「やるせない怒りや悲しみの風景」ウインド・リバー nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
やるせない怒りや悲しみの風景
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アメリカ原住民の保留地で起こった少女死亡事件を追うというサスペンスですが、原住民の置かれた厳しい環境や、子を失った親の心情も描かれ、社会派ドラマとしても人間ドラマとしても観ることが出来ました。
また、知的で冷静に的確に獲物を仕留める、主人公のハンター役のジェレミー・レナーが格好良い。
なおかつ、怒りや悲しみを内に秘めた表情など、演技も素晴らしかったと思います。
犯人を追うサスペンス展開の方も、クライマックスの構成など、とても緊迫感がありました。
事件の真相となる部分は意外性があるわけではないのですが、こういった構成で提示し、緊迫感のある容赦ない銃撃戦へ続く流れは圧倒されました。
真相は意外性はありませんが、やはり非情で残酷だと思います。
犯人に報いを与えても癒やされることのない子を失った親の心、把握されない原住民の女性の失踪者達、ラストはやるせなさが残ります。
荒涼とした雪原の風景も印象的で、やるせない怒りや悲しみの心象風景のように感じました。
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