ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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アメリカの深い闇
監督、脚本はボーダーラインなどで脚本をつとめたテイラーシェリダン。
ネイティブ・アメリカンの保留地で少々の死体が発見され、第一発見者のハンターと新人FBI捜査官が調査を開始する。
ハンターのコリー役にはジェレミーレナー。
新人FBIのジェーン役にエリザベスオルセン。
どちらもアベンジャーズで有名なお2人ですね。
舞台はかつて白人によって追いやられた辺境の地ワイオミング州のウィンドリバー。
ネイティブ・アメリカン保留地は白人に対する強い嫌悪感もあり、星条旗を逆さまになっていたり、白人の新人FBI捜査官にも敵意を隠すこともなくあらわしています。
それもそのはずで、事件として成立しなければ死亡者数や行方不明者数もカウントされず、FBIものこのこ引き返さなければなりません。
その為、保留地では無法地帯と化しているところも多々ありガン患者が亡くなってしまうより殺人事件の死亡率の方が高いそうです。
しっかりとメッセージを残してくれている映画ですが、エンターテイメント性も高くハンターのジェレミーレナーがホークアイのような超人的な活躍を見せる場面あり、FBI捜査官のエリザベスオルセンの魅力もたっぷりです。
また、ストーリーもただのサスペンススリラーではなく娘を亡くした父2人のドラマにも焦点をあてられ見応えたっぷりです。
しかし、ナタリーもいつかはウィンドリバーを後にして白人が作り上げた都会に行く事を夢みていたのでしょうね。
恐らくコリーの娘さんも。
オススメです。
久しぶりに良い映画に出会えた!
白い大地
白い大地は、不毛で何もない。
そんな場所に、インディアン居留地が作られ、彼らはそこに押し込められたのだ。
これは、紛れもないアメリカ合衆国の歴史だ。
そして、そんな場所に資源が見つかれば、我が物顔で、所有権を主張する。
シェール石油やガスのブームに乗って、あちこちを掘り起こそうとしている現代アメリカ社会の様子も伺える。
この事件の背景は、ここまでがセットだ。
生まれた人種や民族、国や地域、場所によって行われる苛烈な差別や偏見。
これは、何もアメリカに限った話ではないだろう。
中国のウイグル人に対する苛烈な差別や、自治区でレアアースなど貴重な資源が見つかると漢民族が大挙してやってきて、大地を掘り起こしていくのもそうだ。
日本でも、北海道の開拓では、アイヌを迫害し、狭い地域に追いやったし、すこし前に、アイヌ女性に対して、開拓者がレイプをしていたというようなことを伝えるドラマを見た覚えがある。
この映画を観て、したり顔で、アメリカの暗部・闇の歴史、法の及ばない場所がある、など言うのは簡単だ。
レイプしたり、人を簡単に殺してしまうような連中には憤りを感じるし、そんな奴らが、猟銃の弾丸で撃たれ、吹き飛ぶ様を見ると、ざまみろみたいな感覚にも囚われる。
この映画は実際にあった事件をベースに作られたものだが、彼らインディアンは、復讐に囚われて生きているのだろうか。
暴力には暴力しか手立てはないと思っているのだろうか。
白人が持ち込んだ薬物の中毒になってしまった息子を一時は見放したものの、迎えに行くつもりだと話すインディアンの父親の気持ちを考えると、そんなことはないのだと改めて感じる。
そう、ここまでが、この映画のストーリーなのだ。
悲しみは時が癒すというが実際は違う。 痛みには慣れる。 良い知らせ...
