去年の冬、きみと別れのレビュー・感想・評価
全230件中、1~20件目を表示
脚本もキャスティングもよく練られている
あまり予備知識なく観に行ったのだが、大変面白かった。鮮やかなストーリー展開で映像も美しいし、芝居も洗練されている。
構成も非常に巧みで脚本の上手さを感じる。見事に騙されたし、結末を知った時の納得感もある。見事な愛憎ミステリーだ。
キャスティングもなかなかに巧妙というか、安定感ありそうに見える人物ほど、脆かったり、素朴にみえる人物が一番策を弄していたりと非常によく練られたキャスティングをしていると思う。怪しげな斎藤工、骨太そうな北村一輝、純真そうな山本美月・・・etc
ミステリーとしての展開と人間ドラマの配合も絶妙で、観ていて飽きさせない作品だった。こういう邦画がもっと増えると嬉しい。
原作からの改変の鮮やかさよ
売れたミステリー小説の映画化で、原作を読んだ観客を驚かせるのが難しいのは当然だ。はなから諦めて原作のトリックを忠実に再現する場合もあるし、策を弄した揚げ句に小説の魅力を失ってしまう不幸な例もある。
そんな中、「去年の冬、きみと別れ」の改変は実に鮮やかだ。書き連ねたいのはやまやまだが、原作のトリックの核心部分を残しつつ、「映像化不可能」と言われた要素を巧みに組み換えて別の仕掛けを創造した、と評する程度に留めておこう。原作ファンでも「そこをそう変えてきたか!」と驚嘆すること請け合いだし、未読の人ももちろん楽しめるはず。
「イニシエーション・ラブ」のトリックの改変は(当たり外れのある堤幸彦監督の映画であることを考慮しても)相当うまくいった稀有な例だと思うが、本作もそれに匹敵するか、超えるぐらいの成功例に数えられるだろう。脚本・大石哲也&瀧本智行監督のコンビにお礼を申し上げたい。
斎藤工は黒いタンクトップが似合う
予告で観たときから「面白そう!」と密かにチェックしていた。何と言っても怪しい魅力たっぷりの斎藤工にやられた。夫に「えぇ~?」と言われようと絶対観る!くらいの意気込み。実際はヤツもチェックしていたので、すんなり観ましたが。
序盤から斎藤工演じる木原坂は怪しさ満点、それだけでも超満足。モデル焼死事件の真贋を確める、というストーリーもテンポよく楽しめる。サスペンスらしく、いきなり「第二章」から始まる仕掛けや、意味ありげに置かれてる「地獄変」なんかも良いスパイス。
中盤過ぎた辺りで「あれっ?これってそういうストーリーなの?」となってからは一気に仕掛けの回収が始まり、勢いよくエンディングへ。凝縮された良サスペンスでした。
全体的にはなかなか面白かったけど、最後もう一捻り欲しかったな~。あんだけ怪しさバリバリだった木原坂も存在消えちゃってたし。後味悪くても余韻があったほうがもっと印象深かったと思う。
あと演出にももう少しヒリヒリ感が欲しかった。木原坂邸の門が開くシーンで気持ち悪いくらいのシンメトリーにするとか、スタジオを激しいコントラストの色使いにするとか。
まぁ、全体的には面白かったんでちょっと惜しいくらいかな。
テレビ俳優の真剣な演技
20代で芥川賞を受賞し、海外でも高く評価されているという中村文則のベストセラーになったサスペンス小説を映画化した作品。
よく練られた緻密なストーリーに引き込まれ、予想もつかない巧妙なトリックを解き明かしていくという面白さはありましたが、メインテーマである純愛についてはあまり胸に迫るところはなく、見終わった後に余韻が残り考えさせられるというようなことはありませんでした。
小説の方も読んでみると、また印象は違ってくるのでしょうか。
テレビでお馴染みの出演者の映画だけで見せる真剣な演技を楽しむなら、ファンの方にはおすすめです。
興行収入につられる日本に未来はない
