猫が教えてくれたことのレビュー・感想・評価
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イスタンブールの猫メンタリー
原題のKediはトルコ語で猫のこと、邦題はちょっと大袈裟、猫は古来から神の使いと言う現地の漁師さんもいましたが、無理に学ぼうとしなくても良いでしょう、凡人の私はただ愛でるだけでした。
イスタンブールは古くから港で栄えた街で船乗りが乗せていた猫が次第に街に住みついたから世界中の猫が集まっていると言う、また、オスマン帝国時代に下水道が出来、鼠が増えたので猫は重用されてきたそうだ。
衣食住安泰な飼い猫と違って野良ちゃんはいわばホームレス、観た印象では迫害されている感じはありませんでしたがボランティアのくれる餌を必死で食べる様子をみていると不憫に思えてしまいます。イスタンブールも年々都市開発が進んでいるので猫たちの棲み家が無くなるのではないかと心配する声もありました。
むしろ、猫に助けてもらっていると言う人が多かったのは印象的、確かにかよわいものを庇護したり世話をしていると幸せホルモンと言われるオキシトシンやセロトニンが分泌されるらしいから癒しの効用があるのは納得です。
猫目線のローアングルやラジコンカーのアクションカムなど撮影も見事でしたが寄りの絵が多い印象、岩合さんの「世界ネコ歩き」は風景に溶け込む引きの画も見どころなので、むしろ岩合さんの番組の質の高さを再認識した感じです。
ねこが気ままにいる映像の癒し。
結構キツイ風邪をひいてしまい、熱だ咳だで映画どころではなくなってしまった2018年1月上旬でしたが、快癒第1弾にこれをを見ました。結構混んでてびっくりしました。そんなに猫好きかい?って思いました(あたしがゆうのはおかしいですが…)。
岩合さんが撮ってないけど世界ネコ歩きinイスタンブールって感じです。世界ネコ歩きとか世界ふれあい町歩きとかが好きな人が観ると楽しい映画です。
志村どうぶつ園とか、どうぶつ大好き!(TBSの2時間バラエティのシリーズでそんなんあったと思う)とかが好きな人には泣かせポイントもオチもないし、血統書付きのビューティーちゃんもいないしでてつまんないかもしれません。
地上波よりBSに癒されるという方は是非見てって感じです。
カフェには入らないしお客さんに食べ物をねだらないけど、お腹減ったらカフェの窓ガラスをかしかしかしかししてご飯を要求する子が可愛かったです。
お家入れて!のポーズが、横向きで片手でノックするみたいに見える黒白の子も可愛いかった。
あとは子猫を産んだばかりという子が3匹出てたかな。子猫もいっぱい。みゅーみゅーゆうてました。
問答無用で愛おしい、できたてほやほやの命の声は、胸の奥がしゅんって湿ります。目の奥がじゅんって滲みます。
町の人たちの幸せそうな感じにも、癒されました。
疲れた心身が、ふわっと緩み、ちょっと眠くなるのもご愛嬌ということです。
ネコとの距離を心得ているイスタンブールの街
今年も"ネコ"を主役にした商業映画がいくつも公開された。現在公開中のものでも3本もある。
最もドラマチックなのは、「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」である。奇跡のサクセスストーリーというだけでなく、ちょっとした音楽映画に昇華させているという点でも、よくできている。
実在するボブも出演しているが、ボブ役として複数のネコを使って、"演技させている"という意味でも映画らしい映画だ。
一方で、「劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き コトラ家族と世界のいいコたち」は、残念ながら映画として形になっていない。NHK-BS番組のために収録された再編集モノで、"コトラ家族"の追っかけは中途半端だし、尺の足りない部分を世界のネコでつないだだけ。
アスペクトも16対9の放送サイズだし、岩合氏の主観ナレーションが邪魔だ。そもそもNHKの映像素材は受信料で作られているはずで、受信料を払っている視聴者に対して、再び金儲けをする仕組みに納得が行かない。まあ、ネコに罪はないが。
さて前置きが長くなったが、本作「猫が教えてくれたこと」は、ドキュメンタリー作品で、おそらくいちばん"猫と人間の関係性"について真摯にとらえた、"本命"のネコ映画である。外国語映画なので、米国ではわずか1館から始まったが、あっという間に130館まで拡大し、異例のヒットとなった。
舞台はトルコのイスタンブール。とにかく街中にネコがいる。家の中や外、屋根の上、樹の上、テーブルの下、道路…。つまり"野良猫"なのだが、大都市にありがちな駆除の対象ではない。イスタンブールの人々は毎日、ネコとともに日々の生活を送っている。
本作は、映画収録の中で出逢った7匹のネコをそれぞれ主役にしたエピソードで構成されている。ネコと出逢った人々との関係性、そのネコの性格や行動パターン、家族の有無などが、余計なナレーションは省き、普段一番近くにいる人のインタビューで紹介される。
かといって、人々は決して"飼い主"ではない。彼らは野良猫なのだから。カメラワークも地上10㎝のネコ目線でイスタンブールの街を通り抜けたり、人間の目線で港町の様子や、人々の生活シーンを効果的に挟み込む。また単発的に、ドローンを使って古都の風景を空からとらえる。
人々はネコとの距離を心得ている。イスタンブールは、キリスト教とイスラム教という二大宗教の信者や歴史的な遺跡が共存している。その懐の深さが特徴的な街である。
"甘えたいとき"にしか、近寄ってこない彼らの自由を妨げることはないし、エサがほしいときにはエサをあげる。街全体がそんなことは当たり前のごとく。家ネコには家ネコなりの対応をするのはもちろんだが、野良猫には野良猫としてのもてなしと権利を認めているのだ。
(2017/11/19 /シネスイッチ銀座/シネスコ/字幕:廣川芙由美)
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