やりきれない
マイノリティというか見捨てられた土地というか、
あの広大な地域に警官が6人しかいないっていうのもアレだけど、
そんなんなら自警主義が強くても納得だよねって説得力にもなってる。
今回のコロナ騒動で銃弾が品薄になってるなんて話があるくらい
アメリカ人は自警意識が強いらしいけど、
それってどうなのかと思う部分は正直あったんですよ。
だってそれって憎悪犯罪につながりやすいじゃん、と。
だけどこの作品を見ると、法の裁きじゃ生ぬるいってこともあるよなと。
法治国家に住む現代人として、かなり野蛮な思想だとは思うけど
やっぱり人間とは呼べない、駆除すべき犯罪者ってのが存在するよねと。
西洋人なら宗教を拠り所にしがちな、神の裁きとか言いがちなこういうところを
しっかり個人に焦点を当てた本作は、それだけでも傑作というか
そうとう深い思慮のうえでつくられたんだろうと感動した。
けっきょくは、人。どう生きて、どんな人間と関係を築くか。
古くは自然の脅威が生死に直結したように、
現代では他人との関係が最大のリスクなのかもしれない。
一人の親として、大きな問題提起をされた気分。
公開時に渋谷の劇場で観てから2年半
非常に満足度は高かった。 分かりやすいラストだし アカデミー候補に...
非常に満足度は高かった。
分かりやすいラストだし
アカデミー候補になってもよかったんじゃないかな…
この映画が初監督作品らしい…
今後が楽しみな監督ですね。
2017年 ハリウッド映画賞 - ブレイクスルー監督
2017年 カンヌ国際映画祭 - ある視点部門 監督賞
良い意味で社会派と思わせない。
インフィニティウォー
また実話ですって。そのテロップは最後にしてよ。
全く意外なミステリーで、犯人追跡がメインでは有るが、それ以上にこの「ウインドリバー居留地」のアナーキーさに、ホントに最近の出来事なのかと疑いたくなる。
「ボーダーライン」も中々の無法地帯だったが、この地の救いの無さはどうしようも無い。警察官6人しか居なくて、殺人あってもFBIから1人しか来ないって、どんだけ格差あるねん!
「この地に運なんて無いさ」というのも分かる。
でFBIのスカーレットウィッチが超能力で犯人を探して、ホークアイが弓矢で仕留める(ほとんど嘘)訳ですが、スカーレットの名前がバナーと言うのもボケなんでしょうか?(これは本当)
ジェレミーレナーの最初のカモフラージュの防寒着がカッコいいなあ。
何言いたいかよく分かんない文章ですが、アメリカにはこういう無法地帯はまだまだありそうで、住民にとっては、特に先住民の人々にとっては永遠に終わらない戦いである事に違いない。
受け入れることの意志と強さ
ぜひ鑑賞して頂きたい秀作だったと思います。
インディアン居住地で発生した少女殺害事件を、FBI女性捜査員と彼女に協力するハンターが捜査する物語。
派手さはありませんが、しっかりとした設定とストーリーは見るものを引き込みます。クライマックスの緊張感、絶体絶命のピンチ、犯人に対する復讐が鑑賞者のカタルシスを高めてくれます。
極寒の中で必死に逃げた少女の恐怖と無念は最後までしっかりと語りつつ、それでも後味の良いエンディングに繋げているので、鑑賞後に暗い気持ちにならずにすみました。
一つ注文を付けるとすれば、主人公はインディアンであった欲しかった作品ですが、現状のハリウッドの状況を考えると難しいのでしょうね。
アメリカの闇…
正直、アメリカの先住民族“ネイティブ・アメリカン”の人達の置かれている状況など、表面的にしか知らなかったけれど…本当に酷い話だと思った。
でも、どこの国でも そうやって争いを繰り返し、勝者の影に追いやられ苦しんでいる人達が沢山いるんだよなぁと改めて思った。
何も出来ない土地に押し込められ、今までに沢山の女性達を含めた人達が行方不明になっている。
きちんと取り締まる警察もなく有耶無耶にされ、諦めるしかない。
アメリカやカナダには、今でもそういう土地(保留地)が沢山あるらしい。
この作品では、そこに焦点を当てている。
野生生物局のコリー(ジェレミー・レナー)と、FBIから派遣された捜査官ジェーン(エリザベス・オルセン)が、犯人を探すべく立ち上がる。
作品とは 全然関係ないかも知れないけれど、ANTHRAXの「INDIANS」って曲があって、その頃はサビの所しか良く解かんなかったけど(笑)、LIVEでもメチャクチャ盛り上がって…でも、今考えたら 哀しい曲なんだなーって…。
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