どんでん返しというのはある種のネタバレであり、事前に知らない方がいいのかもしれない。それだけでハードルは上がってしまい、そこまでどんでん返しではないなぁという想いが強くなってしまう。
何より見ていて辛いのが岩田君の演技力である。耶雲恭介という人物は紛れもなくこの作品のキーパーソンであり、二面性を使い分ける難しい役所である。それだけに演技に定評のある若手俳優でなく、今をときめく売れっ子アイドルにその役所を委ねたことは明らかに作品の価値を落としており、残念極まりない。
別に岩田君を責めているのではない。
彼は歌手であり、演技の質を求めることは甚だお門違いである。
寧ろ批判すべきは今の日本の映画界である。今の日本の映画界にとって、作品価値を落としてでも興行収入を得るというのはそれほど大事なことであり、現実問題避けては通れない。
映画監督が自由気ままに己の才能を発揮できる現場や環境が出来上がらないことには邦画の未来は無いのかもしれない。
タイトルにひかれて、ずっと見たかった作品
面白かったです、特に北村さんの狂気が。時点で山本美月さん、いい感じで騙されました。浅見れいなさんと主役の男の岩田さんて言うのかな頑張ってました。一番迫力がないというか説得力がないというかただの兄ちゃんに見えたのが斉藤さんでした・・・物語は途中から話の先が見えちゃうのがおしい。
最近作品の質が子役に救われることが多い作品に当たる、長澤まさみのマザーとか、今回の作品も虐待を受けている頃の姉弟の描かれ方はインパクトがあり悲惨さは想像できる、作品ではそこから大人になってるので姉弟の今までのそこの間の映像が欲しかったかな、姉ちゃんもおかしいが弟がなぜそこまでってとこ・・・。岩田さんに主役をさせる勇気は買います、頑張ってましたこれからに期待ですね。映画のタイトルも興味をそそるものでしたし、配役が、ちょっと変わっていれば・・・って失礼な話なんですけどね、、、。
話はそれます、ドラマの話ですがミステリという勿れ原作が好きで最初ととのうが菅田くんて、イメージと違いすぎてショックでした、あとふろみつさんもね、いやいや・・・という感じ、青砥と池本は納得。でもまードラマはドラマとして見てると役者さんが達者ならそれなりに面白く見れるのです。配役てほんと難しい
楽しめたが、予告編で騙されると謳っていたのでどれほどのものかと身構...
楽しめたが、予告編で騙されると謳っていたのでどれほどのものかと身構えてしまったのもあり、物足りなく感じた部分があった。
観賞後スッキリするような物語でもないのでやられたという感覚にはなれなかった。
ストーリーは好きです。
タイトルの意味が切ない
全ての演技に秘められた意味がある。見終わってすぐにもう一度見返したくなります。
私は百合子の感情の動きが好きです。嘘の婚約指輪を眺めて微笑む百合子。手帳に残した『愛してる。あなたの事を愛してる』の言葉は恭介の指示とは別の彼女の本心なのでは。
『すべての人が騙される』的な宣伝やめたらいいのに。観て、そのうえで「騙されたぁ~」ってなりたいもんじゃないの。最初から「騙すからね!?」って念押しされてから見始める映画ってなに?
あとED曲に批判的なレビューが多いように見受けたんだけど、私的にはリサさんの歌声は全然アリだしラップもOK。ただ『過去のことはもう関係ねぃイェイイェイ』って歌詞はちょっと…。…いやごめん。やっぱり挿入歌の『Make You Feel My Love』でエンドロールも観たかったです。
映画の内容やキャストの演技とは関係無いところで作品の評価が下がってしまうことに結構怒っています。オコですよ。
罠にハマれ。ハマって欲しい。
ちゃんと物語になってました。
「さんかく窓の外の外側は夜」を見てたら思い出しました。
全然、接点がないのに何故だろう?
