ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめのレビュー・感想・評価
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本人の主演・脚本で難しい題材をサラリと綴る。
ジャド・アパトーが描いたスタンダップコメディの世界となるとセス・ローゲンとアダム・サンドラーが共演した『ファニー・ピープル』(邦題:最高の人生の終り方)を思い出す。あれはロサンゼルスが舞台で、こちらはシカゴだが、若者たちが互いに皮肉を飛ばし合いながら、面白バトルを繰り広げながら切磋琢磨していくコミュニティの姿は共通している。
ただしこちらは実話がベースで、また別のアングルも加わってくる。人種間、文化間のギャップや偏見、男女の恋愛、家族との複雑な関係性、そして突然やってくる難病と、どれか一つをとっても一本の映画になるモチーフだ。
ところが、それらのすべてを扱いながら、すべてを軽やかに、常温の中でさばいていく演出と演技が素晴らしい。主演や脚本を実話の当事者が務めるという、言わば思い出再現ドラマなのだが、自意識の強さは感じない。このニュートラルでナチュラルな語り口はなかなか得難い魅力である。
大病どころか、観る者に最高の笑顔と元気をもたらす最高の処方箋
ジャド・アパトーが得意とする、スタンダップコメディの世界を舞台にした作品。とはいえ、今回のアパトーは監督ではなく制作側に回り、しっかりと若い才能をサポート。何よりもこんなに面白くて感動的な経験をした人が身近に見つかったなら、絶対に手放してはいけないし、アパトーのように「まずは脚本を書くんだ!」と奨励すべき。そう確信させるほど、この映画には宝石がたくさん詰まっている。
人間関係、愛情、家族、笑い、病気、人種、文化。これほど多種多様なテーマが入り乱れると空中分解してしまうリスクもあったはず。しかし本作には半実話という強度がある。当事者ならではの情熱がある。立ち止まった時には、現場にいる彼らの中に答えがある。この物語を伝えようとスタッフやキャストが一体となりスクラムを組んで突っ込んでいく様子が目に浮かんでくるようだ。大病どころか、観る者全てを元気にする、人生の処方箋のような映画の誕生である。
謎の大病
お国柄による結婚観の違いが興味深い映画でした。
パキスタン系アメリカ人のスタンダップ芸人が、
知り合った白人女性に恋をする。
彼女が謎の昏睡状態に陥る。
彼女に付き添い、
彼女の両親に信頼されて彼女と結婚するまでを描く。
アカデミー賞の脚本賞にノミネートされた脚本は、
クメイル本人を演じたクメイル・ナイジニアと実の妻
エミリー・V・ゴードンの共同脚本です。
つまり実話で実体験が映画になりました
パキスタンから移民した一家がパキスタンと同じ価値観で生きて
生活しているのは、なんとも理解できない。
ムスリムで1日5回地下室で祈り(風習なのか?何を祈っているか
(イスラム教とは何を願って祈っているのか?それを知りたい・・・
★☆★
1日5回の祈りは、心の栄養つまり食事のようなものだとか・・・
全然分からない・・・ですね。
両親は息子のクエイルに見合いでムスリムのパキスタン女性との結婚を
望んでいる。
家族主義で息子は見合い結婚にはっきりNOと言わない
(見合い相手に失礼だ・・・四角い箱に見合い相手の写真を
収集していて、ラストで恋人に“燃やした灰を缶に入れて見せる“
・・・写真の多さが自慢だったように思えるけど・・・
恋人役のゾーイ・カザンは言動がユニーク過ぎて不思議ちゃん。
実を言うと、私はアメリカのスタンダップコメデイアンの面白さが
皆目分からないのです。
アカデミー賞の司会をする芸人の話芸や話術に全く笑えないのだ。
上げて、下げる。
皮肉る、
斜めに構える、
一応権力におもねらない風で、偉そう。
なのでクエイルの話も少しも面白くないのだ。
この映画で一番ウケたのはエミリーの母親役のホリー・ハンター。
もともと好きな俳優だし、小柄で可愛くてセクシー。
彼女を見れたのは本当に嬉しかった。
結婚は一応の締めくくりではあるけれど、夫婦に亀裂が入った場合、
子供の親権の取り合い、
国際結婚ならなおのこと複雑な事情が絡む。
2人は謎の大病がなければ結婚したのだろうか?
