ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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主人公のジェレミーレナー、ハートロッカーで観た人だった。今回もまた...
主人公のジェレミーレナー、ハートロッカーで観た人だった。今回もまた強い男であった。緒形拳を思い出した、渋い顔。これ実話だとか。FBIの送り込んだ女性強いけど、たった一人送り込むって、予想外の展開だったのかな?あんなに沢山死ぬとは思わなかった。ネイティブアメリカンの女性って、差別を受けているのですね。それで獣の餌食に。酷い男たち。
良い意味で社会派と思わせない。
最後まで見れば、途中でメッセージ性の強さに気づき、新たな学びや課題意識を持つことができる。 しかし、それを抜きにしてもサスペンスとして上手く出来ている。音の使い方ひとつにしても、人物の感情の描写ひとつにしても上手い。 ストーリーは他のサスペンスやミステリーに比べれば浅いと感じるかもしれないが、メッセージ性のバランスや他の技術を鑑みれば特に気にならず、むしろ引き立たせていると評価することができる。 社会派な部分を抜きに一言で言えば、最高の鬱サスペンスと言える。
インフィニティウォー
また実話ですって。そのテロップは最後にしてよ。 全く意外なミステリーで、犯人追跡がメインでは有るが、それ以上にこの「ウインドリバー居留地」のアナーキーさに、ホントに最近の出来事なのかと疑いたくなる。 「ボーダーライン」も中々の無法地帯だったが、この地の救いの無さはどうしようも無い。警察官6人しか居なくて、殺人あってもFBIから1人しか来ないって、どんだけ格差あるねん! 「この地に運なんて無いさ」というのも分かる。 でFBIのスカーレットウィッチが超能力で犯人を探して、ホークアイが弓矢で仕留める(ほとんど嘘)訳ですが、スカーレットの名前がバナーと言うのもボケなんでしょうか?(これは本当) ジェレミーレナーの最初のカモフラージュの防寒着がカッコいいなあ。 何言いたいかよく分かんない文章ですが、アメリカにはこういう無法地帯はまだまだありそうで、住民にとっては、特に先住民の人々にとっては永遠に終わらない戦いである事に違いない。
受け入れることの意志と強さ
ネイティブ・アメリカンとして現代を生きて行く難しさ、偏見、差別、コミュニティの絆、そして葛藤と苛立ち、受け入れる事の意志を、素晴らしい風景と映像で物語る作品です。 根底あるアメリカの最悪な部分と、それでも受け入れ続ける人の強さに心打たれます。 まるで「スリー・ビルボード」を観終わった時と同じ、心に染み込む映画です。
ぜひ鑑賞して頂きたい秀作だったと思います。
インディアン居住地で発生した少女殺害事件を、FBI女性捜査員と彼女に協力するハンターが捜査する物語。 派手さはありませんが、しっかりとした設定とストーリーは見るものを引き込みます。クライマックスの緊張感、絶体絶命のピンチ、犯人に対する復讐が鑑賞者のカタルシスを高めてくれます。 極寒の中で必死に逃げた少女の恐怖と無念は最後までしっかりと語りつつ、それでも後味の良いエンディングに繋げているので、鑑賞後に暗い気持ちにならずにすみました。 一つ注文を付けるとすれば、主人公はインディアンであった欲しかった作品ですが、現状のハリウッドの状況を考えると難しいのでしょうね。
陸の孤島で人間の本性が露わに
人間には「根」が必要だと誰がいったか。
この映画にはその「根」を無くした者が多く登場する。
娘を亡くし他の家族すら失った者、民族の生きた土地を奪われアイデンティティを無くしたもの、自分を見失い彷徨う者…。
極寒の僻地という陸の孤島は、そういった精神の分断も生むものなのだろうか。容易に無法地帯と化すことが、恐ろしかった。
雪や自然に閉ざされ押し込められた人間達の、行き場のない恐怖にも似た鬱憤が吐き出された形で少女を襲う。
しかし同じく娘を殺されたにも関わらず、その場所に生きることを従容として受けとめる主役のコリー。その姿はまるで動物のように淡々として力強く、自然的だ。
自然の猛威に間接的に殺された形となった少女の、最後まで諦めず生き延びようとした姿と、それに対比して少女を嬲りものにした男の軟弱さが際だつ。自分の犯した罪からも、人生からも逃げ出すその弱さ。コリーに制裁を加えられる姿はあまりに哀れ。
追悼の儀式を忘れたネイティブアメリカンの姿も、人生の痛みにもまして、失われた歴史の重みを感じさせ痛々しかった。
事件自体は単純だが、ひどく苦しい、苦い映画だった。どんな土地であれ、責任転嫁せず、自分を見失わず生きることのしんどさが重くのしかかった。
馬鹿な感想ですが、
予備知識無く鑑賞。
あっホークアイの人だ!
