン。意味が解りませんが、この不思議な矛盾に、ファンタジー映画だから許せる面白さがあります。真実はイライザとクリーチャーの愛のみという、お伽噺風の語りの潔さ。理詰めで解釈しては、一気につまらなくなりますね。
デル・トロ監督の「フランケンシュタイン」、この古典の映画化は興味深いです。私も一寸遠出して観たいと思います。
サリー・ホーキンスの演技はイギリス演劇人らしく基本に忠実ですが、控え目な性格から彼女だけのチャーミングさがありますね。デル・トロ監督が全幅の信頼を置いて主演イライザに抜擢した慧眼が、この作品の成功した最大要因と見ました。人に見せない私生活の日常描写の丁寧さ、大胆なラブシーンの自然さ、言葉を介さない表情の繊細な表現力がイライザという女性を生き生きと具象化していると思います。イライザがバスに乗っているだけのシーンの演技と演出に、ホーキンスとデル・トロ監督の素晴らしさが凝縮されていました。
コメントありがとうございます。
サリー・ホーキンスさんには驚きました。
役の幅が広すぎますものね。
機上でご覧になったのですか?
いいですね。
「ブロンド」にもコメントありがとうございます。
もしお時間ありましたら、わたしの返事(と言うほどのものではないのですが)
読んで下されば嬉しいです。
おはようございます。
町山智浩さんの、『映画には「動機」がある』の中の、この映画に関するエッセイ(評論?)の”なぜ、ストリッックランドは手を洗わない?” 面白かったですよ。
この方の、”画面は見えないが、音声でニコラス・ローグ監督の『赤い影』(1973年)だと分かる。”などと言った「スリー・ビルボード」のエッセイなどを読むと、”参りました!!”と思ってしまいます。
では、又。