エミリーの謎の昏睡を引き起こしたが、膝を強かに打ち付けたことが
原因とか。
昏睡して治療する方法って正しかったのだろうか?
病人はたまたまかかった病院に治療法を任せるしかない。
昏睡療法・・・目覚めなかったらどうするのだろう?
エミリーもなかなか目覚めず、少し乱暴な治療法に思えた。
細胞が壊死していく“人食いバクテリア“的な病気かな?
と思った。
とても似ている。
異なる文化圏の2つの家族。 両親は厳格なイスラム教徒だがクメイルは礼拝をすることは皆無。 両親が息子にはパキスタン人と結婚して欲しいという気持ちもわかる。
動画配信で映画「ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ」を見た。
2017年製作/120分/G/アメリカ
原題または英題:The Big Sick
配給:ギャガ
劇場公開日:2018年2月23日
クメイル・ナンジアニ(クメイル・ナンジアニ)
ゾーイ・カザン(エミリー・ガードナー)
レイ・ロマノ(テリー・ガードナー)
ホリー・ハンター(ベス・ガードナー)
アヌパム・カー(アズマト・ナンジアニ)
クメイル・ナンジアニ脚本
パキスタン出身でシカゴに暮らすクメイルは、
アメリカ人の大学院生エミリーと付き合っていた。
クメイルは、パキスタン人の花嫁しか認めないな母親に従い
見合いをしていたことがバレてエミリーとは破局した。
数日後、エミリーは原因不明の病で昏睡状態になってしまった。
エミリーの両親は、娘を傷つけられたことでクメイルに腹を立てていた。
しかしエミリーの入院病棟で、
クメイルと彼女の両親は心を通わせ始める。
クメイルもエミリーが自分にとって大切な存在であることに改めて気づく。
異なる文化圏の2つの家族。
両親は厳格なイスラム教徒だがクメイルは礼拝をすることは皆無。
両親が息子にはパキスタン人と結婚して欲しいという気持ちもわかる。
原因不明の難病は映画の脚本としては反則技じゃないかと感じたが、
冒頭からラストまで観客をぐいぐいと引っ張る脚本が秀逸だと思った。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
終わってみたら良い映画
ビジュアル大事
インド映画とか好きでよく観るが、本当にイケメンが多くて。
そういう意味で、クメイルはもっとイケメンがよかったなぁ、という個人的な要望。
そしたらもっと楽しめたのに。
しかしお見合い相手、美人ぞろいだったのに。もったいない(笑)
お父さんはパキスタンなのか?色白の人もいるのね。
まぁ、結果オーライで何よりでした。
自由に結婚できない…
国が違うと色々あるんだなと。パキスタンの結婚事情は親が紹介する見合い婚が一般的、知らなかった。親が知ってる相手と言うのはある意味安心なのだろうけど。信仰心もないこと、アメリカ人の恋人がいることを家族に言い出せないこと、エミリーにも家族を紹介できなかったこと、悩むクメイルにしっかりしろと言いたい気もするが、これはお国柄、想像以上に難しいのだろう。勘当されちゃうとは。。また、元カノの両親と会うのはかなり気まずい、しかも初対面、彼女の昏睡状態に。この間の両親との交流が素晴らしかった。所々isisや3.11をジョークで織り交ぜるところが憎い演出。実話ベースで文化の違いを面白く演出しながらも、それぞれの家族の話を通して、ラストはほっこりした。
宗教を取るのか?両親を取るのか?