銃と弓矢の違いはあるけど獲物を狙撃してる。
まさにホークアイじゃん。
なんて馬鹿なことを思いつつ物語は粛々と進み、遺体発見。
FBI到着。
あっスカーレットウィッチの人だ!
完全にアベンジャーズじゃん。
なんて馬鹿なことを思いつつ物語は粛々と進み、採掘場へ。
あっウォーキングデッドの人だ!
こいつがレイプ犯に違いないっ!
なんて馬鹿なことを思いつつ物語は急展開を迎え銃撃戦。
からの、ハンムラビ法典的な「目には目を」のラストでカタルシス!
閉鎖的な土地での雰囲気抜群の映画でした!
なのですが、
過酷な環境の居留地に追いやられたネイティブアメリカンと追いやった白人の理不尽な差別や軋轢から生じた犯罪って訳でも無く、設定を生かし切れてないなと感じました。
広大な土地に6人しか警官がいない無法地帯が存在するってテーマだったのかな?
だとしても、土地のスケール感がイメージ出来なかったり、そもそも人があんまり住んでなさそうじゃんとか思ったり。
すみません、馬鹿な感想で。
社会の闇を描いた映画でもある
最後に「ネイティブアメリカン女性の失踪者に関する統計は存在しない」と。
ネイティブアメリカンの移住区(正式にはなんと呼ばれてるかわからないけど、強制的に住まわされた土地)で事件が起こる。
寒さと孤独しかない土地で起こる事件。
本当にこんな事件が起こっているのかもしれない。
基本的にはサスペンスだけど、ネイティブアメリカンとアメリカン。今では区別すること自体が難しくいけないかもしれないが、厳しい土地に強制的に連れてこられたんだなあと。
ネイティブアメリカンに敬意を感じる映画でした。
アメリカの闇…
正直、アメリカの先住民族“ネイティブ・アメリカン”の人達の置かれている状況など、表面的にしか知らなかったけれど…本当に酷い話だと思った。 でも、どこの国でも そうやって争いを繰り返し、勝者の影に追いやられ苦しんでいる人達が沢山いるんだよなぁと改めて思った。 何も出来ない土地に押し込められ、今までに沢山の女性達を含めた人達が行方不明になっている。 きちんと取り締まる警察もなく有耶無耶にされ、諦めるしかない。 アメリカやカナダには、今でもそういう土地(保留地)が沢山あるらしい。 この作品では、そこに焦点を当てている。 野生生物局のコリー(ジェレミー・レナー)と、FBIから派遣された捜査官ジェーン(エリザベス・オルセン)が、犯人を探すべく立ち上がる。 作品とは 全然関係ないかも知れないけれど、ANTHRAXの「INDIANS」って曲があって、その頃はサビの所しか良く解かんなかったけど(笑)、LIVEでもメチャクチャ盛り上がって…でも、今考えたら 哀しい曲なんだなーって…。
彼女は雪の中裸足で10kmも走った
彼女は死の直前10kmも裸足のまま走った
それは彼を助けるための懸命の走りだった
失った悲しみが癒えることはない
ただ強いて言えば苦しみに耐えられるようになるだけ
でもその苦しみから逃れては本当に彼女を失ってしまう
だから苦しみから逃げずに耐えるのだ
主人公の言葉の重みがしみじみと全編にわたって染み渡る作品
犯人はみな成敗されるのではあり気持ちとしては折り合いがつくとはいえ、見る人にとっても悲しみと苦しみを共感せざるを得ない
ネイティブアメリカンの厳しい境遇とその現実について考える。こういう人が大勢いると考えると他人事ではない。
この映画にはそのヒントがある
・死因が寒さによる窒息であれば他殺と診断できないのでFBIは捜査にこない
・ネイティブアメリカンの女性の失踪が発生している
・ネイティブアメリカンの父親は自身に死に化粧を施していたが親から聞いたものではなく独自のもの。ネイティブアメリカンの伝統も失われている
・ネイティブアメリカンの居留地は寒さの厳しい場所しかなく厳しい環境を強いられている
・そうした環境を抜け出したいが麻薬の売人などに向かう若者もいる
ジェレミー・レナーの人間性、じんわりとした優しさに涙。また、女性捜...
