「恋、か。。。」シェイプ・オブ・ウォーター mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
恋、か。。。
冷戦下のアメリカはボルチモア。
口のきけないイライザ(サリー・ホーキンス)はある政府機関の清掃人として働いていた。そこで、彼女は恋におちる。
とはいうものの、ここに説得力をもたせるかどうかが本作のキモだと思うが、そこは必ずしも成功したとは思わない。
イライザと彼は毎日、何日も顔を合わせコミュニケーションをとってきたことをイライザのセリフで語ってしまっていた。ここを時間をかけて描けば今世紀最高傑作になったかもしれない。
国も人種も関係ない、というメッセージはよく伝わったが、彼にいろんな人が魅了されてしまう。イライザの隣人のジャイルズもそうだし、生物学者もそう。そこも難しいところである。少なくとも映画の観客はそう思わないと映画は前に進まないはず。
「E.T.」のあのエイリアンがかわいいということにあまり異論はないが、今回の彼に魅力を感じるのには時間がかかる。だからこそ恋の過程をじっくりと描くべきであった。
ギレルモ・デル・トロの思い込みでできあがった映画である。そう思うと本作は愛らしく思える。
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