泣き虫しょったんの奇跡のレビュー・感想・評価
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いい映画だった
いい映画だった。
自分も小さい頃に将棋好きだったから、奨励会という場所は知っていたけれど、映画は想像をはるかに超える厳しい世界だった。
年齢制限がある中で「いつかは四段(イコール、プロ)になれるはず」と皆が思い描くのも当たり前だと思う。そもそも奨励会に入るだけで、小中学生として、多くの競争を勝ち抜いてきているわけだから。そしてそれだけに、年齢のエンドが見えてきたときのプレッシャーは、本人にとって恐るべきものなのだろうな。
同じ将棋映画「3月のライオン」もかなりうまく描いていたと思うが、あちらの主人公は将棋で成功する者に対し、こちらの主人公はプロになれず将棋界を去る立場。敗北感、虚無感は、本作のが痛烈で、劇場中を覆いつくしていた。
そして、本作の3/4は脱落までを描く時間なので、観客が浴び続けるプレッシャーも半端なものではない。
将棋のリズム、対局の緊張をよく表現しているのは、音楽、駒音、駒の動き。特に駒の動きを独特にとらえたカメラワーク。それらが相まって、対局シーンは、退屈どころか小気味よくさえある。
聞けば、監督も奨励会に所属していたとのこと。だからこその見事な演出、撮影だと思う。
ストーリーは、ザ・ドキュメンタリー。35歳でプロ棋士になるということ自体が奇跡のような実話だが、実話だからひとつひとつの出来事の中でびっくりするようなどんでん返しがあるわけではない。それを、松田龍平の抑えた演技がベストマッチ。
そうして抑えた映画であっても、最後は誰しもが涙あふれるであろう。それは実話のすごさであり、それを描くことは映画の価値だ。
テンポが良くて思ってた以上によかったです
もうすぐ終わりそうなので急いで観させて頂きました。もっとまったりしているのかと思いきや テンポ良く 最後のストーリーはこのテで決まるんだな~等ちょこちょことそんな演出が入り楽しく観させて頂きました。少しだけしか出てこない俳優の方々も豪華できちんとその人の生き方や思いが伝わってきました。流石です!愛流くんは初出演で小学生の頃の色白で良くとおる声から日焼けして声のトーンも少しおとした中学生で将棋をバシバシさしていて良く覚えられるな~と感心しました。
はしょりすぎ
しょったんの人柄と家族に支えられていたことはわかった。
ただはしょられすぎて、感動にはいたらなかった。
実際は奨励会→アマ→プロって、相当すごいことなんだろうな。
映画からは努力していることや、才能は感じなかった。
気になった点
同級生にけしかけられ、幼馴染と将棋を始めて指すシーンがあるが、家が隣同士なのと、そもそも将棋に誘ったのはしょったんというエピソードに?となった。
奨励会の仲間で染谷さんと駒木さん以外はプロになったのかな?
そんなに泣き虫ではない。
ちょい役が豪華
文句無しです
囲碁・将棋・競技かるたなどのマインドスポーツ、頭脳スポーツものが大好きで本当萌えるので、これも勿論観にいきました。
幼少期から大人まで丁寧に成長や挫折が描かれていて良かったです。ここ最近の将棋映画なら「聖の青春」「3月のライオン」の方が私は好きだったかな。ここ最近の松田龍平の映画なら「舟を編む」「映画夜空はいつでも最高密度の青色だ」の松田龍平の方が好きかな。比較対象があり過ぎて無意識に色々比べてしまうのもあれですが…。
映画としては特に批判する部分もなく、演技がきちんと出来る人達が集まって良かったです。むしろそこがかなり大きいのではないかなとも思いましたが。
キャスティング的には、「松田龍平」と「新井浩文」(しかも豊田監督!!)、「松田龍平」と「小林薫」(好きな映画でよく共演してるしいつも良い関係性の役どころ!!)はかなり興奮でしたね。凄く良いですね。
初演技・初映画の窪塚愛流君も雰囲気からして最高でした、もっと色んな映画出て欲しいな。
あと飲み屋のシーン。「舟を編む」「逃げ恥」でも出てた神保町の酔の助が出ていた…。まだ行った事ないから絶対行こう笑。
