ウインド・リバーのレビュー・感想・評価
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雪上ジェットカーだけが爽快だった。
愛情の反対は憎しみではなく無関心だ。アメリカ合衆国はネーティブアメリカンたちを特定の居住区に隔離している。先住民に対するリスペクトはない。フロンティアは逆方向から見れば侵襲だ。中央から無関心に放置され閉ざされた住民たちの悲しみの連鎖が切り取られた秀作であると思う。白い雪の上の真っ赤な血のごとく浮かび上がった。吹雪が去ればまた、血潮も犯人の足跡も消し去ってしまう非常な土地で。
(ふと、沖縄に思いが入ってしまったのは私だけではないのではないか。)
希望に満ちたいたいけな少女が犠牲になる殺人事件は個人的な悲劇だが、住民たちの集合意識の一部でもある。コヨーテは、家畜や放置された死体には手をつける。しかし、本当の獣のような鬼畜は暖房の効いたインドアにしかいなかった。
隔離されていても武器と薬はやすやすと侵襲してくることも悲劇を増幅する。殺人事件と立件されない限りFBI捜査官はたった一人張り付くことすら難しいこととの対照も実に皮肉であった。
主人公二人の表情の豊かさと、映画ならではの臨場感あふれる雪上ジェットシーンの爽快さに救われた。
期待どおり
ネイティブアメリカの片田舎のお話し。彼らは昔から差別的な扱いをされて来たのが垣間見れる。ある事件を境に主人公の復讐が始まる。片田舎のハンターにしてはカッコよく、腕もある。序盤から惹き付けられ、最後はスカッと✨見る価値あり
生きてく
114本目。 生きるではなく、生きてく。 ジェレミー・レナーが出てるのは知ってけどエリザベス・オルセンも出てる。 エリザベス・オルセンはアベンジャーズでは、そんなに惹かれなかったけどこの作品で大分惹かれた。
バートンとワンダ
アメリカの闇に切り込んだ快作だと思います。 全編緊張感に満ちておりますが、結末には快感がありました。司法に任せてたまるかって。 心に残る一本でした。 スリービルボードと比べてしまう方もいるかもですが、個人的には本作の方が遥かに好きでした。 ジョンバーンサルがある役を演じてるのですが、笑顔の裏になんかありそうで、ほんの少しノイズになったのは自分だけすかね笑
大傑作
大傑作でしょう
ネイティブアメリカンの歴史を前もって頭に入れてから見るべきか。
アクション的演出皆無(ちょいレザボアドッグス風)の終盤の銃撃戦、レイプに至るまでの描写、主演のレナーとヒロインのオルセンが恋仲にならないとこ等々超自然体の演出にも関わらずエンターテイメントとして飽きずに見れた。
アメリカの現状を他人事として映画で学ぶというより自分の胸に突き刺さるセリフ「現状ある全ては自分の選択だ。」「世界と闘うのでなく俺は自分の感情と闘っている」「あいつは俺たちのように忍耐強くないから気にかけてやれ」等々、演技に久しぶりに感動した作品。
伝えられない余韻
見終わって痛みの余韻が残る。 こんな作品は初めてだ。 この作品について、レビューする言葉が見つからない。文字では伝えられない。 今年一番の作品。 おそらくこの作品を忘れる事はないだらう。
殺人さえも日常
会話もアクションもどこか淡々としていて、殺人さえそれが続いてゆく人生の一部だと突きつけられる。ネイティブ・アメリカンが追いやられた土地と歴史がそう納得しなければ生きられないのだとしたら。なんともやるせない気持ちになった。
アメリカ的な内容
2人のカップルが殺されたことに対する刑事の復習劇だが、そのために銃撃戦で双方10人以上死ぬと言う効率の悪い展開に、銃社会の恐ろしさを感じた。
ストーリーも終始暗く良い所を見出せなかった。
前提知識がなく観たので、ジェレミーレナー主演の硬派ミステリーアクシ...
