点(2017)のレビュー・感想・評価
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トモエの心の揺らぎ
タイトルになっている点とは、ホクロのことだろうか? このホクロは過去への回帰点であり、トモエとタカシの高校時代へと記憶へと誘う。 心が揺れ動いているのはトモエで、つまりこの物語はトモエの心の揺らぎを描いたものだろう。 母の言葉にもあるように、最後の晴れ着というのは、30代最後を意味しているのだろう。 トモエは独身で、不倫相手の都合いいようになっている自分に辟易している。 友人の結婚式に着る着物のために、うなじを剃りに出掛けた先が、タカシの床屋だった。 もう10年以上会ってなかった高校時代の彼氏 トモエはもう一度前髪を切ってもらう。 そこには過去との決別と、もう失敗しないという決意があったのだろう。 トモエの家の鏡と同じステッカーが、彼のトイレの鏡にもあの時と同じで貼ってあった。 その一部が剥がれ、時間の経過を思わせる。 「じゃあ」という言葉に残された余白 少しぱっつんぱっつんになった前髪は、当時を彷彿とさせたのだろう。 自転車で帰る彼女の表情は別れの時のこわばりが取れて、前向きになってエンドロールを迎える。 点とはホクロであり過去でもあったが、同時に今のこの時点を指している。 一旦過去に戻ってリセットされた気持ちは、この時点から明るくなってゆく。 トモエはまた新しい自分自身を見つけていくのだろう。 不倫を終わらせ、心の不安定さから解放されるのだろう。 とてもいい作品だった。
観終わってから判ったのだが、 この映画は「愚行録」、「ある男」を撮った石川慶監督の作品だった。 どちらも妻夫木聡が主演していて印象的な映画だった。 この映画も短いが印象的な映画だった。
動画配信で映画「点(2017)」を見た。 2017年製作/26分/日本 配給:S・D・P 劇場公開日:2017年9月23日 山田孝之(高志) 中村ゆり(ともえ) 上映時間がわずか26分の映画だとは知らなかった。 ともえは実家に帰っていた。 友人の結婚式に出席するためだった。 そのために首筋の産毛を剃ってもらうために 理容店を訪れる。 そこは高校の同級生の高志の店だった。 高志は6年前に亡くなった父親の店を継いだのだった。 ともえを見た時に、 固まってしまう高志。 ともえは終始ぎこちない笑顔だったが、 高志に好意を持っているのは明らかだった。 ともえのスマホが鳴る。 不倫相手だろうか、 男からのメール。 鏡の前に座るともえ。 準備をする高志。 またともえのスマホが鳴る。 通話するために店の外に出るともえ。 戻ってきたともえの髪を剃り始める高志。 ふたりの会話は続き、 この男女が高校生の時に付き合っていたことが判る。 調髪が終わり、 自転車に乗って走り出したともえは笑顔だった。 観終わってから判ったのだが、 この映画は「愚行録」、「ある男」を撮った石川慶監督の作品だった。 どちらも妻夫木聡が主演していて印象的な映画だった。 この映画も短いが印象的な映画だった。 オレは中村ゆりの泣きそうな笑顔が好きだなあ。 満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
サクッと30分以内26分ショートムービー
監督と脚本は『愚行録』『蜜蜂と遠雷』『Arc アーク』『ある男』の石川慶 ほぼ2時間いや90分でもしんどい けど30分以内なら観たい そんなときたまにある Google検索したらこの作品を見つけた 真夏の田舎 古びた理容店 女性客は店主の幼馴染で元恋人 上京しカメラアシスタントをやっていたが挫折して田舎に戻ってきた 店主も上京したのだがやはり挫折し田舎に戻ってきて店を継いだようだ 2人の微妙な関係から醸し出すギクシャクしたやりとりが良い ショートムービーのお相手役に中村ゆりというチョイスが絶妙だね 山田花子じゃないけど汗ばむ美女はちょっとエロい そんな前髪でいいのかよ プロでしょ 仕事どころじゃなかったのかな エンドロールあとにも続きあり 現代にタイムスリップした縄文人かと思うほど山田は毛深い