松田龍平はどの役やらせても独特の雰囲気とペースがやっぱり魅力的で、今流行りのカメレオン俳優という言葉(この言葉最近本当嫌だよね?笑)にハマる感じではなくて、「〇〇の役」×「松田龍平」でどんな仕上がりになるんだろう?といつもワクワクさせてくれるね。本人自体の人物面もとても好きだし。新しいドラマもそうだけど、いつまでも追い続けたい。
でもやっぱり松田龍平史上のナンバーワン松田龍平は「青い春」なんだよね。カッコ良過ぎだあれは笑。
感動
嗚咽するほど泣いた映画は久しぶりです。わかりやすく感動させようとする映画ではないのに、なぜこんなに心を突くのか。。しょったんと一緒に生きて、応援して、奇跡を魅せられる、とても丁寧に作られた名作です。
象徴的だった妻夫木くん。
丁度この夏に小説『盤上の向日葵』を読んだり、子どもと将棋対決をたくさんやったりしたので、見に行ってみようと思いました。
わかりやすいサクセスストーリー。
気軽に楽しめました。
豪華俳優陣にも満足。
余程、人望がある監督なのかな。
プロの資格がなくなるまでのストーリーがしっかりたっぷりあったため、敗北感や、成功を掴むことの喜びの大きさ、関わってきた人々の応援の熱さなどを感じることができました。
挫折を表す、あの泥沼に嵌っていくシーンはお見事です。
ああいう世界が、私は頭の中によく思い浮かびます。
実力や才能はあるのに勝負になると勝てない。
お人好しがトップに立てないという、妻夫木くんとのシーンは、明暗を分ける勝負の世界の象徴のように思えました。
惹き込まれる人間ドラマ
主人公は将棋の天才ではなく努力の人である。中学時の大会でも早々に敗退し、奨励会の時も真面目に将棋に取り組まなければならないのに、どこか本気になれず、遊びに時間を費やし、その結果プロにはなれていない。もがけばもがくほど泥沼に嵌る様はリアルに人間らしい。
応援してくれた父、夢であったプロ、色々なものを失って原点である将棋を心から楽しいと思う心に気づき、本気で将棋に打ち込む。大器晩成という言葉があるように人間はいつ結果を出すか分からない。主人公のように時間がかかってから成果をあげるパターンもある。その時にその人を受け入れられる世界でなくてはならない。
そして多くの人の応援を乗せたプロ試験戦は駒を指す音に気持ちが現れていた。駒を棋盤に打ち付ける音はどうして心に響くのだろうか。日本の歴史を感じさせる音である。
クライマックスも余韻を残す終わり方で素晴らしく、総合的に欠点が見当たらない作品であった。
よかった
80年代の描写でワゴンRみたいな当時にはありえないつるんとした車を背景に映さないでくれ〜と本当に気になった。アメリカ映画と比べたくはないのだけど、そういうところ、向こうはきちんとしている。CGで消すなりして欲しい。また、常々思うのだが、家電など今の状態では古びた感じがして、古いものでも当時は新品だだろう、そういった感じを表現しているのが見たい。
将棋はよく分からないけど、最後の勝負が、敵が攻めきれずに負けるというような描写で、しょったんがどのように攻めているのかなんとなくでいいから見たかった。
しょったんに突き飛ばされる女の子が印象深かった。
棋士生活の厳しさ
映画館へ初、アマ棋士である父親と見てきました。後半の盛り上がりは良かったです。導入あたりが、なんとなく教育映画のように見えてしまった。実話からだから、しようが無いか?聞き慣れている駒の置く音は違和感があるが、スクリーンなら贅沢か?主役と友達が歳を追って、同じ場所で自転車乗ってるシーンは効果的でした。イッセー尾形の味わいが良い。
夢を諦めなかった先にある奇跡!
あまり知らなかった、将棋のプロになるための仕組みや。
その人たちの、努力、苦悩、葛藤などを分かりやすく教えてくれる。
そんな感動の実話です。
プロ棋士の養成所奨励会のルールで、一度は諦めたプロへの道。
将棋しか取り柄のないしょったんが、まわりのみんなの励ましや、助けを借りて、もう一度挑戦した先にある奇跡!
