「確かに」シェイプ・オブ・ウォーター xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
確かに
たしかに、この空気感がいい。
1962年の設定で、濃いめの映像が素敵だ。
たしかに、彼女イライザは美人じゃないだろうね。
主人公の女優としてはね。でも心惹かれるものがある。
たしかに、半魚人、見にくいところはあった。
でも中盤からはなんとなくいとしいものが芽生える。
たしかに、イライザの同僚の黒人女性。
どこにでもいそうな善人のようだ。
たしかに、半魚人を連れてきた悪党官僚。
こんな風な一方的な人もいるよね。
たしかに、イライザの初老の絵描きの同居人。
夢が叶えられず彼らの逃亡に力を貸す。
みんなどこにでもいそうな登場人物たち。
でもストーリーはファンタジー。
ありそうな人たちの中で生まれた、あり得ない物語。
しゃべれない女と人間社会に置き去りにされた半魚人の
切なく純粋な恋。
たしかに、人間同士が信じにくい世の中だから、
こんなファンタジーが生きているのかな?
それにしても、彼女が悪党官僚に向かって、
「なんて卑怯なクソ野郎!」と手話したイライザ。
その凛とした姿がいまでも目に焼き付いている。
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