タイトルなし
上手いことなんてなかなか言えない
みんな不器用で、とびきりの成功なんてそんなに転がってない。素直になれない相手も多いし ちょっとした拍子で、取り返しがつかない(かもしれない)失敗もする。自分が経験してきた場面とも重ねて、苦笑したり温かい気持ちになれる作品だと感じました。
いろんなアイテム入りすぎかな
一言「笑えない」(いろんな意味を含む)。
◎よかった点◎
・主人公クメイルが、パキスタンからの移住一家の設定なので。
パキスタンはお見合いで結婚「しなくてはならない」という文化を知れた。
といいつつ、クメイル自身はどっぷりアメリカ生活。
お祈りはしない(親の前では、地下室でしたことにしている)等、皮肉っているのも愉快。
・クメイルの母も、恋人のエミリーの母も。どっちも強烈。
それは子供のことを思ってからの行動なんだけど。
「母ちゃんあるある」感満載。
・恋愛物と思ったら。昏睡状態になったエミリーのことで、クメイルがエミリー両親と上へ下への騒ぎ。
「家族ってなんだ?」と、それぞれの両親とクメイルとのやり取りで思ったりして。
△いまいちな点△
・恋愛→人種問題→大病。ちょっと項目が次から次へと流れていくので、終わった後疲れた。
・最初の役者紹介でホリー・ハンターの名前。久しぶりと思ったら、エミリーの母親役。
言われてもわからないくらい、劣化(ファンの方sorry)してた・・・。
最後これで終わりか?と、正直退屈背伸びしかけたら。いやん、ちょっとにやり。
でもこれのどこが、オスカー脚本賞ノミネートだったのだろう?。
⭐️今日のマーカー・ワード⭐️
「愛は簡単じゃない。だから愛」byエミリーの父。
エミリーの父親の方がコメディアンに向いてる気がした
“スタンダップ”が漫談と訳されていたので、ついウクレレ漫談の牧伸二を思い出してしまうのはなぜだろう(綾小路きみまろでもOK)・・・あ~あ、やんなちゃった。
映画が実話であり、パキスタン人クメイルはクメイル本人が演じていたことにびっくり。そのおかげで彼の“漫談”が笑えなかったのか、それとも実は真面目青年だったという事実のためなのかわからないが、エミリーパパのテリーの方が面白いこと言ってた気がする。
人種や宗教の違いよりも、パキスタンでは見合い結婚こそが正当な結婚であるという風習が邪魔していて、その事実を知ったエミリーは自分がバツイチであることよりも重大なことだと考えた。途中からはそんなことは忘れてしまい、大病を患いながらも可笑しく描いていたことや、文化の違いをユーモアたっぷりに表現していたことが素晴らしい。
それにしても、白人からすればムスリムはみなテロリストに見えるという皮肉や、それをバネに笑いに転換するクメイルの度胸も面白い。また、アメリカ在住のパキスタン人はウルドゥ語がわからないんじゃないかという偏見もそう。でも、クメイルの舞台見てても、単なるパキスタンの紹介にしか思えなかったのが残念だった・・・
シカゴからNYへ。ウーバーがシカゴの生活に根付いていたようだったし、パキスタンでもインドと同じくクリケットが人気競技。このクリケットは、世界の中でもサッカーに次いで2位の競技人口を誇ることもついでに覚えておこう♪
パキスタンからの移民
パキスタンからアメリカにやって来た移民一族の青年が主人公で、本人が演じている。
信仰心もなく、家族に合わせているだけだったが、白人の恋人ができ嘘に拍車がかかる。
恋人が難病にかかり昏睡状態になり、恋人の両親と会うことで自分自身を問い直すことに。
ロマコメの体裁を取っているが、なかなかヘビーな問題が含まれている。
実話だがしかし
映画「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」と見比べよう
【パキスタン出身の男性コメディアンとアメリカ人女性のカップルが、結婚に向けて文化の違いによる数々の障壁を乗り越えていく様をリアリティ感たっぷりに描き出す】
”パキスタン出身の男性コメディアン、クメイル・ナンジアニとアメリカ人女性のカップルが、結婚に向けて文化の違いによる数々の障壁を乗り越えていく実話をもとに描いたコメディドラマ”
とあるが、その通りに面白かったなあ。
アメリカに住んでいても、自分たちの厳格なイスラム教徒としての生き方を踏襲するクメイルの両親は彼に次々とパキスタン女性の見合い写真を持ってくる。両親は、クメイルはパキスタン女性と結婚すると固く信じている。
だが、クメイルはジョークの波長が合うアメリカの女性エミリーに惹かれていた・・。
設定は良くあるパターンだし、エミリーが突然重病にかかってしまい昏睡状態になるとか、かなり強引なストーリー展開もあるが、ぐいっと物語に引き込まれた作品。
エミリーを演じたゾーイ・カザンの素朴で可愛らしい女性感を出した演技が印象的だったなあ。
(実際の彼女は戯曲家、脚本家、制作もやってのける才女である。ポール・ダノ君、大切にするようにね。)
<現代アメリカの多国籍な人々が暮らす中、実際に起こっているだろう問題を軽やかな笑いとともに描き出した作品>
<2018年2月23日 劇場にて鑑賞>
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