青春の14年後ショートムービー
山田孝之さんと中村ゆりさんのほぼ2人劇。 役者&タイトル&ジャケ観しました。 ショートムービーと知らずに観たので、急に終わってビックリしましたが…(笑) 中村ゆりさん、キレイなー。 床屋さんの雰囲気がとてもよくて。 外観もいいけれど、内装の古家具が艶やかで。 山田孝之さんの、あの、独り言にも近いようなしゃべりが上手。本人の素に近い感じもしてて。でも、きっと彼のことだから、なにかテーマはもってるのかな。 剃刀を愛でつつの髭(最後は胸毛)は、だんだんネタに見えてきましたが… ゆりさんは、ゆりまりのゆりさんなのですよね。 当時からお顔立ちは変わらないのに、全然イメージが違っていて、最初に知った時はとても驚きました。 女優でのご活躍を見ると、真摯に役者としての道を歩んできた感じがして、、何かグッとくるものがあります。 役柄はモヤッとしなくもないのですが… かつて好きだった人に会いたくなるような すがりたくなるような 切ないときってありますよね。
良作
わずか30分足らず、テレビドラマ1話分にも満たない短編ですが、きちんと映画として成立しているのに驚きました。 映像も美しく、主演二人の演技も良い。 特に中村ゆりさんが美しいです。 私はプロジェクターで視聴しましたが、テレビ画面ではなく、スクリーンで見るべき作品。
物足りない
分かる。 映像美と雰囲気でまるで京出汁の如き作品。 しかし物足りないわ。 出汁の効いた透き通るうどんスープに七味をかけたくなる。 季節が冬ならこのままでよかったかも。 夏は何か起きて欲しい。 あくまで個人的な感想です。
美しい映像美と辿々しくも美しい二人の時間
日本の美しさが見れるいい映画でした。 中村ゆりさんが兎に角美しい。 レトロでおしゃれな床屋。 二人の関係性がとても微笑ましい。 最後の挿入歌も最高じゃないですか。 最高です。
夏らしい爽やかな熱さを感じさせる作品。
内容は、昔からの幼馴染みで特別な関係だった男に久々に逢いに行き髪を切ってもらう事で、お互いの空白の14年の間と一緒にすごした14年間の過去が交差する物語。好きな言葉は『前髪も切ってもらおうかな?!』お互いの信頼関係が新たに構築されたと思われる心情が現れた言葉。お互いに幼馴染みであり手を繋ぐだけの初恋を抱いたであろうお互いの淡い過去と別々に過ごした空白の14年後現在の変化した関係に互いの心が酷く動揺するも互いの人生に後ろ向きでなく前向きに生きようと決意した所。好きなシーンは、夏の汗ばんだ頸のうなじを剃るために長い髪をかき揚げた時、突然の電話📞今の状況を打開する電話に決着をつけ自分の中で吹っ切り、その後やさしく元彼に身を委ねる愛撫するようにシェービングクリームをつけて、うなじに剃刀を立てるシーンがとてもエロかったです。学生時代の欲望の解放を表してある様で、あの場面は見てて緊張感があり非常に綺麗な表現でした。自分としては『前髪切ってもらおうかな?!』の台詞で終われば良かった様に感じました。最後の自転車は🚴♀️左向きに走っていない所が自分としては苦い感じがする作品でした。終始落ち着いていて胸の騒めく、とても大人なドラマでした。カット割や夏の風景の撮り方も心象表現が綺麗な場面で、とても爽やかな映像作品でした。最後のオマケはいるのかな?!自分は蛇足に思えて仕方ないです。
このレトロな床屋が良き
