ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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先住民族の悲しみを見た
実話に基づいた作品。
若い先住民の女性の遺体が見つかり、FBI捜査官が捜査にやってくるが、その地域の闇が明らかになっていく。
どこまでが事実で、どこからが創作なのかわかりませんが、非常に重厚な物語です。“自由と平等の国”と言われれるアメリカですが、その“自由と平等”は白人間で存在するだけで、その他の民族には全く顧みられることは無いと言う事を如実に感じさせますね。特にアメリカの先住民族は、過去に絶滅政策を取られ、そして今は、狭い居留地に閉じ込められていると言う現実を感じずにはいられません。
そんな複雑な環境の元、自身も先住民族の妻を過去に持っていた野生生物局のハンターをジェレミー・レナーが演じています。彼自身は白人ですが、嘗て、先住民族を妻に持っていたと言う事と、彼自身の過去の経験で、今回の事件被害者の親族に心寄せる姿を見せています。今回、彼は、FBI捜査官のジェーンの協力要請で捜査に協力する事になっていますが、過去の自分の体験から、今回の犯人に対して静かで激しい怒りを覚えていて、ジェーンからの協力要請が無くても、たぶん彼一人でも、犯人を捜したのではないかと思います。
そして、そのFBI捜査官を演じるのがエリザベス・オルセン。いつ如何なるところに派遣されるのかわからないのがFBI捜査官なのでしょうが、まだ寒いワイオミングに来るのに、必要な装備品を持ってきていないと言う初歩的なミスを犯します。でも、その後、熱心に捜査に取り組む姿を見せて、居留地警察にも一定の信頼を得たみたいですね。
いやぁ、それにしても、この作品は、未だに残るアメリカの闇を見事に見せていますね。重いです。
アベンジャーズ
先住民保留区で起こった事実に基づいた問題作。
ワイオミング州の事実に基づいた物語。
先住民保留区であるウインドリバー。
街からも離れ雪に覆われた場所で
ひとりの先住民の娘が凍死し発見された。
地元のハンター、コリーは派遣された
新米FBIのジェーンと事件の真相を追う事に。
監督は俳優出身かつ、脚本家で今作で
監督デビューのテイラー・シェリダン。
実話ベースなので奇をてらったサイコスリラー的な
要素はありませんが、ズシンと来るメッセージ性がある。
過去、白人が先住民を追いやり植民地としてアメリカに住み出し
現在に至ってなお、先住民を足蹴にする様が見える。
移民国家アメリカには人種間の問題も多いが、
こういった映画で語られなければ
事件や被害者について全く知られる事がない訳で
まさにそういった方々への慰霊の意味も含めた映画と言える。
日本人には理解しにくい部分はあるが大変に良かった
まず、本作品が実話に基づいて作らている事で、このお話と言うか事件自体は私自身知りませんでした。
ですので、この事件を知らない人にとっては、前半、単なるサスペンスなんだろうかと思ってしまいますが、後半から段々訳が分かってくると、非常に問題作品なんだろうと思えます。
全編、ミディアムテンポで話が流れていきますが、しかし、グイグイ話に引き込まれると言うか、大変に良い映画でした。
本作品を監督したテイラー・シェリダン(前作品は、脚本ですが)やキャスリン・ビグロー監督ってこの手の実話と言うか重いテーマの作品を撮らせたら本当に上手だな、また、最初は主演のジェレミー・レナーと共演のエリザベス・オルセンは別の意味で、ツーショットが面白かったな、しかし、お話が進むと、別の意味でツーショットがどうでもよくなり、寒い地域独特の雰囲気や掟など、日本にない習慣なども別の意味合いで楽しめる映画かな・・・
ただ、難解なのは、やはりアメリカと言うお国柄の話である事から、アメリカ人にとっては、常識的でも、日本人的には理解出来ない部分があり、その辺は、ちょっと複雑かな、事前に分かるともっと映画の内容が理解しやすくなるな、また、内容が内容だけに、少し不謹慎かもしれませんが、ラスト近くの銃撃戦は、アル・パチーノ主演の「スカーフェイス」のラストの銃撃戦よりも迫力が有って良かったな、正にリアル感満載でした。
本年度上映の「スリー・ビルボード」も同じような扱いの映画でしたが、個人的には、本作品の出来の方が私的にはいいと思う。
ジェレミー・レナー、少し見直したな・・・・
すごく考えさせらる映画
『ボーダーライン』『最後の追跡』の脚本家テイラー・シェリンダンの初監督作品。
実話に基づいたサスペンス、アメリカの先住民居住地域ウインド・リバーで起こった少女殺人事件を、地元のハンターと新米FBI捜査官が真相に迫っていくストーリー。
主演は、「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナーと、「アベンジャーズ」シリーズのエリザベス・オルセン。
サスペンスでも、とても、考えさせられる作品でした。ストーリーを通して、アメリカの中の闇の部分を読み取ることでできます。
事件が起きても、アメリカであまり重要視されなかった。ネイティブアメリカンが差別されてたことの肌感が伝わってきました。そして、地元の人々の怒り、白人との溝の深さ。
ジェレミーが演じる主人公コリー、彼の経験したことについて、多くは語られていませんが、彼の抱えられ怒り、悲しみ、愛おしさ、表情からリアルに伝り、静かなシーンの中から多くの感情を読み取ることができる。
ショッキングなシーンもあり、後味の良い映画とは言えませんが、視聴者の想像を掻き立てることによって伝える描写がアートでした。
先住民族に対しての映画
ストーリーよりも助演女優のエリザベス・オルセンが
個人的見解だが元世界準ミスの知花くららに似ていて
それが気になってしかたなかったのが印象的でした。
ストーリーは地方の田舎町でよくある隠されてうもれて
しまうような事件なのだがそれを何故かFBIが
捜査に乗り出してくるというストーリー
その被害者が先住民だと言う事、死因も不可解な事
そしてそういう事件記事も先住民は
何故かニュースにも取り上げられないこの不文律の実態を
作者、脚本家は言いたいようです。
アカデミー賞候補だそうですが虚しさが残る映画ですので
評価は低いです。
追記 注) 後、この映画はレイプシーンが含まれているので
そのようなシーンが苦手な人は見ない方が良いです。
事件の真相が突きつける因果応報が氷のように冷たいサスペンス
野生生物局職員のコリーは3年前に亡くした自分の娘の親友だったナンシーの凍死体をワイオミング州ウィンドリバー保留区の雪原で発見する。FBIから派遣された新米の捜査官ジェーンは捜査を開始、検視の結果暴行された痕跡はあるものの死因は肺出血であり他殺と断定出来ずFBIの応援を依頼出来ない。ジェーンは渋るコリーを説得して捜査に協力させるが、その先には絶望的な闇が広がっていた。
ジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンのアベンジャーズ組によるサスペンスながら内容は物凄く地味。雪に閉ざされたネイティヴアメリカンの保留区で起こった事件を追うドラマは拍子抜けするほどにシンプルですが、突きつけられる現実は途方もなく重く事件の真相が突きつける因果応報が氷のように冷たい。主演のジェレミー・レナーにとっては『ハート・ロッカー』に次ぐ代表作となった印象的な作品です。
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