起承転結があり評価できる作品です。
この映画見るまで知らなかったのですがガンちゃん良いね。
好青年の感じも出てるし家の婿に入れても良いです。
その前に娘、作らなければいけないけど.....
んーーん。ガンちゃんが犯罪者だったらショックかな。
この映画、見た人で調子こいてる人は「すぐわかった」と言います。じゃこれ以上の物語、考えれるのか?と聞きたくなります。素直に見た方が良いと思いむす。
キャッチコピーの「すべての人が、この罠にはまる」を認めてたくないのでしょ。
私は素直に罠にハマりましたが.......
面白かったです。
タイトルの意味を知れば号泣
正直あまり期待しないで見たのですが、
かなり見応えのある映画でした!
まんまと、騙されました。笑
岩ちゃん、、こんな表情ができるんですね!
びっくりしました。。
挿入歌の洋楽が、余計切ない気分にさせてよかったです。
異常者はそんなに普通の人と見分けがつかないものなのか
主要登場人物は大なり小なり異常なところがある。特に妹は子供の時から異常で、ホラーマンガもかくやと思わせる。そういう人が普通の人の皮をかぶって生活できるとは思えない。そういう妹に惚れて指示に従う編集者というのもありえない。
映像表現にしても、部屋の壁一面にターゲットの写真がギッシリ貼られていたりして、またか!とうんざり。異常な執念を視覚的に表現したいのだろうけど、他に思いつかないのか?
あなたはきっと騙される、というのがこの作品の惹句だが、そりゃ都合よく異常者を配置しているんだから、常識のスキーマで見ている人は騙されるわな。
去年の冬、君と別れ、僕はケモノになった。大した穴埋め文ではない。
大傑作!
若いころ、千冊以上も推理小説ばかりを読んでいた時代が、私には、あります。
その私が言うのですが、これほど素晴らしくも凄みのある推理小説に出会ったことが、いまだかつてないと思える、そんな作品が原作です。
ただ、おそらくはこの圧倒的な小説に直面して、映画人たちは途方に暮れたことでしょう。
文字だからこそ成立する話。無理なものは無理だ……と。
しかし、文学の世界からの挑戦状だと感じたであろう映画人たちが、おそらく何年も頭を捻り、悩み抜き、完成させた本物の映画こそがこの映画なのだと思います。
映像があるからこそ、一瞬で成立しうる「説明抜き」の納得・得心。
美しくも凄惨な映像群によって観客に示し、哀感はあくまでも清く哀しく、言葉に尽くせない作品に仕上がっていると感じました。
小説を凌駕した映像。
その一例が、たとえば執筆家の秘密の書斎に踏み込んだ時に編集者が見た風景だったりするわけです。
映像だからこそ、一瞬で事件のすべてが理解できる。
観客の心にモヤモヤしていたものを解消させてしまえる映像力。
こういうのを観ると、映画ってのも捨てたものじゃないな、と感じるのでした。
ネタバレになることを恐れて、歯に物が挟まったような書き方しかできませんが、この映画は昼飯夕飯を抜いてでも観なくてはと思える大傑作だと思います。
脚本が素晴らしい
原作未読だが脚本が伏線も上手に張られ仕掛けも含め素晴らしいです。ある程度ストーリーを書いてネタバレ表示にしておけばいいかなと思ったが、この作品には騙されてください。
山本美月とガンちゃんは頑張ったけど、もっと上手なキャストなら大傑作になったかも。でも全然合格です。
すべての人がこの罠にハマる。
2020年5月6日
映画 #去年の冬きみと別れ (2018年)鑑賞
原作は、語り手を曖昧にすることでいろんな勘違いというか誤解をさせる巧みな手法を使ってましたが、一方で、僕みたいに理解力が足りない人間には???ということもありましたが、映画はとても分かりやすくそれでいて驚きの結末は残ってました
全230件中、1~20件目を表示