「裁く立場とは何か、真実を知った後の正義。」ウインド・リバー アルさんの映画レビュー(感想・評価)
裁く立場とは何か、真実を知った後の正義。
隔離されたも同然の極寒の山岳地帯で起こる、非日常的な日常。本来は法で裁かれるべき犯罪に、隔離されてしまっているが故に正義が揺れる。真相、復讐、後悔、仲間と家族、そして亡き娘達への変わらぬ愛。
前情報無しで観たので衝撃的だった。ジェレミー・レナー演じるコリー、エリザベス・オルセン演じるジェーン。アベンジャーズコンビの素晴らしい演技が、ラストまで一気に魅せてくれる。
特にジェレミー・レナーの、時間が解決するはずの心の痛みと、時間が解決し切れない心の内面を、表情と口数少ない言葉の絶妙な演技は必見。
復讐という重く難しいテーマを、自分ならどう行動するか考えさせられる。それにもかかわらず観終わった後の、何とも言えないスッとした気持ちは、結果として自分が求めていた通りだったからか。マーティンへの友としてのコリーの優しさ、ラストのゆっくりな一言一言が心に染みたからか。
重い内容だが、ゆっくり観て欲しい作品。
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