夢を諦めなかったしょったんの起こした奇跡を、是非劇場で観てください。
長い
どおやら実話のようだった。
物語は主人公が小学生の頃から始まり、ほぼ端折る事なくプロ棋士になるまでが描かれる。自伝との事なので語る必要はあるのだろうが、いかんせん長い。
ラストに至りそのエピソード達が収束していく感はあるものの、それでも割愛する余地は多分にあったように思う。
正直、ダレる。
あり得ない程、俳優陣が豪華なのはテアトル制作のなせる業なのだろうか?
思い返してみたら名前のある俳優陣を起用したおかげで切れるモノも切れずにいた印象も残った。本末転倒とまでは言わないが…それはそれで考えものだと思う。
物語的には業界が激震する程の革命が起こっていたようではある。
革新の是非はさておき、その渦中にこの主人公はいた。ドラマティックな半生なのである。当の本人より周りが過熱してしかりではあるのだが、その辺りは以外とくどく語られる事はなく…6番勝負の対戦相手達からも事の重大さが伝わるような事はなかった。
全体的に薄味な印象の作品だった。
そんな中でも、流石と唸るのがイッセー尾形さんだ。最後の1カット、勝利の報をラジオから聞いた時の喜びように胸が熱くなった。
彼だけが、この偉業がどれほどの事であるか語ってるようにも思えたし、夢を託した己も、それすらも挫折してしまった不甲斐なさも、彼等への心残りも十二分に表現してくれてるようであった。
ダラダラとして作品の中にあって唯一胸がすく思いがした。
夢があって良いじゃない
パチンパチンと小気味よく響く駒音がずっと心地良かった。
将棋のルールも将棋界のしきたりも全く何も知らないしストーリーの予想も相当ついていたけど、ちょい役の藤原竜也と板尾創路を目当てに鑑賞。
監督が監督なので独特のテンポと描き方は承知の上。
小学生の時の作文で「しょく業」なのに「将棋」なのがとてもグッときた。
瀬川と鈴木の自転車の追い抜き合いのシーンが好き。
次々現れては消えていく瀬川の周りの人物たちがみんな優しくてほっこり。細かなポイントでちょいちょい胸打たれること多し。
ただ正直、良い人になりすぎて胡散臭い演技に思えてしまうことも。
主人公含め、人物描写が希薄なのでどうしても薄っぺらく感じるのは仕方ないのかな。
淡々と勝ったり負けたりしていく瀬川晶司の凄さや才能を感じさせるものがなく、周りの人の反応が不釣合いに思えたり彼を応援したいという気にあまりならず最後の感動も薄かったのが残念。
将棋が分かる人なら試合シーンはよりスリリングに、瀬川により感情移入できるのかもしれない。
鑑賞後、瀬川晶司について軽く調べてみた。
アマの時に羽生善治氏と対局していたり、瀬川がプロになった翌々年に将棋界に正式なプロ編入制度が決まったりと胸熱なエピソードがチラホラ出てきた。
そういうの少しでも差し込んで欲しかった。見逃していただけかもしれないけど。
唐突に5秒ほどねじ込まれた藤原竜也に笑った。贅沢な使い方だな。
普通の人だったしょったんにファンが付くという、印象的なシーンだった。
ルポルタージュのような
一度は年齢制限で奨励会を退会したものの、冷めることない将棋への情熱で以てプロへの道をこじ開けた実話の映画。
●ストーリー
瀬川君が将棋を本格的に初めて奨励会へ入り、そして挫折し、再度プロヘの挑戦を行うまでの過程を描き、プロ入りを決めた所で物語は終わります。実話が元なので、このストーリー自体を批評することはできませんが、驚く程ドラマティックですよね……
●演出
時間の割り振りはどの過程も割と均等で、演出についても「あっさり目」でした。ノンフィクションということで、余計な作為を入れたくなかったのかもしれませんが、少々物足りないかな?という印象を受けました。しかし元になったストーリーが十二分にドラマティックなので、あまりクドクドした演出を入れるよりはあっさりしていた方がマシな気もするので、塩梅が難しい所でしょうか。
将棋を指しているシーンの緊迫感の描き方は素晴らしかったです。現実ではありえないぐらいの早指しや強打も、かえって緊張感をもたらしていて良い演出だったと思います。将棋盤の周りを回るような映し方も斬新でした。