前提知識がなく観たので、ジェレミーレナー主演の硬派ミステリーアクションという印象だったが、現実的にこのようなアメリカ原住民女性の行方不明が頻繁に起こっていたことを知り自身の姿勢を正した。
たしかに西部劇
詳細な話はしないけど、是非見てほしい アメリカって複雑な問題を抱えてて、それをポリコネで覆い隠してたんだなって。 アメリカなんかに比べると、日本なんか平和なもんですよ。 インディアン居留地なんてないし 警察が来られないから、銃武装しないと生きられないとか 未来がなさ過ぎて麻薬に溺れるしかしようがないとか(失業率80パーだって レイプの認知件数なんか30倍くらいちがった
まさに「見ごたえ」の映画
物語、キャラクター、音楽…すごく好きな映画。 アメリカが歴史的に抱える社会的な闇や、ドラッグや性暴力、銃社会の問題など。 主人公のコリーが最後に言う。 「ここにいる人達には、前に進むか諦めるかしかない」 確かに、よそ者であるFBI捜査官のジェーン は当初から「運」という言葉をよく使っていた。しかし運の良し悪しなんてものは、生きる上での選択肢が多い人だけに与えられたものである、と。 何もない辺境のこの地で人々が死に物狂いで生きていく姿に、恵まれた我々の尺度で形式的な正義を本当に押し付けていいのだろうか。 ラスト以外にも作品のあちらこちらに「名言」が散りばめられている。 見終わった後、身体も心もズッシリくる。 これが映画体験だ!という見本の様な作品。
西部劇
ワイオミング州ウィンドリバー。人里離れた酷寒の地は、インディアン居留地でもある。そこで起きた若い娘の死亡事件。先住民を追いやったアメリカの歴史を背景に、事件を追う物語。 主人公のハンター、コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は、家畜を荒らすコヨーテ狩りの際に、雪の中に若い娘の遺体を見つける。そこへ派遣されて来たFBI女性捜査官のジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)。この地の状況を把握しないまま現地入りし、コリーに協力を仰ぎ、共に捜査をする事に。 しかし、酷寒の僻地は、厳しい自然が生活に困難さを与えるだけでなく、社会から隔離され、人間の精神を容赦なく蝕んでいて、都会の常識が通用しない。この広くて狭い社会で、法や正義をかざしても、誰も振り向かない。 コリーは自らのやり方で捜査を進め、バナー捜査官も戸惑いながらも、そのやり方を徐々に理解していく。その過程で、捜査に協力するコリーの思いが、彼の過去とともに明かされていく。 ジェレミー・レナーの悲哀を抱えた、強い男の渋さが光り、エリザベス・オルセンの現実主義的な捜査官ぶりがうまく絡みあって、よいテンポで物語を先に運ぶ。酷い現実と厳しい自然が、これでもかと人間を痛めつける様はサディスティックだ。それに加えて暴力とドラッグで、人々は互いに痛めつけ合う。それが淡々として描かれていて、物悲しく見える。夏だから良いものの、これを冬の雨の日に見たらメンタルやられそうな勢いだ。 社会問題を背景としているが、単品のサスペンスとしても楽しめる、出来の良い作品だ。
最後まで静かな緊迫感に包まれた
被害者父親と主人公の心が切り裂けそうな怒りと悲しみが終始ジンジン伝わったストーリーであり、演技力だった😢 これが事実に基づいた話なので尚のこと。 ネイティブアメリカンが今も苦しい立場であることも、改めて認識。😧😠
緊迫感
独特の緊張感と不安を煽る音楽はボーダーラインを彷彿とさせる。メキシコの荒廃した光景がとにかくハマっていたボーダーラインに対し、今作の舞台は雪の美しさと殺風景さ、そして見放されてしまったような絶望さえも思わせる。 全編を通しての緊迫感がすごい。が、その分ラストのオチは微妙。実話なら仕方ないが。 主人公二人の安定感がすごい。
鹿が襲われるのは運が悪いからじゃない、弱いからだ。
舞台はネイティブアメリカンが追いやられた地という時代背景を持つ閉鎖的な町。 張り詰める空気。誰の目線なんだろうという映像に緊張感煽る音。 視覚と聴覚を刺激されるだけで感情は勝手に高ぶるものだ。 白ってこんなにも圧迫感のある色だったんだろうか。
とても面白かった
あまりに殺伐とした話で、見た直後は心にかなりのダメージを受ける。 銃による暴力描写において、射程距離の遠近による威力の差がとても面白く描かれていた。ライフルって凄い。 話が進むに連れて、個人の力では太刀打ちできないアメリカ社会のどす黒い部分が現れてくる。目を背けず見続けるには、主人公の無敵感すら漂う圧倒的な職業能力に身を委ねるしかない、という感じ。また、被害者の父親とのシーンを始め、対話を通じて心を通わせようとする場面も強い印象を残した。
猛暑の夏に心が凍るピッタリな作品!
実話ベースと言う事ですが、構成的にエンターテイメント性もあり、『羊達の沈黙』とまでは言わないがかなり良く練られていて、久々に骨太の観がいのある作品に出会えました。 ワイオミング州、ネイディブアメリカンのミステリアスな雰囲気を残すウィンド・リバーで、心を閉ざし社会に背を向けて生きる主人公、そのパートナーのFBI捜査官を亡き娘にダブらすあたりの細かい演出が本当に見事。 近年、複雑な社会の歪みから、法では裁けず割り切れない傾向の作品が多い中。 ワイオミングと言う人間が生きて行く上でギリギリの過酷な地だからこそ成立する、見事なクライムサスペンスに心が凍り着きました。
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