デトロイト

劇場公開日:

デトロイト

解説

「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー監督が、黒人たちの不満が爆発して起こった1967年のデトロイト暴動と、その暴動の最中に殺人にまで発展した白人警官による黒人たちへの不当な尋問の様子をリアリティを追求して描いた社会派実録ドラマ。67年、夏のミシガン州デトロイト。権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。3日目の夜、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルの一室から銃声が響く。デトロイト市警やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためモーテルに押しかけ、数人の白人警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく。出演は「スター・ウォーズ 最後のジェダイ」のジョン・ボイエガ、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールター、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「シビル・ウォー キャプテン・アメリカ」のアンソニー・マッキーら。脚本は「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」も手がけたマーク・ボール。

2017年製作/142分/G/アメリカ
原題または英題:Detroit
配給:ロングライド
劇場公開日:2018年1月26日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15

(C)2017 SHEPARD DOG, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

映画レビュー

1.5相変わらずアツイが、それ以上に古臭い。アカデミーノミニー全滅の本作をおっさんはこう観た。

2018年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 4件)
しんざん

3.5ビバリーヒルズ・コップの17年前

2018年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

一応、事実的なことを最初に記しておくと、この事件は裁判では無罪となっていて、真相がハッキリしたわけではない。ただ、状況証拠と証言からして限りなく黒に近いだろうということだけしか言えない。ビグロー監督は、事件の詳細な記録を調査し、空白の時間を想像力で補って映像化している。

しかしながら、当時のデトロイトの白人警官の横暴は事実であり、こうした凄惨な事件が起きてしまうバックグラウンドは十分にあった。事件の詳細云々よりも、もっと根の深いアメリカの差別の病巣それ自体を描いた作品として非常に意義のある作品だろう。

ケン・ローチ作品の撮影監督として有名なバリー・エイクロイドの臨場感あふれるカメラワークは、観客にその場に居合わせたかのような恐怖を与える。『ハートロッカー』以来ビグロー作品のカメラを手がけているが、彼の能力なくてはビグロー作品のリアリティはないだろう。
デトロイトの警官と言えば、エディ・マーフィの『ビバリーヒルズ・コップ』を思いだす。この事件の17年後の映画だ。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
杉本穂高

3.5他人ごとと思うのは早計。

2018年1月29日
PCから投稿

怖い

知的

人間は偏見と状況とが合わさるとどれだけ酷いことができるのか。その一点を、現実に起きた事件を元に克明に表現している。もちろん楽しくないし辛い。

ただ、誰の心にもヘイトの芽が眠っていることが顕在化してきた現代にあって、この映画は決して他国の昔話や他人ごとではないのではないか。それはウィル・ポールター演じる最大の憎まれ役である白人警官が、性質として邪悪に寄っているかも知れないが、決して心が強い者として描かれていないことからもわかる。弱く怯えているからこそ彼と仲間たちは暴走するのである。

実際のアルジェモーテル事件では、二人の少女は「黒人といちゃつきやがって」と警官たちに裸にされたという。そこをぼやかした意図はちょっとわからない。これ以上陰惨になると伝えたいテーマが伝わらないと判断されたのだろうか。いずれにせよ、自分がいかに弱き者であるかと向き合うためにも、誰もが観て損はない力作だと思う。

コメントする (0件)
共感した! 8件)
村山章

4.0手を伸ばすと火傷を負いそうなほどの臨場感

2018年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

ビグローとボールが放つ実録ドラマはここにきてさらに密度を高め、67年を単なる歴史の通過点でなく、手を伸ばせば火傷を負うほどの臨場感で提示する。前半部はそのスケールの大きな全体像を、事件の着火点から時系列的に描き、後半は舞台を一点にクローズアップしてどんな異様な状態に見舞われていたのかを克明に記していく。全くもって異なる限界状況だが、いずれも精神の制御盤が吹っ飛び、暴走し、歯止めが効かなくなってしまった状態であることは共通している。

感心させられるのは、本作が規定の結論へ観客を誘導するのではなく、あくまで自分らの集めた証言をもとに再構築を図ろうとする作法だ。特定の人物を悪と断罪するわけでなく、むしろ被害者と加害者にどのような心理が働いたのか、各々がどんな性格の持ち主だったのかの描写も手を抜かない。それがさらなる臨場感を生む。緊張感も凄まじいが、その筆致に、今回も心底驚愕させられるのである。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
牛津厚信

他のユーザーは「デトロイト」以外にこんな作品をCheck-inしています。