ジェレミー・レナーの人間性、じんわりとした優しさに涙。また、女性捜査官が未熟ながら熱いFBI魂を持っていて好感を持てた。最後には認め合う二人の関係性も素晴らしい。
浮ついた感じがなく
雪山というロケーションが印象に残るサスペンス。トリック云々ではなく事件そのものを見せる内容。浮ついた感じがなくまじめに見れるし良いです。 しかしまあ、これは、この作品に限ったことではないが、1事件に対して解決時の惨劇が遥かに上回ってしまう、あれって果たしてどうなのか笑一件落着みたいにしてるけど、ずいぶん殺したよ、と。 これって映画ではよくあるし、べつにいいんだけど、今作はまじめな内容だったぶんその違和感がすごかった。。アクションかバイオレンスなら悪役一掃する場面はスルーできるが、あの銃撃戦の死者数は全米トップニュース級だろ。ブランコの横で座ってられんと思う笑
パッケージだけで何となく見ていいレベルじゃない
初めは普通のサスペンスなんだと思ってキャッチコピーとパッケージのカッコ良さから何となく見始めたら止まらなかった。
皆ネイティブ・アメリカンに触れた深い感想を書いていて自分の無知を恥じた。
あれほどの閉鎖的な土地にいたらピートのように頭狂ってしまうのだろうか。
でも犯した罪は心のそこから軽蔑し許せない。クズオブクズ。あいつがちょっかい出さなきゃ何も起きなかったのにあのバカっつらが本当クソ忌々しい。
コリーの娘を亡くしたことを受け入れる姿勢がこの世にたくさん居る「遺族」の一つのあり方だと思った。復讐に駆られるのでなくその感情と戦うことで亡くした娘に心の中でいつでも会える。何という強さ。
私は映画通でもないしマーベルもあまり見ないので役者さんの前イメージはまったくない状態で見た。
裸足でマイナス20度の雪原を10kg走った被害者。彼女も強者。戦士。
どんなに苦しくて怖くて辛くて痛くて悲しかっただろうか。彼女は10kg走ったよ・・10km・・・
犯人は100m。100倍走ったよ・・・
日本にいて平和で彼らからしたら極楽浄土のような場所に住んでいると(勿論私の計り知れない苦労をしている人が日本にも溢れていることは重々承知だけど)何故あんなちょっとしたきっかけで殺し合いになるんだ。
同僚じゃないか。なんであんなに銃が溢れてるんだ。なんで人はあんな簡単に狂気になるんだ。
エミリーの真相がわからないことが物凄くリアル。今回のケースのようにわかる場合は稀でわからないまま悲しみと対話して生きていく親が沢山いるんだろう。
見応えがあった。
ピートのクソ野郎!
レビュー
ワイオミング州・ウインドリバーでの先住民族に関する情報を基にした映画。 何が正しいかは観る人に委ねられていますが、その異常性が際立っています🦊💦 極寒で広大な土地、僅かな警察、職の少なさ…社会問題の一つにスポットを当てて、現実を見事に描かれていました🦊
加害者としての我々、というか俺たち
端のことを考えることは自分のことを思い直すことである、というねじれたように聞こえるけれど真実である、ということを映画にしている。 最小限の言葉で繋がっていく数日間、数年間、数百年間、という、とてつもないスケールの話をたったの2時間未満で描ききっている。 脚本が見事過ぎて演出の良さがわからないくらい。 見事っ!
こんなにシンプルなのに深く染みる
極限にデカい密室で繰り広げられる犯人探し。特にミスリードもどんでん返しもない。はずなのに、切り取られた世界と人を深く掘り下げてリアルにリアルに描いているので、恐ろしく引き込まれる。派手なドンパチもカーチェイスもない、でも先住民居住区にすべてを取り上げられ投げ出された者たちの悲痛な思いだけが、静かに画面を覆い続ける。 端的にスッゲー良かった。
高評価なのも納得です。 エリザベス・オルセンも素晴らしい演技でした...
高評価なのも納得です。 エリザベス・オルセンも素晴らしい演技でしたが、ジェレミー・レナーの演技は秀逸でしたね。 主人公であるコリー・ランバートの内面を見事に表していたと思います。 “ボーダーライン”もそうでしたが、ずっしりと重く心に響くテイラー・シェリダン脚本らしい作品でした。 これもアメリカの現状のひとつなんですよね。 考えさせられるものがありました。 テイラー・シェリダンの脚本、どうやら僕の好みみたいです。 without Remorse楽しみです。
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