冒頭のぎこちない会話から、 ただの同級生❓ かと思ったら、 元カノ⁉️ 「覚えてる❓」て忘れる訳無いやん😆 あーでも、 高校生の時のお付き合いって、 そこまで親密で濃厚じゃない場合もあるから😳、忘れないけど記憶も薄いのかな。 山田孝之の、 セリフとも独り言とも取れる様な口調が、 高校時代の 「いつも優しい」タカちゃんを知らなくとも 想起させる。 トモエは、 何かと騒がしい現実の中で、 このノスタルジーに一瞬だけ浸りたくて、 項の剃毛を口実に会いに来た、 のだと思いたい。 30分足らずの映像で 意外と沁みた。
会話劇
田舎から脱出して東京を目指した若者。そして若手労働者がいなくなり過疎化していく田舎。田舎の床屋の子供がなんとなく田舎の床屋を継いで、なんとなく見合い結婚して、なんとなく子供産んで、なんとなく田舎で平々凡々な家庭。東京生活に疲れたOLが田舎に帰省して高校時代の元カレと再会。
何にも起きない脚本だからこそ
とても斬新です。これだけ何も起きない脚本でも制作してしまうのは驚きでした。 映画学校でこの脚本提出したら、だから何なの、何が言いたいのとさんざん突っ込まれて却下されそうだもの。 なんだけど、映像にするからこそ観れてしまう、魅せることができるっていう見本になる映画。 映画の出来栄えは、脚本だけでは判断できないって言いたいときに出す映画。 時折、はさまるブツ撮りのカットは意味深で魅せます。 こんな何にも起きない脚本でもつくるひとたちがいるんだっていう。 ただ高校のときの友達、つきあってた異性が訪ねてきたってことなんだけど、なんでもなさそうでも、それだけでも前向きに生きることができるんだっていう。 そこの細部に意味が宿ってるっていう。 ある意味情緒的で、ショートを作る側の方にも励みになる映画。 #点 #石川慶 #山田孝之#中村ゆり
すごく短い
けど、映画として成立してたと思う。うなじ剃るのってよく見るとエロいな。いつタガが外れるのか‥とドキドキしたが、結局何もなかったのがなお良い。短い時間で、二人の人となりが伝わった。 点、とは?
前髪と髭
田舎から離れた人と残る人の間には“差”がある。 それは言葉では表せない。 それを映像にした感じの短編。 「今」に疲れたともえは前髪を切ることで 元の位置から再出発。 高志は髭を剃ることで変わらぬ「今」から再出発。 役者、小道具、ロケーション、空気感。 全部良いが、1点だけとても残念。 「昔付き合ってた」というセリフと設定。 それを言わずに「もしかしたら・・・」って 前後の物語を想像させるのがショートの醍醐味。 そして映像の美学。 と、思う。
【動き出した時間(2)】
ストーリーとしては全く関連がないけれども、映画「アワー・フレンド」のエンディングで、デインがマットの家を後にするのを見て、止まっていた時間が動き出したような感じがして、この作品の中村ゆりさん演じるともえが、ちょっと微笑んで自転車を強く漕ぎ出すエンディングを思い出した。 なぜかは分からないけれど、どちらも、止まっていた時間が動き出したように感じられたのだ。 付き合っていたのかどうかもはっきりしない高志と、ともえ。 進路が違って、所謂、自然消滅したカップルのような感じかもしれない。 なかなか上手くいかない人生。 昔、好きだった人に会いたくなるのも分かる気がする。 夏、自転車、汗。 中村ゆりさんは、こんなに汗ばむ表情が似合うのかと思った。 いつまでたっても、年齢には関係なく、青春は青春のような気がした。 そして、この2人のぎこちない姿が、10数年ぶりに再開した2人をよく表現していて、ちょっと微笑ましい。 それぞれの人生にも、何かあるのだ。 でも、ともえが自転車で風を切り微笑む姿と、高志が自分の映った鏡の姿を見つめるのを見て、止まっていた時間が再び動き出したような気がした。 ちょっとしたきっかけで動き出す時間もあるのだ。 ともえがスカートで脚を組む様を、高志が鏡越しに見ちゃう姿とか遊び心があって笑えるし、ともえのうなじの髪とホクロが妙にセクシーなのも良かった😁
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