そういえばタイトルに「泣き虫」というワードが入っている割に、そこまで泣き虫な印象は抱きませんでした。別にそれが演出上悪い訳ではないですが、折角なのでもう少し違うタイトルにしても良かったのにな、と思わないでもないですね。
●演技
特に不自然さを感じた点はありませんでした。NHK杯だか銀河線だかの久保王将と対局するシーンでご本人登場していたり、その他なんか見たことのあるプロ棋士が複数登場していたのはちょっと笑いました。(ちなみに久保王将の演技も自然でした)
●総評
元になったお話が既にかなりのドラマ性を備えていたが、これをくすませることなく映画化した政策陣に拍手。将棋という動きのない物を映画にしつつも退屈しない出来栄えになっていたと思います。夢とかロマンとか、そんなものを追い求めていたくなる一本でした。あと良い駒欲しい。
何かね
136本目。
3連休の2日と言いたい所だけど休日出勤で疲れてはないけどテンション低め。
あと1日あるのが救い。
で、苦手な上映時間長めの作品。
でも見易く、えっ、終わりみたいな感じ。
ただタイトルがね、分かりやすい。
奇跡って入ってるから。
それにあんまし泣いてないし。
使ってる役者さんは結構贅沢何だけど、なんか勿体ないなぁ。
小学校時代のシーンから気になって、作品全体を通して思った事だけど、型にはまってる感じが凄く嫌で、段取り通りしてるってのが観てて気になって。
監督の演出なのかは分からないけど、良く言えば分かりやすい芝居、演出だとは思うけど、俺には合わないかな。
いいけど、遅い!
立ち上がりが遅かった。
松田龍平が出てくるまでにどのくらい掛かったんだろう……。
幼少時代から丁寧にやり過ぎている印象で、正直前半たるかった。
年齢制限を超えてしまったショックを共感する為に、敢えて長くしたのかもしれないけど、もうちょい方法があったはず。
どちらかといえば、プロになりたいけど、なれない、なりたいという、悔しさとか強い思いが欲しかった。けど、実話であれば、しゃーないか……。
けど、監督のエキセントリックな演出は大好き。
相変わらずぶっ飛んでるなと思いました。
豪華俳優陣ではある
キャスティングの豪華さに目が散る。
単なる端役なのに意味があるのではないかと余計な意識をしてしまう。
セリフで多くを語らせこちらの想像する楽しい余白が少ない。
BGMに工夫が少なくただでさえ単調な場面が余計につまらなく感じた。(ループしてる曲を4曲くらいで使い回し、終わり方はフェードアウトかブツ切り)
自伝原作なので動かせない要素が多いのも厳しい。ドラッギーな心理描写が一箇所あって画的に唯一良かったので、その方向で伸ばして欲しかった。
対局数も多くなるので、ラストに盛り上がりのピークが来ていないように感じた。そこは事実改変なり演出でもっとメリハリがあると良かったです。
全体的に切れ味悪いです。
じんわりと沁みる映画だった
とても面白かった。
しかし、万人にはウケないであろうとも思った。
ストーリー的には比較的淡々と物語が進行していく。
実話が基になっているということもあり、全体的に地味で、平凡な印象を覚えた。
しかし、地味で、平凡だからこそ、どこか懐かしさを覚える作品でもあった。
「今頑張っている人」「努力が報われない人」「無気力だった自分に後悔を感じている人」「人生の」「夢を諦めてしまった人」
にこそ観てほしい映画だと思いました。
僕は3回泣きました。
それほど泣き虫ではなかったが。
惜しげもなく投入されては去っていく豪華キャスト陣。エピソードの描き方が希薄ながらも人物像が見えてくるのは彼ら役者の力量の成せる業。その中心にどっしりと居座る松田龍平の安定感がいい。やや淡白にもうつるその性格や行動も、周りの熱量との対比が際立つ分、かえって存在感はあった。
ただ、瀬川の努力や天才性が見えてこず、ましてや一局一局の勝負のどこがすごかったのか伝わってこないので、どこか味薄感で終わってしまった。
全101件中、41~60件目を表示